ぶちおの本棚

『9人はなぜ殺される』ただ羅列された名前が。そのリストは粛々と完遂されていく…

ぶちおです。

今回は『9人はなぜ殺される』をご紹介しようと思います。
アガサ・クリスティの名作からの匂わせもありつつ、どうしてその9人がターゲットとされたのか。
犯人は誰なのか。

確実に、着々と、事件は続いてしまう。

9人はなぜ殺される (創元推理文庫)

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こんな人にオススメ

☆名作のトリックは頭に入っている
☆どんどん起こる事件にてんぱりたい
☆海外のミステリが好物
☆ぽんこつポリスも多めに見られる

書籍概要

◆作品名 9人はなぜ殺される
◆著者  ピーター・スワンソン/務台 夏子
◆出版社 東京創元社

ある日、アメリカ各地の9人に、自分の名を含む9つの名前だけが記されたリストが郵送されてくる。差出人も意図も不明。受け取ってすぐに捨てた者もいた。だがその後、リストの人々が次々と死に始める。まずホテル経営者の老人が溺死。そして翌日、またひとり、男性がランニング中に射殺される。FBI捜査官のジェシカは、残りの人々の特定を進める。自分も、死んだふたりと同じリストを受け取っていたのだ。次は誰が殺されるのか? 職業も居住地も違う9人のつながりは何なのか? 驚愕の展開の連続で読者を翻弄しつづける極上のサスペンス!

ぶちおの読書感想文

『9人はなぜ殺される』
海外のミステリ作品です。
ぶちおはちょこっと苦手な海外作品もの。
名前と人物像が一致しにくかったり、地名を聞いても土地勘がないから想像が難しかったり。
そのあたりは苦労しながらも、起こるのは連続殺人ですから。
わくわくで読み切りました。

海外特有の文化も知れる。
隣人呼んで夕食をともにするとか。
ほのぼのした日常もありますが、9人のターゲット達はどんどん殺されてしまう。
この落差が。

とある9人の元に、自分の名前を含んだ9人の名前が書かれただけのリストが送られてくる。
差出人もわからなければ、リストの意図も分からない。
とくに気にせずにポイするでしょう。
多少は気持ち悪い、と思ってもそこまで大事にすることでもない。

謎のリストが届いた時点で、この9人の末路は決しています。
誰かに殺されてしまうということ。

本作の冒頭で、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』『ABC殺人事件』についてネタバレありますよと注意喚起があります。
ということは、本作の事件にもこの2つの作品の重大な要素が関係してくると想像できます。
ので、この場でもアガサの名作についてはネタバレしちゃいますのでご注意を!

『そして誰もいなくなった』『ABC殺人事件』のトリック部分から考えると。
リストに載っている人物は全員死ぬことが確定している。
一見無関係のようでいて、繋がりがあるはず。
リストの中には無関係な人物もまぶされている可能性がある。
ふむぅ~そのままトリックを流用するなんて訳はないから、どれが重要な部分なのか。

9人は年齢もバラバラ、住んでいるところも家族構成もバラバラ。
全員に共通していることなんて無さそうだし。
無関係な人物をリストにいれるメリットもあるんかな~
そもそもそんなリスト自体送らなければいいのに。
ということは、リストを送ることにも意味があるのか。

最初はただのイタズラかと思っていた人も、どんどんリストのメンバーが死んでいく。
遂には警察も保護を申し出てきたりで恐怖心は煽られることになるか。
でも警備が頑丈になりすぎたら、犯人からしたら面倒くさいだけだし。
ほとぼりが冷めた頃に犯行をする気なのか。
長期的計画?
どれが本当の狙いなのか。

最初の方は被害者も無防備だから仕方ないけど、後半は警察も動いているのに事件を止められないとか。
ポリス!!もっとしっかりして!!
アメリカのポリスはもっとグイグイいくものと思っていたのですが、意外にも弱いといいますか。
被害者を監視していたにも関わらず、さらっと死なれちゃうとか。
犯人が凄すぎるのか、警察がほわほわしてるのか。

ラストではしっかりと犯人が独白してくれます。
どうやって監視をかいくぐって事件を起こせたのか。
どうしてこの9人だったのか。
犯人がわかった時には、お前、え、あのさっきまで普通に暮らしていたお前だよな?!
意表をつかれて驚きました…
が、もろもろ納得していっちゃったもの。

最初は手がかりがないですが、ちょっとずつ犯人の意図が見えていき。
殺し方にこだわりを見せるところと、気にしないところ。
その違いがわかれば、犯人の見当もつくかもしれない。

そしてターゲットにされた9人の人生。
どういう暮らしなのか、自分が殺されるかもしれないと分かってからどう動くか。
その時の緊急度にもよりますが、各自の生き方も色濃く書かれています。
非常時だからこそ、生を感じたくなるのもわかるぜ。
または何も気にしないで楽観をそのままいくのだってあり。
怯えるよりも、いつもの暮らしをしたいというのもわかるぜ。

謎のリストが届いた時、どうするのがよかったのか。
身に覚えのない複数の名前。
本当に何も引っかからないか、
考えて考え抜くことこそ、唯一生き延びられる手段かもしれない…

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