ぶちおの本棚

『怪物の町』住人の中にたくさんの殺人鬼?!暮らしながら凶行を重ねているらしい。段々と自分の感覚も狂わされていく…

ぶちおです。

今回は『怪物の町』をご紹介しようと思います。
映画化され、『このミス』大賞受賞作『怪物の木こり』著者作となれば気になってしまいますもの。

地域柄と言ったらそれまでですが、殺人鬼だらけの町に引っ越してきてしまった主人公。
犯行現場を見たのに、住人達はその事件を認識していない。
事件が発覚しなければ、誰も捕まることはない。

こんな町で生きていくための方法は。

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こんな人にオススメ

☆危険な土地に行きたくなっちゃう
☆気になったら追求する派
☆緊迫した逃走が好物
☆精神を保つ方法を模索したい

書籍概要

◆作品名 怪物の町
◆著者  倉井眉介
◆出版社 宝島社

人殺しの現場を目撃してしまった塾帰りの高校生・辻浦良太。
彼は、ある秘密に気付いてしまい……
あかね町――この町は何かがおかしい。

(あらすじ)
あかね町には人殺しがたくさんいて、至るところでしょっちゅう人が殺されている――。
夜のあかねの森公園で人殺しの現場を目撃してしまった塾帰りの高校生・辻浦良太は、暗視ゴーグルをつけた謎の女性に助けられてなんとか難を逃れた。
しかし、彼女曰く、この町では警察は助けてくれず、通報すれば必ず報復で殺されることになるという……。
妄想か、真実か。奇妙な町を舞台にした殺人物語。

ぶちおの読書感想文

『怪物の町』
歴史であったり、立地条件であったり、色々な事情でその土地の風土は出来ていきます。
農作物を作るに適した気候だとか、台風がよく通るから住居にも特徴があるとか。
社会の授業で色々ならいました。
ぶちおは降水量のグラフがトラウマです。
地域をどこか当てる問題で正解率が50%を超えた記憶がありません。

本作は、たまたま殺人鬼が多く住んでいる町が舞台です。
隣人ももしかしたら、同級生ももしかしたら人殺しかもしれない。
殺人鬼が多いことは古くからの住民はわかっているので、介入もしません。
殺人なんて茶飯事すぎて、目に入っていても認識しないくらいになっているのです。

もし犯行を見たとしてもスルー。
血まみれで凶器を手に持っている人を見てもスルー。
それが、この町での処世術です。

この町に転入したばかりの主人公・辻浦良太は殺人の現場を目撃してしまいます。
目撃者になったなら、やることは警察に通報すること。
しかし、同じ現場に居合わせた先輩に通報を止められてしまいます。
「通報をしても無駄。むしろ良太が殺人鬼のターゲットになってしまう」

先輩からこの町の秘密を教えてもらうも、良太は殺人鬼が野放しになっている町があることは信じがたい。
もし殺人鬼がたくさんいるとわかっているなら、捕まえるべきだと。
そこから先輩とともに、この町の現実を調べていくことになります。

近所付き合いの希薄な時代、どんな人が隣人かわからないのがテンプレですが。
殺人鬼を放置していて、いつ自分が犠牲に合うかもわからない。
法治国家としてきちんと捕まえるべきとは思うのですが、この町の殺人鬼たちは強者揃い。
長年、何件も犯行を重ねても捕まらないということは、それだけ殺人のスキルも高いということです。

死体が見つからない。
容疑者リストに上がらない。
一般高校生の良太が勝てる相手ではないですが、とことん追求したい良太は裏付けのために危険な道を選択します。

主人公らしいけども!
捕まえてやるぞ、まずは本当に殺人をしているのか。
証拠として死体を見つけないと。
それで熟練殺人鬼のゴミを漁るんですから。
死に急ぎ野郎と言われても仕方ないで。

誰が殺人鬼かも気になりますが、どうしてこの土地は殺人鬼まみれなのかも気になります。
普通の地域の何倍も行方不明者が出るとか、殺人鬼がいるとか。
あれれ?コナンが住んでいる米花町も同じような土地だなと気付きました。
道行く人々の大変が真っ黒シルエットの犯人。
ほとんどの不動産が事故物件状態。ふふふ。

良太の住む町も長生きしたいのならば、何も見ない。深入りをしない。
景色に溶け込むように暮らすのが大切。
先輩の教えを継ぎながら、良太はやっぱり深入りしちゃう。
だって仲良くなった先輩が消えてしまったんだから。

先輩も殺人鬼に捕まってしまったのか、それとも…
良太は先輩を探し、これまでの手がかりから犯人を突き止めるのですが、衝撃の事実を知ります。

良太の選択は、ある意味では正しかったと思うのですが。
後味はじめっっと、苦みを感じました。

見ざる言わざる聞かざる。
触らぬ神に祟りなし。
君子危うきに近寄らず。
臭い物には蓋をする。
昔からの格言には消極的選択をおすすめするものも数多くあります。
熱血だけで暴くぜ!勧善懲悪や!!と突き進むのも、いいことだけとは限らない。

ぶちおだったらこの町で、何してるかな。
良太のように、危ない人達から逃げながらも事件を追いかけるべきか。
それとも普通の暮らし優先にして、ヤバイ人達は消しゴムマジックで視界から消すべきか。

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