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ぶちおの本棚

『人間狩り』20年前の犯行映像は、何の目的で売り出されたのか。日常に息づく狩人たちの顛末。

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ぶちおです。

今回は『人間狩り』をご紹介しようと思います。
タイミング的に、日テレのミステリーナイトのドラマの記憶があったので、だいぶ系統が近かったかなと。
ミステリーというよりかは、メッセージ強めのヒューマンドラマと言えるかもしれません。

警察とネット自警団、2つの視点で進む物語はどう交わるのでしょうか。

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こんな人にオススメ

☆ネットの恐怖を垣間見たい
☆少年法にもやもやする
☆加害者と被害者、両者の視点を感じたい
☆自己肯定感の満たし方を考えたい

書籍概要

◆作品名  人間狩り
◆著者   犬塚 理人
◆出版社  KADOKAWA

20年前の14歳少年による女児殺害事件犯行映像が闇オークションに出品された――。流出元を探る警察と、私刑を下すべく事件の元犯人を追うネット自警団。二つの正義が重なった時、物語は本当の姿を現す!

Amazon『人間狩り』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『人間狩り』

ネット情報、さらし、私刑、少年法、被害者遺族、自分の正義ってなんだろうと。
正義ほど厄介な感情はないと聞きますもの。
悪いことを悪いとわかりながら悪意もっている人よりも、よかれと思って自分の思っている正しいことを押しつける人の方がめんどい。
ネットの悪質コメントとかも、実は自分の正義感に酔ってる人も多いとか。

ぶちおもSNSでおもに鳥飼いさん界隈を見ていると
《その飼い方はよくない。鳥がかわいそう》
《鳥にとってその環境は危険です、死にますよ》
とか。
切り取った動画や画像を見て、本人の知識や経験から教えてあげているんだと思いますが、
映っていない部分も多いし、とんちんかんな内容も多々あると感じます。

完全な虐待映像ならまだしも、幸せそうに遊んでいるところにダメ出し。う~ん。
でも本人はよかれと思って言っているので。
色んな受け取り方があるというのも理解しないといらぬ諍いが生まれるな~。

『人間狩り』にはネット自警団が登場します。
法では裁ききれない悪人をネットでさらすことで、罰を与える人達です。
警察も手が回らないなら、証拠の動画をとってさらします。
公開された動画がきっかけで逮捕に至ることもあります。
さらした本人達は、自分の行動で悪を成敗したという気持ちで高揚します。

そしてネット自警団のターゲットは、20年前に少女を惨殺した犯人になります。
当時、犯人は少年法に守られ厳しい罰も受けなかった。
現在は顔も、名前も、住所も、誰にも知られずに第2の人生を謳歌している。
そんな不条理が許されていいはずはない!
ネットの力で見つけ出して、さらしてやろう!罰する時は今だ!

確かに20年前の罪は消えないですが、今は人生をやり直している。
過去のことを暴かれたらゲームオーバーです。
それでも暴こうと躍起になるネット自警団の方が危うい存在なのではないか?
むむむ。

警察サイドは、20年前の事件を録画した映像がダークウェブで販売されたことを捜査していきます。
少女の殺害を録画したとんでもない映像。
もちろん、一部の人間しか存在を知らないはずなのに、流出元はどこなのか。
可能性として高いのは、事件の捜査に関わった警察内部の人間ではないか。
監察の白石は、メンバーとともに捜査を進めていきます。

20年前の事件を、警察とネット自警団双方が掘り返していきます。

くっきりはっきり悪いやつがいると、何も考えずに読めるのですが。
これ、誰が悪いんだろう~と悶々しますw
やっぱり悪いことする奴はいるし、反省しない人種もいる。
罪を償った人をどこまでも執拗に責めるのも違うと思う。
小さい鬱憤をだれかれ構わず他人に発散する人もいる。
受けた方はショックだけど、刑罰には該当しない。
カスハラとかも認知されてきましたが、グレーなものはたくさんあります。

自分は加害者にも被害者にもなりたくないな!

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全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。
ミステリーとホラー、どちらも楽しみたい方はぜひ。

まとめ

『人間狩り』
気付けば、狩る者と狩られる者の立場は逆転する。
自分の正義をどこまで貫くべきなのか。
裁くべきは誰なのか。
罪に対して適切な罰の重さとは。

顔が見えない狩り場には、とんでもない恐怖があるかもしれません。

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