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『牛家』このゴミ屋敷には牛が棲んでいる…その牛は恐ろしいものを食んでいる…

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ぶちおです。

今回は『牛家』をご紹介しようと思います。
特殊清掃員が向かった家には、牛の影がちらついていて。

時空の狭間で迷子になったような感覚に襲われます。
主人公が見ているのは現実か、ただの幻か。

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こんな人にオススメ

☆ちょいグロは平気
☆ホラーが好き
☆奇怪なキャラクターにであいたい
☆短編でさくっと楽しみたい

書籍概要

◆作品名  牛家
◆著者   岩城 裕明
◆出版社  KADOKAWA

あるゴミ屋敷の清掃をすることになった特殊清掃員。期間は二日間。作業は順調に進んでいたが……いてはいけないもの、片付けられない部屋、様相を変え続ける内装……これは現実なのか、それとも……!?

※この作品は、第二十一回日本ホラー小説大賞佳作となった「牛家」に、書き下ろし作品「瓶人」を加え、文庫化したものが底本になります。

Amazon『牛家』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『牛家』
短編ホラー小説、牛家と瓶人が収録されています。
個人的には瓶人の方がお気に入りです。
両方について綴っていこうと思います。

【牛家】
特殊清掃員、コバと呼ばれる男性が主人公です。
ジンさんというベテランと、ツネという新入りの3人で昔通りかかった記憶があるゴミ屋敷の片付けにやってきます。
ただのゴミ掃除ではなく、家人が亡くなった家です。
聞くと発見は早かったため、汚染は少なく、
とにかくあふれたゴミの対応を3日間で済ますことがミッションです。

1日目に1階、2日目に2階と庭を掃除するという予定をたてて家にはいります。
不法投棄されたワニとトイレで遭遇したりもしましたが、初日の作業はほぼ計画通りに終わります。
2日目、ドアをあけると昨日片付けたはずの1階がゴミであふれかえっていました。
最初はイタズラかと思うも、まさかのワニも再登場!
これは昨日とまったく同じ状況なのでは?
さらには扉をあけるたびに部屋が変わったり、間取りが変わったりと怪異に巻き込まれます。

ジンさんは、亡くなった娘の部屋だと言い始め首つりの準備を始めます。
ツネは何もない空間をナイフで切り裂いています。
理由を聞くと、「女の幽霊がウザイから、1日1回殺しているんだ」と言います。

同僚たちもおかしいですが、コバの奥さんもちょっとおかしくなってしまった人で…

この家から、無事に逃げることはできるのか。
怪異を意外にすんなり受け入れたコバ視点なので、不思議な感覚になってきます。
あれ?自分どこにいたんだっけ?
誰が何してたんだっけ???

気をたしかにもって、読みましょう。

【瓶人】
主人公の家に古くからある言い伝え。
蔵にある瓶に死人を入れて、果物と水で満たし、3日間おきます。
すると死人は瓶人として、蘇るというもの。

どこを切り取っても核心にふれちゃうので避けますが、人の形をしているからまたコワイといいますか。
瓶人になると、元の性格とは変わってしまうそうです。
まんま生き返るというよりは、見てくれは同じだけど別人といいますか。
そのため、大切な人ほど瓶人にしてはいけないというタブーになっています。
死人を生き返らせること。
生き返った死人と暮らすこと。

食事をする必要はないのに、自分にあわせて食事のポーズをとってくれるとか、
ケガを顧みず、自分のために必死になってくれるとか。
生者にとっての瓶人の存在は、ちょっと切ない面もあります。

ラストはしっかりぞっとさせてくれますw

ゴミ屋敷の奥で、テレビの前に座っている牛…
瓶人とよばれるものと暮らす日々…
短編で読みやすいので、是非!

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こんなキャラもおすすめ

『牛家』をよんで、そうだ、かわいい牛さんに出会いたいと思ったので選抜してみました。
ホラー要素はほぼないですw

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『よんでますよ、アザゼルさん。』
登場する暴虐の悪魔モロク、通称モッさんが牛の見た目でプリチーです。
限定版でモッさんマスコット付きが販売されたほどでした。
店頭書店員時代、エプロンにつけていたのですが、気付いたら行方不明になりました。
今でも、ぶちおのモッさんはどこかに隠れているかもしれません。

第5話/第6話 哀☆カレー博/暴虐のモロク

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『おじゃる丸』
おじゃる丸の親友、牛。
おじゃるが乗っている牛車をひいているあの牛がお友達です。

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『ミノタウロスの想い人』
牛の怪物といえば、ミノタウロス!
半人半獣の代名詞!まさかの異種間恋愛模様です。

まとめ

『牛家』
仕事をしていただけなのに、得体の知れない世界の口はどこにでもあいているのかもしれません。
汚い部屋でテレビを見ている牛…一瞬ぶちおのことかなと思いました。
ただ、作中の牛は到底食べようと思わないものをモチャモチャしています。

2階までびっしりゴミが占拠している家の中を想像しながら、この牛と対峙すると思うだけで…

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