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『怪物の木こり』サイコパスのプライドがぶつかる死闘。作られた怪物の末路。

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ぶちおです。
遅ればせながら、倉井眉介さんの『怪物の木こり』読了しました!
面白かったので、ぶちおなりにご紹介したいと思います。

怪物の木こり (宝島社文庫)

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書籍概要

◆作品名 怪物の木こり
◆著者 倉井眉介
◆出版社 宝島社
◆初版発行 2019年1月26日 

第17回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作は、サイコパス弁護士 vs. 頭を割って脳を盗む「脳泥棒」、最凶の殺し合い! すべては26年前、15人以上もの被害者を出した、児童連続誘拐殺人事件...

Amazon『怪物の木こり (宝島社文庫) 』作品内容より

こんな人にオススメ!

☆サイコパスというワードに何故か惹かれる
☆ヒリヒリした殺人鬼とのやりとりが好き
☆トリック要素はなくてもよい
☆ミステリーが好き

ぶちおは読みやすかったです。
5時間もあれば、読めると思います。ぶちおは物語に引き込まれてやめ時が見つけられませんでしたw

途中までは脳泥棒は誰なのか推理していましたが、佳境に向かうにつれ、推理よりも先を読み進めることに必死になっていました。
『このミス』を冠する作品は今まで外れたことがないので、ぶちおは信奉しきっています。

それではこちらの作品を、オススメしていきたいと思います!

ネタバレはしないようにしていきます♪


サイコパスな弁護士、二宮彰(にのみやあきら)。
脳泥棒とよばれている連続殺人鬼。
事件を追う女性刑事、戸城嵐子(としろらんこ)。

メインキャラクターである二宮がとんでもない人物です。
弁護士という仕事はそつなくこなしつつ、社長令嬢とも婚約中。ですが、典型的なサイコパスです。
サイコパス仲間の医師とともに殺人すらいともたやすく実行してしまう危険人物です。

ミステリー小説では、頭のキレる正義の主人公が犯人を追い詰めていくことが多いと思います。
が、この二宮の存在でひと味もふた味も読み手の心情が複雑化します。
二宮の行動、言動は危険人物としての裏の顔を覗かせます。

物語は、二宮が脳泥棒に襲われたことで大きく動き始めます。
脳泥棒に襲われるも、一命はとりとめた二宮。
そこで自分に危害を加えた脳泥棒に復讐を誓います。

殺される前に、殺してやる。
警察を欺いて自分の手でやり遂げてやる。

という危険な発想がサイコパスならではです。

ぶちおは「自分だって加害者なのに、なんで自然に被害者ヅラが出来るんだ…」と呟きました。

二宮は自分の手で、脳泥棒を殺すというのが目標になります。
しかし、脳泥棒からの攻撃で頭部を負傷したことで、二宮自身の考え方や感情に変化が生まれます。
ここ、大事です☆

女性刑事の嵐子は、ちょっと抜けてるところもありますが、正義感がスーツを着ているような気持ちのいい女性です。
男社会の気風がまだまだ残る警察組織の中で、先輩刑事と捜査を進めていきます。
本書の中で、冒頭から心許せる存在です。

連続殺人鬼の脳泥棒からは、読み手に対してたくさんの疑問符が投げかけられます。

  • 何故、遺体から脳を奪っていくのか。
  • 奪った脳は何に使うつもりなのか。
  • 被害者の選定理由はなにか。
  • 強い殺意の動機はなにか。

 
そして、すべての凶事の根底にいるのが魔女と呼ばれた、東間翠(とうまみどり)という中年女性の存在です。
26年前、たくさんの子供を誘拐して、自分の理想を追求して【ある手術】をしていた人物です。

警察に逮捕された時も、他人事のようで…。
【ある手術】に耐えられなかった子供の遺体は、裏庭に隠されていました。

彼女が目指した人間の姿というものが、この事件の発端で、そして結末に繋がっていきます。

ここで、表題を考えてみます。

『怪物の木こり』

本書の中で、怪物の木こりは
【自分は怪物なのか、木こりなのか】
どちらが本当の自分なのか、わからなくなっていきます。

『怪物の木こり』と、『木こりの怪物』
言葉を入れ替えただけですが、意味あいは違いますよね。全く同じ事柄をさしてはいません。
この言葉の本質が、まさに事件の核になっていきます!!!

ここでぶちおは以前観劇した『ノートルダムの鐘』の一説がよぎりました。

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『人間と怪物 どこに違いがあるのだろう』

劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』作品紹介より

見た目が人と違っていたら『怪物』なのか。
見た目は普通でも、心が真っ暗な人間は『怪物』ではないのか。

『怪物の木こり』も、人間の本質を聞いている気がします。
より人間的に、人間らしく生きているのは、誰なのでしょう。

話を戻します。

脳泥棒に追いかけ回される二宮。
犠牲者が増えていく中、脳泥棒への糸口を、二宮、嵐子が徐々に見つけ辿っていきます。

脳泥棒の目的、二宮の変化、魔女の【ある手術】。
これらの点が結ばれていきます。

脳泥棒の真意に触れた後、事件は収束へと向かいます。

怪物から木こりになったのか。
木こりから怪物になったのか。

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くうぅ~ぶちおは痺れました。

最後の一文まで、気を緩めてはいけません!
読了後の余白は、読み手の想像力や経験によって幾通りの結末があると思います。

ぶちおは、バッドエンドが好き派ですが、この作品に関してはハッピーエンドが続けばいいなぁと思いました!

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