ぶちおです。
今回は『渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト』をご紹介しようと思います。
やっぱり天才の探偵と、普通のいい人の助手のタッグは最高じゃよ。
霊媒出来るなら、被害者に犯人聞けるんじゃない？と思いましたが、事件はそんなに甘いものじゃないらしい。
孤立した屋敷、不思議な渦巻き回廊、咲き誇る紫陽花。
そして招かれざるゲストの遺体…
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こんな人にオススメ
☆じっくり1つの事件を推理したい
☆霊媒チートも受け入れられる
☆ありえない状況で起こる事件が好き
☆じんわり涙も流したい
書籍概要
◆作品名 渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト
◆著者 風森章羽
◆出版社 講談社
霊媒師・アーネストのもとに持ち込まれたのは、十六年前、画家・藤村透基の屋敷から消えた少女の捜索依頼。屋敷には渦巻き状の奇妙な回廊があり、最深部には「持ち主の運命を狂わせる」と噂される人形が飾られている。依頼を引き受けた友人のことが気にかかって、若き喫茶店店主の佐貴も藤村邸に同行することに。年に一度開かれる紫陽花観賞会に招かれた二人の前で、新たな殺人事件が発生してしまい――。
ぶちおの読書感想文
『渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト 』
まず！お小言になってしまい恐縮です。
本作はシリーズ作…書誌にシリーズ第○弾という優しさが欲しかったｗ
もしくはもうタイトルに1巻、2巻とか入れて欲しかった。
とくにレーベルを途中で変わっているとかだと、書き方も変わっていてパッとわかりにくい…
く…
電子書籍だと文庫の背表紙にあるナンバリングもないから、じっくり調べる必要があるのです。
しかも、このアーネストシリーズは講談社文庫から、途中タイガ文庫になっています。
タイトルIDは同じでしょうか？！
少なくともぶちおが利用しているストアだと、紐付けされていませんでした…
シリーズ買いの障壁になるから、こういうところが！！
はぁはぁ、こういう小さいところが気になってしまいましたが、本作の面白さはそんなこととは関係ありません！
冒頭に事件が起こる屋敷の間取り図があり、登場人物紹介もあります。
登場人物のベースがわかればこっちのもんです。
本作の探偵、アーネスト。
表紙を飾っているイケメンです。
英国出身、地元は由緒正しい霊媒師一族で彼も霊媒の力をもっています。
天才なので、凡人から見ると冷たい印象もあります。
口数も少ないし、冗談も通じないし、会話も成り立っているのか不安になる…
そんな天才の横には、人間の優しさを凝縮したようないい人の助手ポジションが必須です。
それが佐貴。
喫茶店の若きマスターで、留学時代にアーネストと知り合い仲良くしています。
霊媒探偵の噂を聞いて、藤村月都が喫茶店にやってきます。
自分の家で起こった失踪事件の真相を調べて欲しいという依頼。
失踪したミリという少女が誰なのかも不明。
でもミリのことを月都の姉・水里が刺したと発言している。
父の死などもあり、水里は精神を病んでしまい会話は難しい。
ミリはどこへ行ったのか。
本当に水里はミリを刺したのか。
霧を掴むような話ですが、アーネストと佐貴はミリ失踪が起きたという家に赴きます。
ここからは怪しい住人、すでに亡くなっている人達の不審な死の状況、月都の招待を受けていない人も屋敷に潜り込んでいる。
屋敷には、渦巻きの回廊をもっている孤立した展示室の建物が。
一本道ですが、全体が渦を巻いている形状。
普通ではありえない建築物が出てきたら、それはもう事件が起こります。
回廊の最深部にはいわく付きの人形。
その人形の前で発見される死体。
時間的に不可能、どうやって犯人は現場から脱出できたのか。
冒頭にある間取り図をじーーーっくり見れば、わかるかもしれません。
ぶちおは解決を読んでから間取り図を読み返して、ヒントがあることに気付きました。
いや、もうこれは答えといってもいいくらいの特大ヒントでした～
登場する人物たちが芸術家界隈の人なので、多少おかしいところがあっても芸術のためだもんなとすんなり受け止めすぎてしまったかもしれませんｗ
渦巻き回廊を作るのも、面白いアーティスト魂を発露させたいんだなと思えたし。
年一開催するパーティも、顔の広い芸術一族ならやるのが普通だよねと感じたし。
そりゃいわく付きの人形もあるし、精神を病んだ美女もいるよねと！
わくわく要素が多すぎて、ノンストップで楽しみました。
最近、短編集を読むことが多かったので、久しぶりのじっくり事件はうまうまでした。
ミステリ要素がてんこもりで。
探偵と助手、また別の探偵の介入、被害者の謎の行動。
全員の思惑を読み解きつつ、事件の真相をズバッと解決したかった～
本気出して、調子が良かったらいけてたかもしれないと信じたいｗ
いつもはクールなアーネストの粋な推理披露。
佐貴が知りたかった亡き叔父さんの思い。
事件が解決した時にだけ得られるほっこりに泣けました。
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