ぶちおです。
今回は『名探偵のままでいて』をご紹介しようと思います。
しばらく積ん読状態だったのですが、2026年夏ドラマの告知をみて読まなきゃ!と。
毎度のごとくのイッキ読み。
優しさ成分も多めでほっこりもありつつ、謎の幅は広かった!
煙草の煙の中に、名探偵が見る真相は。
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こんな人にオススメ
☆祖父と孫のほっこり会話を覗きたい
☆日常に起こったミステリを解きたい
☆言葉遊びに惑わされたい
☆あちこちに散りばめられた違和感に気付きたい
書籍概要
◆作品名 名探偵のままでいて
◆著者 小西マサテル
◆出版社 宝島社
第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作
「密室殺人」「人間消失」「幽霊騒動」…
孫娘の持ち込むさまざまな謎を「認知症の祖父」が鮮やかに解き明かす!
かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は現在、幻視や記憶障害といった症状が現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。しかし、孫娘の楓が身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生きと働きを取り戻す。そんな祖父のもとへ相談を持ち込む楓だったが、やがて自らの人生に関わる重大な事件が……。古典作品が彩る安楽椅子探偵ミステリー!
ぶちおの読書感想文
『名探偵のままでいて』
安楽椅子探偵!
自身は現場に赴かず、話を聞くだけで謎を解いてしまうという探偵です。
とんでもない知識量があるからこそ、謎が解けるのでしょう。
主人公は楓。
小学校の教師をしています。
祖父がかつて校長先生をやっていたことに憧れて、教師の道を選びました。
楓の祖父は昔からとんでもない切れ者。
そして誰からも慕われていた人格者です。
学校の校長先生って、どこか近寄りがたいところがありますが楓の祖父に限ってはどの世代の生徒からも慕われていたと。
祖父は校長時代、学校の窓拭きを率先して行ったり、生徒の名前も完璧に覚えている。
卒業の時は生徒に合った本をプレゼントしてくれる。
最高じゃん!
あまり頻繁に会わないような先生だと、名前覚えられてるだけでもテンションあがりますから。
生徒側だと先生の名前覚えるのは簡単ですが、先生側は大変よな~
毎年卒業と入学を繰り返して、何人もの名前を脳みそに新規登録だもの。
このエピソードだけでも楓の祖父の好感度爆上がり!
しかしそんな祖父はレビー小体型認知症を患い、体も不自由な時間も多くなります。
楓は時間を見ては祖父の様子を見に行く。
体調の波もあり、状態がよくない時はやっぱり落ち込んでしまう。
幼少期から大好きだった祖父が、少しずつおかしな言動もするように…
認知症の影響ですが、幻視や幻聴がある。
本人にとっては実際に起こったことのように感じるのですが、周囲の人は困惑してしまうことも多い。
病気のせい、だけど辛い。
ぶちおも愛鳥すだちの介護している時に、似たような感覚ありました。
あんなにお風呂好きだったのに、お風呂にも入れなくなって。
止まり木にもとまれなくなって、鳥かごの床にポツンといたのを見た時は泣いたもの。
元気だった頃を知っているから、余計に現状が辛い。
出来ていたことが段々出来なくなることが心を抉ってくる…
祖父が認知症ということで、基本は祖父宅での介護のシーンも多め。
どういう人たちが、どういうケアをするのか。
1人のために色々な人が携わっているなぁ~と。
ぶちおの友人HiGEが言っていた仕事の話が本当なんだな~と謎の実感がありました。
筋肉は足腰だけじゃないから!
喉の筋肉も落ちるから!
誤嚥が多くなるのも、喉の嚥下機能が落ちるから。
そのケアのためにマッサージがいるのか~
楓の祖父のように幻視や幻覚がある場合だと、対応も適宜変えないといけない。
一変通りの介護じゃ通用しないんじゃな~
楓は世間話をするように、祖父に謎を持ち込みます。
自分が想像する物語の回答編もいくつか用意して、祖父に聞いてもらう。
楓が体験した謎もあれば、友人から聞いた怪談のような謎まで。
日常系でほっこりする話もあれば、同僚が傷害事件に巻き込まれてしまったり。
本作は6編収録されていますが、謎の幅も広いです。
そしてラストでは楓自身がピンチに!
祖父はあの頃のように冴え渡る推理を展開してくれるのか!?
名探偵には謎を解く時のルーティンがあります。
ひげをひねるとか、見えない人に向けて1人語りを始めるとか。
楓の祖父のアイテムは煙草。
煙草を吸ったら推理がスタートします。
そして幻視で、推理の後の結末も見えてしまう。
他の人には分からない、祖父にだけハッキリとわかる答え。
楓にはすでに両親がいないので、祖父との関係も特別。
両親と祖父母の関係、祖父と祖母の関係、楓の家族についてもわかっていくのですが、これがまたグッときました。
楓にはもう祖父しかいない。
楓がおじいちゃんっこになるのもわかりみですが、時間はもう少ないのかもしれない…
言葉遊びやミスリードも秀逸です。
あの太字の一節、驚きました。
最初に読んだ時の印象と、読了した後に読んだ印象がまっっったく違う!
そういうことだったんだ、とわかるとほっこりとともに涙腺にきちゃう。
楓が知った真実をぜひぜひ。
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