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ぶちおの本棚

『るんびにの子供』じくじくと伝わり続ける不気味さ。敵は死人か、生身の人間か。

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ぶちおです。

今回は『るんびにの子供』をご紹介しようと思います。
聞き慣れない言葉が入っているホラー文庫は手に取りがちです。特にひらがな四文字がお気に入り!
ぬるっと身近に潜んでいる怪異の方が、たちが悪いなぁと。
何もしない、何も言ってこない、何も求めないって、不気味。

ふと、じめり気を感じたい時の読書におすすめです。

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こんな人にオススメ

☆短編をいくつか楽しみたい
☆じわぁっとしたホラーが好き
☆派手な霊は苦手
☆人コワも堪能したい

書籍概要

◆作品名  るんびにの子供
◆著者   宇佐美まこと
◆出版社  KADOKAWA

草が生い茂り危ないからと近づくのを禁止された池で、四人の園児たちは水から上がってくる自分たちと同じ年齢の少女を茫然と見つめていた。その後、その女の子を園でも見かけるようになり……(「るんびにの子供」)。女のヒモ生活を追い出され、悪事の果てに辿り着いた古家の老夫婦に孫だと思わせ同居する男ーー(「柘榴の家」)。妹の性格が気に入らない姉が犬の散歩で見かけた右手のみの手袋が、だんだん家に近づいてきたらーー(「手袋」)。第1回『幽』怪談文学賞短部門で大賞を受賞した「るんびにの子供」ほか『幽』に掲載された「獺祭」、書下ろし作「狼魄」を含めた怪談作品を7篇を収録。待望の文庫化。
解説は『幽』怪談文学賞で選考委員を担当された岩井志麻子氏。

Amazon『るんびにの子供』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『るんびにの子供』
ホラーといっても、色々あります。
幽霊系でも、とり殺す気満々の攻撃的な霊もいれば、何もしないけどずっといるわけ分からない系の霊もいます。
害をなす縁がある霊もいれば、ただの通りすがりの霊もいる。

生きている人間でも、霊よりもやばい部分を持っている人もいます。
むしろダイレクトに危害を与えられるので、霊より厄介な場合も。

そんな恐怖と対峙した時の人々の反応も様々です。
真正面から恐怖の解明に挑む人もいれば、何となくそのまま放置して忘れる人もいる。
何だったら上手く使ってやろうと悪知恵を働かせるものもいます。

収録されている7編は、多種多様な主人公たちが怪しい何かに飲み込まれていきます。
ぶちおが特にお気に入りの2編について感想をしたためますとも。

・柘榴の家
主人公の直也はダメ人間のヒモ男です。
寄生していた彼女の家から追い出され、窃盗を繰り返しながら放浪、そして案の定警察に追われる身に。
そんな中、辿り着いた見知らぬ土地の縁もゆかりもない家。
その家に逃げ込むと、住んでいる老婦人が孫と間違えて直也を招き入れます。

家には老婦人と寝たきり状態の老婦人の夫。
孫の両親はすでに他界していて、孫が帰ってきたと喜ぶ老夫婦…
古い家、死臭が満ちているように感じても直也は外に出るよりは安全だと判断して棲み着きます。
なんならこの老夫婦を亡き者にして、頂けるもの頂いてやろうという計画を脳内に描くくらい。

直也の思考がクズなので、一切同情は出来ないのですが何か嫌なこと起きるのが分かります。
見ず知らずの老夫婦の家にいたらダメだって~
相手の勘違いとはいえ、ずるずると上がり込んでハッピーな結末になるわけがない。
日本むかし話とか見た方がいい!
手厚くもてなしてくれる老人の半分は本当にいい人だけど、もう半分は鬼とかだから。

楽観的な直也は、ご近所の人も騙してしめしめと思っているのですが…末路はやっぱり…
家の庭の柘榴が熟れる頃には、老婦人の秘密も露呈することになります。

・キリコ
騙されました。
文章からの脳内変換をすればするほど、自分の想像の方向性が違っていて驚きます。
いやぁ~知らないうちに価値観凝り固まっているなと思いました。
固い頭になってはいけないと思っている方ですが、まだまだです。

マックの店内で、2人の女性がキャッキャと会話しています。
カナとユイはバーガーを食べてポテトを食べて、噂話に興じているのですが。
その話の内容は、キリコが使えるという呪いのはなし。

義理の姉のキリコは、占いで生計を立てている一族の流れを汲んでいる。嫁入りを機に占いをやめさせたけれど、こっそりその力を使っているらしい。
占いだけならいいけど、どうやら人を呪うことも出来るらしい…
隣家に住んでいた夫の不倫相手を呪いによって死なせたとか。

呪いの効果を証明することは出来ないけど、あんな不気味なキリコならやりかねない。
カナとユイが不気味がるキリコとは一体。本当に呪い殺す力をもっているのか。

全編読んだ後、会うとしたら攻撃激し目の幽霊の方がいいという判断になりました。
自己主張激しい幽霊の方が、こちらの気持ちも吐き出してスッキリするかなとw
気付いたらもう幽霊の攻撃は完了していて、こちらの敗北確定はしんどい。

本作はじんわりとコワさが続いています。
芯の奥深いところで、じじじじじと。
怪異に気付いた時にはもう対応不能なところまで被害は進行していて、この世とおさらばするのみになっているような。
何も気付かないうちにとり殺されているのはいやだな~

勝ち目のない、怪異。

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宇佐美まこと作品

『るんびにの子供』の作者、宇佐美まこと先生の作品から選書してみました。

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『愚者の毒』
全ての始まりは一九六五年、筑豊の廃坑集落で仕組まれた、陰惨な殺しだった…。
絶望が招いた罪と転落。そして、裁きの形とは?衝撃の傑作!
友情は歪んでいってしまうものかもしれない。

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『骨を弔う』
30年前、本当は何を埋めたんだろう。
家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。
子どもの時の記憶は、どこまで信じられるのか。

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『虹色の童話』
イヤミス×本当は怖い童話!
古びたマンションの住人たちに打ち続く不幸、その裏にちらつく小さな影は一体――?
童話にまつわる作品は、何杯でもごはんがいける派です。

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『黒鳥の湖』
彰太は、伯父の会社を乗っ取るため、依頼人に伯父が犯人だと嘘の報告をした――。
あの時の真犯人が再び動き出したのか!?
過去の悪事は、いつかの未来に必ず復讐するものです。

まとめ

『るんびにの子供』
大人になっても忘れられない子どもの時の思い出、あります。
あれは何だったんだろうと思い返しても、定かではない。

ただ、何も言わずに自分についてきている怪異がいたり。
見えたり、見えなかったり、でもそこに居続けている。

出会ってしまったら、もう終わり。

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