ぶちおの本棚

『監禁面接』仕事とプライドを取り戻すため、怪しい誘いを受けるが。男は何を手にしたのか。

ぶちおです。

今回は『監禁面接』をご紹介しようと思います。
著者は『その女アレックス』で有名なピエール・ルメートルです。
救いの見えない深い罠、這い上がっていたはずが蟻地獄。
家族の言葉を信じられていたら、結末は変わったのかも…

でも彼には、それでも取り返したいものがあったんだもの!

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こんな人にオススメ

☆暗い展開どんとこい
☆どうしようもない中年男性を見守れる
☆プライドは持ち続けるべき派
☆大人になってからの友人を大切にしたい

書籍概要

◆作品名 監禁面接
◆著者  ピエール・ルメートル/橘 明美
◆出版社 文藝春秋

リストラで職を追われたアラン、失業4年目、57歳。再就職のエントリーをくりかえすも
年齢がネックとなり、今は倉庫でのバイトで糊口をしのいでいた。
だが遂に朗報が届いた。一流企業の最終試験に残ったというのだ。
だが最終試験の内容は異様なものだった。

〈就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ――〉

どんづまり人生の一発逆転にかけるアラン。愛する妻と娘たちのため、
知力と根性とプライドをかけた大博打に挑む!

ぶちおの読書感想文

『監禁面接』
そうだった、ルメートル作品ってどこまでも落ち込む展開あるんだったと思い出しました。
『その女、アレックス』が賞を穫りまくっていた頃からカミーユシリーズを読み始め、他の作品もちょこちょこと読んでいました。
そして久しぶりに読んだのが本作。

ラストの後味!!
途中までの展開は、どうなるどうなる!?
最悪、でもきっと挽回できるはず。
え、あいつが助けてくれるなんて激アツ!
ヘイヘイ、そんなとこでへばらないでくれよ~
と目まぐるしいのですが、結末よ…
でも、これがルメートル作品なんよ!
痺れるくらいに、絶妙な絶望具合。

メンタルにくる部分もあるので、精神面が元気な時に読むのがオススメです。
結末が気になりつつも、一息つきつつでないとこちらも闇落ちしそうでした。
内臓からくるぜ。

主人公はアラン。
いい会社でいいポジションで働いていて、愛する妻と二人の娘と幸せな暮らしを送っていた。
が、リストラされてから世界は一変。
再就職もうまくいかず、気付けばなりふり構っていられない状況に。
いくつも仕事を掛け持ちして、何とか家のローンも払い続けている。

このままではいけない。
きちんとした職に就かなければ、と思っているも仕事先で問題が起こり解雇通告。
さらには訴訟まで起こされるという事態に。
いよいよ追い詰められた状況で、ある面接の最終選考に通ります。

この選考に通れば全てがうまくいくはず。

選考内容は、重役たちを監禁して尋問すること。
そして尋問の結果、重役たちの中からリストラに値する人間を見極めること。
それっぽい人を雇い監禁を行うが、すべては仕組まれたお芝居なのでアランが捕まる可能性はない。
重役たちだけが芝居ということを知らず、素の表情を観察できる。

かつての仕事で培った経験が活きる、とアランは張り切るのですが妻は大反対。
いい仕事に就かなくてもいい。犯罪まがいの会社の手伝いなんてして欲しくない。
でもアランはかつての栄光を取り戻したい、と妻に隠れて監禁面接を進めていく…

アランの行動の受け取り方は、読者によってかなり変わりそう。
ぶちおはアランみたいなおじさんが苦手!
怒りっぽくて、過去の栄光にすがっていて、卑屈になっちゃって。
家族想いなんだろうけど、そのための行動が全部ずれてる。

本当に仕事が出来て、会社にとって重要な人だったならリストラされないでしょう。
リストラされてしまった時点で、自分の相場を正面から受け止めないとさ。
以前の会社の時と同じ条件で仕事を探しても、就職できなかったわけで。
ちょっとずつ条件を下げていくしかない。
でも年齢もそこそこいっているので、そもそも求人数が少ない。

辛いけど、それが現実。
アランの自己評価だけが高くて、市場と乖離している。
この溝を埋められなくて、どんどんよろしくない方向に行ってしまったなぁと。
簡単に現実を受け入れることが出来ないのもわかるのですが。む~ん。
聞く耳もたないマンは厄介です。

アランなりに頑張ったのでしょうが、妻のいうことが正しかったと思います。
愛ゆえの助言よ!
それなのに、妻にもキレちゃったからな~アラン。
それくらい、この仕事にかけていたんだろうけど。

最終選考の話から、アランは思ってもいない災難に見舞われ続けます。
気付けば家族すら裏切って、孤軍。
それも自業自得なんだけども。
アランはただ自分が納得できる職場で働きたかっただけなんだろうけど…
でもそれも皆ができるわけではない。
大半の人が満足していないところで働いているでしょうよ。
と思っちゃうのは、アランに冷たすぎるでしょうか。

アランは、近しい人達には恵まれていたと思います。

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