ぶちおの本棚

『娘がいじめをしていました』自分の子どもなのに、許せない。気持ち悪い。

2023年8月10日

ぶちおです。おすすめ完結漫画のご紹介です!

今回は『娘がいじめをしていました』全1巻
自分の子どもがいじめっ子だったら。
自分の子どもがいじめられていたら。
明確にズバッとした答えがない分、む~んと考えさせられます。

どこでどう間違えたのか。

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こんな人にオススメ

☆自分の子を信じている
☆いじめを体験したことがある
☆集団心理の恐怖を知りたい
☆道徳の授業が好きだ

書籍概要

◆作品名  娘がいじめをしていました
◆著者   しろやぎ 秋吾
◆出版社  KADOKAWA

中学時代にいじめられた経験を持つ赤木加奈子はある日、小学5年生の娘・愛が同級生の馬場小春をいじめていることを知り、家族で馬場家に謝罪に向かう。
加奈子たちの謝罪はその場では受け入れてもらえたものの、小春はその後、不登校になってしまう。
小春の母・千春は苦しむ娘を見て知り合いに相談するが、SNS上での匿名の告発をきっかけに、思いもよらない事態へと発展してしまうのだった──。
我が子への不信感、夫との意見の相違、SNSで巻き起こる炎上…様々な問題に翻弄される二つの家族。
自分の子供がいじめの当事者と知った時、「正しい対応」とは果たして何なのか?
いじめ問題を加害者家族、被害者家族双方の視点から描く、意欲的セミフィクション。

Amazon『娘がいじめをしていました』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『娘がいじめをしていました』
いじめしてましたか?と聞かれて、「したことありません」と即答出来る人は要注意です。
気付かない内にいじめ加害者になっている可能性大です。
みんなもやってたよ、みたいなことがいじめだったりします。
なので、「もしかしたら、あれはいじめだったかも」と思える繊細センサーが大事だと思います。

子ども社会の中でも暗黙のルールあります。
子どもでも人間関係維持するためには、道化になったり、求められていることに柔軟に対応しないと友達が離れていっちゃう。
付き合い悪い、ノリが悪い、つまらない奴認定されるのが恐い…
嫌ならしなければいい、嫌いな人とは距離とれと言えるのは強いサイドの人間です。
大抵は受け入れるしかない一択で、どんどん追い詰められていきます。

例えいじめられたと親に言ったとして、親が相手の家や学校に乗り込んでいくのも、子ども視点からどう思うのか。
ふと、ぶちおの小学校時代を思い出しました。

ぶちおの同級生にも、モンペと呼ばれるような人がいました。
子どものケンカに親が口出しするというタイプのお母さんです。
いじめ問題に親が介入するのは当然ですが、そのモンペは何でもかんでも気に入らないという感じでした。
成績悪い子がうちの子に近づかないで!バカがうつる!とか普通に言ってました。
教育方針でバラエティは一切NG、テレビはNHKのみというおうちでした。
みんなと話もあわないし、一緒に下校したら家電にクレーム入る、親からあの家の子には近寄るなと教えられる、
一瞬で学校中に知れ渡りました。
親のせいで、いじめ生まれてない?と思いました。
ぶちおも親が自分以上に熱くなるのは、ちょっとな~派です。
学校と親の距離、かなり難しいです。

いじめにまつわる疑問がどんどん溢れ出てくる。
そんな本作です。

いじめ加害者の赤木家、いじめ被害者の馬場家。
小学五年生で、低学年から仲良しだった赤木愛と馬場小春。

赤木家の母、加奈子は中学時代にいじめ被害者だったので、娘がいじめをしていると知った時に感情爆発します。
知らないうちにずる賢くなった娘は嘘をついて、いじめのことを隠そうとした。
最初の聞き取りでは、ちょっと押したら向こうが勝手に転んだとか、こっちの会話を向こうが邪魔してくるから無視したとか、ウザイって言ったかもだけどそれくらい皆言っていると。

しかし、後になっていじめ動画が露見、拡散されます。
そこには赤木愛の顔出しとともに、小春が死んだドッキリと称して机の上には花瓶を置いて、小春の姿が見えないふりをします。
周囲にはその様子を見て笑うような声も入っている。
加奈子は愛をぶちます。

小春は学校に行けなくなり、両親は今後の小春の人生を心配します。
フリースクールというのもある、でも出来れば普通に学校に通ってほしい。
何をしてあげたら小春のためになるのか、時間をかけてもいいと思っていても焦燥感は隠せません。
頼れない学校、担任、それなら自分が頑張るしかない。
うちの子はこんなに苦しんでいるのに、言葉で謝罪しただけで許されるなんておかしくないか?!

いじめが公になってから、愛はいじめられる立場になります。
ある朝、加奈子に自分がいじめられていると言う愛に対して、加奈子は言います。
自業自得なんじゃない。

赤木家と馬場家、それぞれの両親の視点から子どものことをどれだけ理解できるでしょう。

こんな作品もおすすめ

『娘がいじめをしていました』を読んで、道徳の授業懐かしいな~となんとなく思いました。
道徳について、ふむふむしたくなる作品を選書してみました。
ぶちおのように、サイコホラー小説ばかり読んでいても、道徳好きという人間はいます。

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まとめ

『娘がいじめをしていました』
いじめしている側にはいじめの認識がない。
いじめられている側にも責任があるんじゃないか。
まさかうちの子に限って、いじめなんて関係ない。
親の責任じゃないか。

しかし子どもも立派な1人の人間なので、親がすべてを把握出来るわけもない。
これは、自分がいつのまにか本作の登場人物になるかもしれないお話。

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