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ぶちおの本棚

『連続殺人鬼カエル男』市全体が恐怖でパニックに。カエル男は本当に異常者なのだろうか。

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ぶちおです。

今回は『連続殺人鬼カエル男』をご紹介しようと思います。
タイトルからして、連続殺人か~これは買いだな~ポチり。
表紙のフェルトで作られたようなカエルに可愛ささえ感じましたが、とんでもない事件の連続です。

読んでいても、痛い!と叫びたくなる描写もバッチコイの方におすすめです。

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こんな人にオススメ

☆どんでん返しは多いほどいい
☆凄惨な事件に耐性がある
☆パニックぷりを体感したい
☆警察組織には頑張ってもらいたい

書籍概要

◆作品名  連続殺人鬼カエル男
◆著者   中山七里
◆出版社  宝島社

マンションの13階からフックでぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。これが近隣住民を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の凶行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに……。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の正体とは?どんでん返しにつぐどんでん返し。最後の一行まで目が離せない。

Amazon『連続殺人鬼カエル男』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『連続殺人鬼カエル男』
異常性を感じる遺体は、犯人の異様さを象徴しています。
全裸女性は口の中にフックをかけられて、寂れたマンションの13階階段の庇から吊されていました。
この場所に吊されて三日以上が経過、しかし冬の寒さのおかげで腐敗はそこまで進行していなかったので相貌の確認は出来る。
誰も気に留めないようなところに放置された遺体。
当然のように犯人の目撃者は望み薄です。

警察は第一発見者から状況を確認するとともに、被害女性の身元特定に動きます。
被害者の元恋人に聴取して、被害女性の生前の行動を確認して、犯人につながる痕跡を探す。
至って普通の事件調査です。

全体を通して、警察の捜査進捗が主軸になっています。
若手で手柄をゲットしたい血気盛んな刑事の古手川。
古手川の上司でいぶし銀で頭の切れる渡瀬。
2人はタッグを組み、殺人事件に挑みます。

全裸女性の死体のそばには、拙いひらがなの奇妙なメモが残されていました。
犯行声明にとれなくもない、日記を模したような文章。
何を言いたいのか、何を現しているのか。

平和な日常の狭間にある、ちょっとした穴を狙うように犯行は続きます。
老人が廃車のトランクに詰められ、圧縮される。
少年が解剖されて砂場に臓器を並べられる。
熟練の刑事たちですら、衝撃を受ける遺体の状況。
そして毎回丁寧に残される奇妙なメモ…

被害者達同士には、何の繋がりも見つからない。
しかし、必ず共通点があるはずと必死に捜査します。
そんな中、市内で恐ろしい殺人事件が連続して起こるということで市民の恐怖感情が爆発します。
犯人が逮捕されないということは、いつ自分が、家族が被害者になってしまうか分からない。
警察があてにならないのであれば、自衛するしかない!

犯人になりえる要素を持っているのはどんな人物か。
過去に犯罪を犯した者、
精神疾患を患っていた者、
自分たちとは異質な者。
連続殺人鬼を追う中で、暴徒化した一般市民が強大な敵となって警察を襲います。
普通に捜査できることに感謝しなければ!

予想以上に、古手川が大変な目にあいます。
彼にも痛い過去があり、古い傷が残っています。
その傷を乗り越えることが出来るのか、古手川の成長も見守りましょう。
描写が生々しいので、痛みに弱い方は要注意です。

ぶちお、数ある伏線にしっかり気づけましたよ!
いつもは無関係な方向に向けて、突っ走る裏読みも運良く当たりました。
誰が、どうして、こんな連続殺人を犯したのか。

恐怖心を抑えつつ、カエル男と呼ばれる殺人鬼の正体を見極めましょう。

中山七里作品

『連続殺人鬼カエル男』の続編など、中山七里先生作品を選書してみました。
たくさんの書籍がシリーズ化されております。
主人公に深いドラマがあるからこそ、でしょうか。

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『連続殺人鬼カエル男ふたたび』
そしてあの犯行声明文が見つかる。
古手川、渡瀬など第1作からのキャラも登場します。

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一気読み必至の検察ミステリー!
検事は冷酷に見えれば見えるほどいいと思うぶちおです。

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弁護士・御子柴礼司シリーズ第1作。
普通ではない過去を持つ主人公が示す道とは。

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第8回『このミス』大賞・大賞受賞作。
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とてつもない連載を抱えて、毎月刊行なんて時期もあったり、凄まじい執筆生活を覗くことができます。
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まとめ

『連続殺人鬼カエル男』
犯行声明文からは、子どもじみた狂気を感じるけれど、現場には手がかりらしい手がかりはない。
それは犯人が賢いからだ。
知能犯のようにも思えるけど、被害者たちを結ぶロジックが分からない。
もしかしたらと仮定するも、まさかそんなはずはない。
悪趣味の極みとしか思えない犯行動機に見えるが、真実なのか。

カエル男の犯行ロジック、解きましょうとも。

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