ぶちおです。
今回は『うたかたの娘』をご紹介しようと思います。
第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉受賞作です!
とある地方に伝わる人魚の話。
ほぼ永遠を生きられる人魚の知られざる生態が…
不老不死なんて、簡単なものではない。
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こんな人にオススメ
☆人魚に興味がある
☆やっぱりイカれた人間も見たい
☆人と人魚の微妙な捕食関係が気になる
☆人魚を食べる覚悟がある
書籍概要
◆作品名 うたかたの娘
◆著者 綿原 芹
◆出版社 KADOKAWA
道に佇む不気味な人物をきっかけにしてナンパに成功した「僕」。相手の女性と雑談をするうちに故郷の話になる。そこは若狭のとある港町で、奇妙な人魚伝説があるのだ。そのまま「僕」は高校時代を思い出し、並外れた美しさで目立っていた水嶋という女子生徒のことを語る。彼女はある日、秘密を「僕」に明かした。「私、人魚かもしれん」幼い頃に〈何か〉の血を飲んだことで、大病が治り、さらには顔の造りが美しく変化したのだと――。
ぶちおの読書感想文
『うたかたの娘』
人魚がテーマです!
最近は人魚テーマをよく見ます。
ゲームの『パラノマサイト』も人魚伝説がモチーフ。
映画『ちいかわ』もセイレーン、人魚が登場します。
劇団四季の『リトルマーメイド』も舞浜で公演したり。
童話でも有名な『人魚姫』がありますし、脳裏のどこかには存在している人魚。
西洋だと上半身が人で、下半身が魚。
The人魚のイメージは西洋版人魚。
日本古来の人魚は人面魚に近いです。
頭部だけ人で、首から下が魚。
可愛いとか綺麗とは思えないビジュの人魚w
でもまぁ、どちらも人と魚が交じっているという意味では同じ。
人魚は歌声で人を惑わして船を難破させる。
サイレンの語源になったセイレーンはこういう話が元だとか。
と、人魚小咄は尽きません。
やっぱり人魚といえば、人魚を食べると不老不死になれるという伝説。
有名なのは八百比丘尼。
人魚の肉を食べて八百年は生きたという…
ただ、不老不死の存在はしんどいもの。
自分以外の人はどんどん先に逝ってしまう。
一箇所にいると、老けないことで皆から不審がられてしまうので定期的に居場所を変えなければいけない。
とにかく孤独で、不老不死を謳歌なんてできないという話も多いです。
本作ではまた新たな人魚の力が描かれています。
美しい人魚を食べると、食べた人の顔も美人に変化していくというもの。
どんな醜女でも、人魚を食べると美人になれる。
美人になれば恩恵もありますが、危険もついて回るようになる…
人はないものねだりですから。
見た目にコンプレックスがあるなら、ちょこっと人魚をいただいて人生変えてみるのもありかも。と思っても仕方ない。
ですが、人魚もただ黙って食われるということもありません。
おいしい話にはウラがある…
4編収録されています。
各話がどう繋がっているのか。
学生時代、ちょっと気になっていた美少女が話してくれた不思議な話。
彼女は昔、人魚の血を飲んだのかもしれないと。
人を殺してくれるという、人魚をかたどった人形。
まさかノーリターンで願いを叶えてくれるとは思えないが…
水族館に起こった異変。
美人が毎日来館するようになってからか、水槽の中の生物には手足のようなものが生えてきて。
最終話まで読むと、人魚の生態の謎が少し解明されます。
人魚は本当に不老不死なのか。
生きることが嫌になる人魚はいないのか。
どうやって仲間を増やしていくのか。
人魚が生きるモチベってなんだろうとか。
作中では、ある人魚自身が〝自分は見た目がいいだけで、他には何も持っていない〟というような発言を。
見た目がいいなら得することもあるはずだけど、虚しさもあるんかな。
一番ホラー味があったのは、3話目。
水族館での異変祭り。
段々と異形になっていく水槽内の生き物たち。
来館者いたらパニックじゃろうと。
飼育員含め、スタッフ達もやられちゃっていくのでほとんど開店休業だったのかな。
ふと、昔あった『シーマン』というゲームを思い出しました。
顔だけ人間のシーマン。
当時は画期的な会話をしてシーマンを育成していくゲーム。
妹が狂ったようにハマっていたなぁ~
絶妙な気持ち悪さのあるシーマンと、夜な夜な会話している妹の姿はホラーじゃったw
シーマンも人魚っちゃ、人魚か。
でもシーマンを食べる勇気はないなぁ。
恐さもありますが、虚無さもある。
人魚はこうして今もいる。
なんやかんやで、やっぱり人魚は人ではない存在なので、
近づきすぎるのは危険。
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