ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!
今回は『カタコンベ』
毎度の電子セールで、タイトルから興味ひかれて購入しました。
さらに江戸川乱歩賞受賞とくれば、涎がじゅるりしておりました。
地下墓地を現すカタコンベですが、本作で地下に眠るのは…
地下洞穴からの脱出に、ハラドキ確定です!
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こんな人にオススメ
☆パニック脱出ものが好物
☆殺人事件の謎も解きたい
☆冒険にとんと縁がない
☆ハートフル要素も欲しい
書籍概要
◆作品名 カタコンベ
◆著者 神山裕右
◆出版社 講談社
あの事件から5年、ひとつの決意が闇に眠った殺人事件を呼び覚ます! ――水没するまでのタイムリミットは、約5時間。それまでに、洞窟に閉じこめられた調査隊を助け出さなければ……。「もう同じ過ちは繰り返さない」。強い決意を秘めたケイブダイバー・東馬亮は、単身救助に向かう。大きな闇に包まれた洞窟には、5年前の事件の真相と、殺人犯が潜んでいた。第50回江戸川乱歩賞受賞作。
Amazon『カタコンベ』作品内容より
◎「作家にはまことしやかに嘘をつく能力が必要とされるが、その意味で、神山裕右は稀代の嘘つきである」<「解説」より>
ぶちおの読書感想文
『カタコンベ』
オープニングで、誰も立ち入ったことがない洞口に2人の男が入っていきます。
未踏の地、何があるかわからないからこそ、冒険心がかき立てられます。
危険とは知りつつも調査のためにと奥に進むと、謎の獣の襲撃にあいます。
1人は獣に襲われて重傷、仲間を連れて逃げる余裕もなく、とにかく危険から逃げるもう1人の男。
未知の洞口を調査するため、新たに調査隊が結成されます。
5人1組でアタックを開始しますが、最初のチームが洞窟に入った後に悪天候のため洞窟内で遭難してしまいます。
この調査に隠された秘密、警察が追う事件の犯人の行方、どんどん謎が提示されていきます。
洞窟探検をする人をケイバーと呼びます。
洞窟がケイブ、なのでケイバーです。
海外ではポピュラーな洞窟探検、ぶちおの中では【イッテQ】か【クレイジージャーニー】の世界です。
スーツを着込んで装備を背負って、とんでもない洞窟を進んでいく…
水没した場所を潜水したり、狭い穴を通っていったり、登山やダイビングとはまた違った過酷さがあります。
鍾乳洞や地底湖の綺麗さは興味ありますが、自分の足を運んでいこうとは思わないぶちおですw
いや、普通のひよこ人間のぶちおには出来ないです。
狭い、暗い、寒い、本能的に感じる恐怖。
作中でもアタックメンバーが遭難しますが、その描写を想像するだけでNGでした。
確かな地図もない、上に行ったり下に行ったり、
外で降っている雨が地底に流れ込む恐怖、暗闇の恐怖、いつになったら救助が来るかも分からない。
フィジカル、メンタルともに強くないと、耐えられない…ぐぅぅ。
地上では、連絡が取れなくなったアタックメンバーの救出活動が続きますが、成果は芳しくないです。
5時間もすれば、洞窟内は水没する。
時間がきたら、救助は絶望的になります。
レスキュー隊や調査隊の責任者が頭を抱える中、1人のケイブダイバー・東馬亮が救出に向かいます。
近隣の地図を見て、レスキュー隊達とは別のアタック方法をとります。
助けたい人がいる、それだけの意志で危険すぎる洞窟へ向かいます。
洞窟内に閉じ込められた調査隊にも、不穏な空気がつきまといます。
生還出来るかの恐怖、以前目撃された人を襲う獣の存在、
各自、持ち物と知恵を持ち寄って、安全に救助を待てる場所を探すのですが。
落石により目の前で肉塊になった犠牲者、
洞窟の先に進むと事故死とはいえない白骨化した人骨、
地下川を渡ろうとした時に不自然に切れたロープ、
このメンバーの中に、何かよからぬことを抱えている人間が紛れ込んでいそうです。
ただし、洞窟内の遭難メンバーは謎解きよりも第一優先でやることがあります。
生きてこの洞窟を出ること!
何より、生存しなければなりません。
5時間後、何人が脱出出来るのか。
悪意ある人間の犯行も気になりますが、サバイブも読者の心拍をあげてくれます。
圧倒的な自然の中で、装備もなく、怪我を負って歩くことも難しい時に
何が体を動かしてくれるのか。
出血して、爪が剥がれても、岸壁に食らいつく。
怪我をしたメンバーを置いていけば、もっと楽に脱出出来るかもしれない。
でも、そんな脱出には意味がない!
ラストに見えた景色、感動です。
こんな作品もおすすめ
『カタコンベ』を読んで、地下墓地、地下空間、閉じられた空間がキーになる作品を選出してみました。
お日様の光が見えないだけで、人間はこんなにも不安になるのです。
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『カタコンベ』
といえば、こちらの作品が真っ先に浮かびました。
地下墓地は骸骨だらけ、もちろんホラーです。R-18指定なのでご注意ください。
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『モンキーピーク the Rock』
あの人智を超えたバケモノが、洞窟内で襲撃してくる恐怖!
洞窟内ならではの恐怖を感じることが出来ます。
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『シェルター 終末の殺人』
なぜ連続殺人は起こるのか?
シェルターという特殊な場所が舞台です。
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『オペラ座の怪人』
パリ、オペラ座の地下には地底湖が広がるという。
その先に棲み着いている男は異形の姿をしていて…
まとめ
『カタコンベ』
メンバーの中に紛れている犯人が成し遂げたいこと、隠したいことは何なのか。
様子のおかしい調査隊の責任者、洞窟内を徘徊する獣、消えた拳銃、5年前の事故…
あらゆるキーワードが、あの洞窟に繋がります。
脱出シーンは、激アツです。
色々あったけど、無事に生きてくれ!と願いながら読みました。
誰かのために必死になる姿はカッコイイです。
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