ぶちおの本棚

『ザリガニの鳴くところ』湿地で生きる少女の人生。彼女が知り尽くした湿地に沈んだ男の謎。

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ぶちおです。

今回は『ザリガニの鳴くところ』をご紹介しようと思います。
全世界1500万部突破、2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位、映画も公開された作品です。
映画のCMを見て、気になっていた作品でした。
ぶちお、あまり外国の作品を読まないのですが、こればかりは気になりました。

ミステリメインというよりは、主人公の人生譚という感じで不思議な作品でした。

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こんな人にオススメ

☆湿地という特殊な情景を思い描きたい
☆人間の悪いところをみたい
☆けどやっぱり、人間の良いところでほっこりもしたい
☆事件か事故か、考察したい

書籍概要

◆作品名  ザリガニの鳴くところ
◆著者   ディーリア・オーエンズ/友廣 純
◆出版社  早川書房

ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。

Amazon『ザリガニの鳴くところ』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『ザリガニの鳴くところ』
ぶちお、海外の小説の独特な雰囲気って苦手でしてw
よっぽど有名な作品のミステリじゃないと手にとらず、購入しても積ん読で後回しにしがちです。

理由としては登場人物の名前が覚えられないことw
ニックネームとか出だしたら、脳内パニックです。
あとは文化も違うので、物語の芯に関わる文化を理解できてなかった時は面白さ半減するところもあります。
やっぱり国柄とか、文化とかもわかった上で読まないとな~と思っていて後回ししがちという…もにゃもにゃ…

ですが!
こちらは映画を見逃したので、ちゃんと小説読まなきゃ!と思いページを進めました。
ギアがかかるのに苦労しましたが、スピードのったらあっという間です。

物語は、主人公のカイアの幼少期からと、
カイアの元恋人チェイスの遺体が発見された事件の年代が交互に書かれています。
冒頭は、カイアの幼少期の時代背景や湿地の説明が続きます。
1950年代のアメリカのノースカロライナといわれてもピンと来ず、
湿地での生活についてもピンと来ず、だったのでかみ砕く時間がかかりました。

カイアは村から離れた湿地にたつボロ小屋に、両親と3人の兄姉と6人で暮らしています。
父は酒を飲んでは暴れる退役軍人、戦時中のケガで足が若干不自由です。
母は子どもをおいて去り、カイアの兄姉も次々と去って行きます。
カイアはしばらく父と2人で暮らしますが、いつからか父も帰ってこなくなります。

カイアの湿地サバイバルがはじまります。
話し相手はカモメ、食糧は自然の恵み、早朝から貝を捕りお金を稼ぎます。

カイアは村人からの差別的な扱いも受けており、社会や交流を拒絶します。
カイアは白人ですがトラッシュと呼ばれて、村を歩いているだけで侮蔑の対象です。
ついたあだ名は〝湿地の少女〟

1人きりでも、孤独でも大丈夫、この湿地の自然が自分を生かしてくれる。
そしてテイトとチェイス、2人の男性がカイアの人生に交わります。

小さい頃に世話をやいてくれて、勉強を教えてくれたテイト。
一時期、恋仲になりますがテイトの進学のタイミングで別れることになります。
ここでカイアは人間不信に拍車がかかります。

テイトが去ってから、村で人気者のチェイスと知り合います。
人を信じてはダメと思いつつ、孤独感も強かったカイアはチェイスと結婚の約束をします。
しかしチェイスにとってはカイアは遊びで、別の女性と結婚します。
こんちくしょう!

ある日、チェイスは火の見櫓から転落して、沼に沈んでいるところを少年たちに発見されることになります。
違和感のあるチェイスの遺体の状況、
事件か事故か、決定的な証拠は見つかりませんでしたが、〝湿地の少女〟が怪しいという証言もあり
カイアは勾留され、裁判にかけられることになります。

物的証拠も乏しい、〝湿地の少女〟に対する偏見も根深い、どんな裁判の結末になるのか。
そもそもこれは殺人なのか。事故の可能性もあります。
殺人なのだとしたら犯人はカイアなのか?それとも他の人物なのか。
チェイスはプレイボーイなので、他に怨恨もありそうな。
このあたりはミステリの醍醐味です。

後半の裁判シーンは、有罪無罪の緊迫感あり、
え、あの人も登場するの?とわくわく展開でした。
気付くとカイアを応援してました。
他人を拒絶するようになったのは、カイアの生い立ちや環境がそうさせたんだよな~とか。
出て行った家族がいつか帰ってくると信じながらも、去って行った姿を忘れられない
可哀想な子なんだよな~とか。

正直、チェイスの事件なんてどうでもよくない?!と思うくらいのカイア応援団に加わっていましたw

カイアの人生部分の割合が多めですが、伏線は潜んでいます。
ぶちおが読んでいて【この人、なんなんだろう】と思った人物は事件に関係していましたもの!

湿地がもつ拍動を感じながら、カイアの人生を見守っていただきたい。

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こんな作品もおすすめ

『ザリガニの鳴くところ』を読んで、海外ミステリの作品を選書してみました。

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2023年版『このミステリーがすごい!』【海外編】第1位!
英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作です。
30年前の事件がいまだに暗い影を落とす町、そこに刑期を終えた彼が帰ってくる…

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『ヨルガオ殺人事件』
2022年版『このミステリーがすごい!』【海外編】第1位!
作者のアンソニー・ホロヴィッツ先生は、このミスの常連です。
『カササギ殺人事件』の続編なので、読む場合は前作から!

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『その女アレックス』
2015年版『このミステリーがすごい!』【海外編】第1位!
ぶちおは店頭での売れっぷりにびびって、自分でも購入して読みました。
本作はめっちゃ面白かったのですが、カミーユ警部シリーズの2作目ということを読了後に知りましたw

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『そして誰もいなくなった』
読み終わった時、本当にブルった作品です。
見立てとか、孤島とか、ミステリ好きの大好き設定が満載です。
マザーグースに対して、若干のトラウマをもつことになりましたw

まとめ

『ザリガニの鳴くところ』
カイアの人生の中で、心を許せる人は本当に一握りでした。
遊んでくれた兄、勉強を教えてくれた少年、生活を見守ってくれた夫妻、カイアの才能を見いだしてくれた編集者。

慎ましく自然の中で生きてきたカイアは、チェイスを手にかける必要性があったのか。
波や風、鳥や虫や植物を観察し続けてきたカイアは、一体何を思っていたのでしょう。

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