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ぶちおの本棚

『鵜頭川村事件』孤立した村、物資の供給も絶たれた中、1人の青年の他殺体が見つかる…

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ぶちおです。

今回は『鵜頭川村事件』をご紹介しようと思います。

妻の墓参りに訪ねた鵜頭川村、長雨の影響で土砂崩れが起き、帰ることも困難になる主人公。
古い慣習が息づくこの村、雨で閉ざされたことで人々の狂気が膨れ上がり!

謎解きや伏線要素もありますが、とにかく無事に村から脱出できるのかにドキドキしっぱなしでした。
もちろん、普通の人間しか登場しません。
というか、ゾンビや吸血鬼に襲われる方が何倍もマシかもしれない!

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こんな人にオススメ

☆昭和、閉鎖的な寒村設定が好き
☆人間ドラマを堪能したい
☆痛い描写も大丈夫
☆親子愛に胸熱くしたい

書籍概要

◆作品名  鵜頭川村事件
◆著者   櫛木 理宇
◆出版社  文藝春秋

3年ぶりに帰った故郷は、狂気に満ちていた
父と娘は、閉ざされた狂気の村から逃げられるか

墓参りのため、亡き妻の故郷・鵜頭川村を三年ぶりに訪れた岩森明とその娘。
突然、豪雨にみまわれ、山間の小さな村は土砂崩れで孤立。
そして、若者の死体が発見された。
犯人は村人か、それとも――。

降りしきる雨の中、父と幼い娘は暴動と狂乱に陥った村から脱出できるのか。
血と恐怖のパニック・サスペンス!

Amazon『鵜頭川村事件』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『鵜頭川村事件』
コミカライズをふくめ、ネットでよく見るなぁ~と気になっていた作品です。
調べると映画化した『死刑にいたる病』と同著者ということを知りました!
『死刑にいたる病』も、映画行こうか原作読んでからにしようか、もいもいしてる間にまだ何も手つかずですw
ならばまずは!『鵜頭川村事件』を読もうではないかと意気込んで読了しました。

過去にも村民はみんな顔見知りレベルの寒村を舞台にした作品をたくさん読んできました。
昭和の不自由さ、寒村の閉鎖的な人間関係の掛け合わせはやっぱり魅力的なんですよw
今では考えられない常識がまかり通る世界観って。

舞台は鵜頭川村。
主人公の岩森は、娘の愛子と一緒に、亡き妻の墓参りのために鵜頭川村に向かいます。
墓参りを済ませ、その日は妻の親戚筋の家に一泊します。

時は昭和54年。
携帯電話ももちろんなく、岩森はショルダーフォンを所持しています。
ショルダーフォン…とんでもなく重くて肩にさげるタイプの電話です。
平野ノラさんの、しもしも~で見るあれです。

村内は矢萩家と呼ばれる一族の力が色濃く出ています。
利権をほぼ掌握している矢萩家、住人は矢萩一族の会社で雇用されているものも多いです。
矢萩家に歯向かえば、村内に居場所はないという図式です。
岩森の妻は、矢萩家の人間なので岩森も矢萩家のものとして見られています。

そう、この村では血縁、家柄が重要視されます。
どこの家のものなのか、長男かそれ以外か、派閥のように氏姓で人を判じる文化があります。
この昔ながらの慣習を頭にすり込むのが大事です。

村は数日間降り続く雨の影響で、道が寸断されて完全に孤立します。
インフラも死に、ひたすらに外からの救援を待つという状況に陥ります。

電気が通らないから、冷蔵庫は機能せず食糧の保管は出来ない。
夜になったら蝋燭なりの小さな灯で過ごすしかない。
電話、テレビ、ラジオといった通信も使えません。
水道も使えないから、井戸を持っている家に水をもらいに行かなければならない。
助け合いしようと一致するのですが、日頃の矢萩一族への不満をここぞとばかりに晴らします。

商店を営むものは、矢萩家には食糧を売らない。
井戸を持っているものは、矢萩家には水を分け与えない。
岩森は異常な村の変容を見守ります。
よそ者の自分には出来ることが限られているし、岩森自身も矢萩家のものとされて何をされるかわからないのです。

そして雨の中、青年の死体が発見されます。
刃物で何度も刺されており、明らかに殺されたということがわかります。
容疑者はすぐにあがります。
矢萩大助、矢萩家長の子どもということで好き放題していた放蕩息子です。
つまりは村の厄介者…

しかし無法者の大助を好きにさせてきた大人たちに、若者たちは辟易して自警団を結成します。
大助から村を守るんだというお題目のもと、どんどん暴徒と化していきます…
学生運動が盛り上がっていた時代に近いこともあり、大人のいいなりにはならない!という若いパッションが漲りまくります。
ただし正義だ自由だと叫んでも、やっていることはただの暴力。
そして、ある人物の意図で煽動されているだけなのですが…

家柄に縛られず友情を育んできた親友たちも引き裂かれ、
家長が絶対の存在で、逆らうことは許されない者たちが抱える不満、
善悪の区別がなくなりゆく村で、岩森と愛子は無事に生き延びることができるのでしょうか。

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櫛木理宇作品

『鵜頭川村事件』の作者、櫛木理宇先生の作品を一部ですがご紹介します。
調べると、たくさんの出版社から作品がでています。凄い!

リアル書店で一挙に作品を探すのは、なかなか大変そうだなぁ~と感じたぶちおですw
著者ごとに並んでいる方が、作家買いをするにはいいのですが、装丁とかサイズの統一感がないので陳列の綺麗さ目線だとできないんですよね…出版社ごとの棚って大事ですし…むーん。

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『死刑にいたる病』
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もちろん、こんな恐ろしい目にあうからには理由があるはず…

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『瑕死物件 209号室のアオイ』
キズ、欠点のことを瑕疵といいますが、これは【瑕死】。
不幸に引きずりこむ少年の目的とは…

まとめ

『鵜頭川村事件』
この事件の始まりに気付き、止めることは出来なかったと思います。
あまりに根深いところに、この事件のコアがあります。
たらればが何度も脳内に浮かびますが、そんなものにしがみついてはこの村で生き残ることは不可能です。

田舎とはいえ法治国家、犯罪は起こせまい。
警察が来るのも時間の問題、犯罪は起こせまい。
こんな甘い考えも捨てましょう。
鵜頭川村には、想像以上の悪意が潜んでいます。

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