『王様ランキング』読めば読むほど、悪人の定義がゆらぐ。泣かないって決めて読んでも、やっぱり泣いちゃう。

ぶちおです。

今回は『王様ランキング』を紹介しようと思います。
数年前、ネット広告から爆発的にHitした作品という認識です。
何を隠そう、ぶちおも広告からはいって読んだくちです。
こういう本との出会い方をすることも増えてきました。ありがたし。

アニメ化もされてもはや有名ですが、いい作品なんだもの！というパッションで書いていこうと思います。

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こんな人にオススメ

☆最近疲れている
☆涙活したい
☆主人公を応援したい
☆優しさを見失っている

書籍概要

◆作品名　王様ランキング
◆著者　　十日草輔
◆出版社　ブリック出版

話題沸騰のネットマンガが、ついに電子書籍化！

王族の長男で、巨人の両親を持ちながらも、自身は体が小さく、短剣すらまともに振れないほど非力な王子ボッジ。
しかも耳が聞こえず、言葉が話せないボッジは、周りからは次期王の器ではないと噂され、どこか空虚な毎日を過ごしていた。
しかし、ひょんなことから心が通じる「カゲ」という友達を得て、人生が輝き始める。
描き下ろしもたっぷり収録の第１巻！
Amazon『王様ランキング(1)』作品内容より

『王様ランキング』ぶちおの読書感想文

『王様ランキング』の概要をば！
主人公ボッジは、耳が聞こえず、力も全然ない。
弟のダイダ王子はじめ、国民にも笑われてしまうほどです。

でも先王の父のような、立派な王様になることが夢です。
最初はカツアゲしてきたカゲ一族の生き残りのカゲと友達になり、ボッジは自分の夢を語ります。

しかし、弟のダイダに王座を追われてしまいます。
臣下の裏切り、他国の脅威、そして先王が残していった呪いとどんどん問題が…
自国にも危機が迫ります。

今はまだ弱いボッジ、王様ランキング1位になれるのか！

といった感じです。
最初はボッジが頑張っていくんだろうな～くらいで読み始めたのですが…
序盤で涙腺きました。

耳は聞こえないけど、唇を読めるボッジは相手が何を言っているのかわかっています。
町の人々や、城の兵士たちの悪口もバッチリ理解しています。
でも反論もせず、自室で一人泣いているボッジ。
くううう。
カゲと友達になってからは心やすまる！と思っていたら、国を取り囲む陰謀に巻き込まれてまた悲しみの連続です。
くううう。

読み進めていくと、黒幕的な人物や、THE悪人が出てきます。
さらに読み進めていくと、その人物の背景がわかってきます。
本当に悪いのは、誰だったんだろう。

ボッジ側の視点にたてば、暴力や詐称をしている人が悪人なのですが、その悪人たちの動機がなんとも…
ミステリーでも大事なのは、動機なんですよね。

【なんでそんなことをしたのか】
【どうして罪に手を汚したのか】

今後、ボッジがどうやって国を救っていくのか注目していきたいと思います。

作中で気になったエピソードをば。
ボッジの弟のダイダは、五体満足で優秀な王子です。
でも己を過信しているところがあり、日頃からボッジのことを弱いやつだと思っています。
自分の方が王様にふさわしいと思って、ふんぞり返っているのがデフォルトです。

ある日、ダイダは臣下たちとともに町の様子を見に行きます。
そこで見たのは、目も見えない、耳も聞こえない男でした。
歩くことすら苦労している男の様子を見てダイダは、
『オレだったら　即自ら命を絶つ！』と言います。

それに対して臣下のベビンは
『それは同じ境遇ならば　生きていく自信がないということですか？』と。
であれば、その境遇で生きている男の方がダイダよりも強いのではないかと。

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ここでふと思い出した、ミュージカルをご紹介です。
みんなが思っていることは、必ずしも真実ではないかもしれない。と考える契機になる作品です。

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『ウィキッド』は有名な『オズの物語』のもう1つのおはなし。
主人公はドロシーではなく、悪い魔女と善き魔女です。

みんなが悪い魔女と指さした彼女は、どうしてライオンやブリキ、かかしに魔法をかけたのか。
このいきさつ、動機を知った時に『オズの物語』の味方が180度変わりました。
真実を知らない市民が、一番罪深いような気がします。

この作品が生まれたのも、アメリカのイラク侵攻があったことがきっかけだったと制作者インタビューか何かで見ました。
片方は正義の為だと思っても、もう片方から見たらただの侵略だったり。
メッセージ、受け取っていただきたい。