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ぶちおの本棚

『死者と言葉を交わすなかれ』簡単な浮気調査と思ったら…死者と会話をすることは禁忌。

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ぶちおです。

今回は『死者と言葉を交わすなかれ』をご紹介しようと思います。
騙される!と書いてあったら、挑みたくなるのがミステリーハンターというものです。
普通の浮気調査から意外な方向に展開して、ラストはまったく違った結末に着地して驚きました。
そして、『死者と言葉を交わすなかれ』という意味を知った時、ないまぜな何とも言えない気持ちになります。

安心してください、オカルト100%ではないですよ。

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こんな人にオススメ

☆「死」や「自分」を哲学的に考えるのが好き
☆死後の世界が気になる
☆事件の謎は、地に足ついてないといやだ
☆本当にこわいのは、死者よりも生者だ

書籍概要

◆作品名  死者と言葉を交わすなかれ
◆著者   森川智喜
◆出版社  講談社

“死者”と語り続けた後、彼は命を落とした――。

不狼煙さくらは探偵・箒山小竹との浮気調査中に、調査対象の死に遭遇。
一見病死だが、仕掛けた盗聴器からは“死者との会話”が流れ出してきた!? 

これは自然死か、死者の呪いなのか……。
旧知の警察官に事務所廃業の脅しをかけられるなか、 真相を追う二人は予想だにしない悪意に出会う――。

デビュー二作目にして本格ミステリ大賞を受賞した天才に、あなたは絶対に騙される。

Amazon『死者と言葉を交わすなかれ』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『死者と言葉を交わすなかれ』

メインで語られるのは、少し前、平成の日本です。
興信所で働く不狼煙さくらが、後に書籍化したある奇妙な事件の内容が書かれています。
現代ほどテクノロジー化されていないので、どことなく古めかしい調査方法が用いられています。
パソコンも簡単な入力しか受け付けない、盗聴器のデータもパソコンを通して聞くのですが2倍速が限界、音の解析も出来ない。
脳内でちょっとレトロな場面を設定しながら楽しみましょう。

さくらの視点で事件について追っていきます。
簡単な浮気調査。
「夫の帰りが遅い日が増えてきた。もしかしたら浮気しているのかもしれない。だとしたらその証拠がほしい」
ありきたりと言える、妻からの依頼です。
興信所の所長でもある箒山とともに、さくらは夫の調査を開始します。
夫が通勤で使用する車に盗聴器を仕掛けて、家の近くで夫の帰宅を張り込む。

しかし、夫は帰宅想定時刻を過ぎても帰ってこない。
今日の調査はここで終了、続きはまた明日と引き上げたのですが…
翌朝、調査対象であった夫の死を告げられます。
墓地の近くに停車させた自分の車の中で、亡くなっていた夫。
不幸な出来事ではありますが、心臓に若干問題を抱えていて体調も万全ではなかった夫なので、突然死してもおかしくはない。

車内に残していた盗聴器を回収して、興信所のパソコンで音声を再生します。
すると、夫は亡くなる前に不思議なことを話していました。
「そっちの世界にいるリョウコを見たいと思ってる」
「どうやったら見えるのか、よくわかっていなくてな」
会話をしているであろう、相手の声は一切なく、ただ夫だけが話している…会話している…

誰と?

会話の内容も要領がつかめません。
そっちの世界、完全にそっちに行くわけではない、どうやったら見える。
さくら達はこの会話の内容を聞いて、もしかしたら会話相手は死者ではないかと推理します。
亡くなったのは墓地の近く、そっちの世界はあの世のこと、リョウコという死者との会話だから死者の声は盗聴器で拾えていないのではないか…

ここから、探偵たちの本当の調査が始まります。

死者の世界に引きずり込まれて、亡くなった。
そんなことを実際に証明できるのか。
夫の死にまつわる真相とは…

神話や昔話でも、死者の国に行った人が幸せになるお話ってないですよね。
大体が、後悔して終わる。
多分、死者の世界には絶対に行くなという教えなんだと思います。
死者の国からの帰り道、絶対に後ろを振り返ってはいけない。
死者の国の食べ物を食べてはいけない。
タブーだらけ!

それでも死者と会えることが叶うなら、もう一度会いたいと思う願いが強いからなのですが…
本作でも夫は、リョウコなる死者の世界に行きたかったのか。

しかし、死者の世界に飲み込まれてはいけません。
推理、必要ですよ!
なぜなら、伏線しっかりあって、最後は解決ぞろりタイムがあります。
今回の伏線は、とえつもなく見落としやすい。
というか、気付くのほぼ不可能なような…
いや、これはぶちおの負け惜しみですw
おかしいな?と分かりやすいところは少なくとも2カ所はありました。

さくらが残した記録を読み込み、亡くなった夫の過去から現在までを辿り、
悪い人間は誰だったのか、見抜いてください。
本作でいう【死者】の定義も、ゆっくりと噛みしめましょう。

こんな作品もおすすめ

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笑って学べる亡者ライフ。

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愛しすぎて死者の国まで追っていくパッション!

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『仏教「死後の世界」入門 美しく生きて美しく死ぬ』
死生観は人によって様々ですが、極楽を願うのであれば仏教を学んでみるのはいかがでしょう。
輪廻から抜け出せるのは、いつになるのか。

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日本民俗学を築いた折口信夫の傑作小説を、初読四十年にしてついに漫画化。古代へと誘う魂の物語。
しづしづと物語を楽しみたい方におすすめです。

まとめ

『死者と言葉を交わすなかれ』
死後は、生きていた頃とは別人になってしまうのか。
死なない世界線の自分は生き続けるのだから、死なんて誰にも訪れないのではないか。

どうして調査対象の夫は死ぬ間際、1人語りをしていたのか。
いや、普通では見聞きすることが出来ない超常的なにかがそこにはいたのかもしれない。

死者と言葉を交わしても、得るものは何もないのかもしれない。

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