『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』生きてくださいの一言です。

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ぶちおです。

今回は『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』をご紹介しようと思います。
保健所はこんなお仕事もしているんだなぁと驚きです。
日本の自殺者の多さにも驚きです。

生きにくいと思う人に。

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こんな人にオススメ

☆保健所のお仕事風景を知ってみたい
☆しんどい時がある
☆ヒューマンドラマものを求む
☆前を向いて生きたい

書籍概要

◆作品名　死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―
◆著者　　中原ろく/松本俊彦
◆出版社　双葉社

コロナ対応で一気に世間の注目を浴びた「保健所」。そんな保健所が、自殺対策もしていることは、意外と知られていない――。基羊介はある日職場の上司が自殺したことをきっかけに、脱サラして保健所の保健予防課に転職した新人の精神保健福祉士。保健予防課では「死にたい」と悩む人々の相談に日々応じているが、その対応は一筋縄ではいかず――…。15～39歳の死因第一位が自殺という日本で、「死にたい」と悩む方々に手を差し伸べる人たちが、ここにいます。
Amazon『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係― ： 1』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』
ぶちおはあまり、気が塞いだりしないタイプです。
嫌なことがあったら、何かで発散してけろりです。
楽しい予定があれば、その日までは絶対に生きようと。
幸い、舞台観劇大好きなので年単位で先の予定ができます。
来年はあの公演がある、久しぶりにあの舞台が再演だとか思うだけでほくほくです。

唯一嫌だな～という気持ちが続いたのは、ブラック企業の電子書店で働いていた時かと。
連日長い時間イカれている上司がいるので、あの時はなかなか精神的にきてました。
が！こんなんじゃよくないと自己判断も早く、とっとと退職しましたｗ

思い詰めるほど思い詰めた経験はないのですが知りたい気持ちはあります。
うつ、引きこもり、自傷行為、自殺願望、最終的には自死を選んでしまうのはどういうことが起こるからなのか。
本作では、新人精神保健福祉士の視点から多様な相談者と出会っていきます。

軽度の知的障害、失業、ハラスメント、理由は様々ですが社会に居場所がなくなり、死を選択しようとする人達には複雑な事情があります。
居場所がなくなったというよりは、居場所がないと思い込んだ結果といった方が近いです。
うつになると視野が狭くなり、死というコマンドしか残らなくなってしまう。
特殊な思考回路を理解しながら、地雷を踏まないように丁寧に接していかないといけません。

前職の職場では、コロナ禍もあいまって休職者が多発しました。
まぁコロナ禍の前から、休職者は社員数と比較すると多い方だと思います。
しばらくの休養から復職した時は、別人格になったのかなと感じる人が多かったです。
声も小さくなって、顔の表情も乏しくて、あ、まだ治っていないなと一目で分かりました。
以前の見る影もないと言いますか。
それを見ると、うつは人を変えてしまうくらいとんでもない病気なんだと実感しました。

職場や家庭内でも、自殺願望をもってしまった人の世話を見るのは大変です。
どう接したらいいかわからない。
何が正解かわからない。
そんな人達の相談にのってくれるのが保健所だと。
使えるものは使いましょう。
死んでからでは遅すぎるのですから！転生できるのはフィクションの中だけです。

マイナスマイナスに思考が向いてしまう原因を、相談者との会話を通して見つけ出していきます。
もちろんすべてが一気に解決とはならないですが、とにかく死なせたくないと奮闘します。

些細なことからどん底に落ちることもあれば、些細なことで目の前が開けることもあります。
無駄とか、わかってくれないとか決めつけずに、まずは誰かに話を聞いてもらうことが大事。
自分のことを他人に話したくないという気持ちもあるかもですが、1人で考え込んでも好転しないなと思ったら吐き出すことです。

大変なお仕事、応援しております。