ぶちおです。
みなさま、芥川龍之介『芋虫』を読んだことはありますか?
ぶちおはお恥ずかしながら未読です。
あらすじはふんわり知っている程度、読まないまま時は過ぎ…
そんな折、丸尾末広先生がマンガ化した『芋虫』の電子書籍と出会いました。
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新品価格 |

書籍概要
◆作品名 芋虫
◆著者 江戸川乱歩 / 丸尾末広
◆出版社 KADOKAWA
手塚治虫文化賞受賞作『パノラマ島綺譚』で、世界を震撼させた漫画界の魔神が、再び、巨星・乱歩の原作に挑む。今度は、乱歩全作中…いや、日本文学史上、最高に危険な問題作。グロテスクでエロティックな漫画表現の極限に向けて、世界的アーティスト・丸尾末広が今、恐るべきその本領を全面開放する。
Amazon『芋虫 (ビームコミックス) 』作品内容より
こんな人にオススメ!
☆コワイものが好き
☆考えることが好き
☆じっくりと落ち着いてマンガを読むことが好き
☆少しグロい描写も平気
書誌の作品内容にもあるように、グロさとエロさを兼ね備えているのが丸尾末広先生です!
ぶちおが昔、書店の店頭で働いている時は丸尾先生の作品に手が出せませんでした。
表紙からびしびし伝わるオーラだったり、購入していくお客様もオーラがビシビシ出ていましたw
何とも言い表しにくいオーラです。
おぼろげに、真のマンガ好きでないと読んではいけないと勝手に考えていました。
しかし!
扉を開いたら、もう丸尾ワールドの虜にです!
それではこちらの作品を、オススメしていきたいと思います!
須永中尉(すながちゅうい)は戦争で、命はとりとめたものの両手足を失います。
さらには聴力も失い、声帯も失います。
そう、この姿がまるで【芋虫】のようなのです。
妻の時子(ときこ)は献身的に夫の須永中尉に尽くします。
身振り手振りで意思の疎通をはかり、身の回りの世話はもちろん、家計のやりくりもこなすまさに理想的な妻です。
時が経つにつれ、須永中尉の食欲、性欲の増進がとまりません。
たがが外れたように、交わる夫婦。
そんな生活が続く中、時折、思案にふけることが増えていく須永中尉。
その様子を見た時子は思います。
(こんな体になった人間は なにを考えるのだろう?)
須永中尉は、自分の思いを話すことはありません。鉛筆を口にくわえて、文字を書くことは出来ます。伝えようと思えば、伝えられることはたくさんあるように思いますが、作品内で【芋虫】となった須永中尉は話してくれません。
時子はそんな夫の姿に、段々といら立ってきます。
自分がいなければ何も出来ないくせに、と。
罵ってもなお反応を示さない須永中尉の目を、時子は潰してしまいます。
唯一残っていた視界を奪われた須永中尉。
酷く後悔をする時子。
夫の体に、「ユルシテ」と指でなぞり謝罪する時子。
そして、須永中尉は姿を消します…
結末はぜひ、作品を読んでください!
時子を凶行に走らせたのは何なのか…
【芋虫】となった人間は、何を思っていたのか…
人が人であるというのは、どういう事なのか…!
描かれているコマは1つ1つを粒さに見ていって欲しいです。
文面では表現不可能な、丸尾先生の筆致が素晴らしいのです!
暗喩や、視線が語る心情の変化など、見ていけば見ていく程深みにはまります。
何回でも読み返しましょう。
もちろん、原作の小説を読むこともオススメです。
気になった方は是非、ご一読を!

視線、が重要です。
登場人物の思惑が、バシバシ感じられると思います!
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