ぶちおの本棚

『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』隙間を狙って怪異はぬめり込んでくる。忠告を破ってしまうのがサガなのやも。

ぶちおです。

今回は『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』をご紹介しようと思います。
7人の作者の短編が楽しめます。
夜でも灯りが耐えない現代でも、説明が出来ない怪奇は顔を覗かせています。
いなくなってないから、怪しいものたちは!

お好みのホラーテイスト作品にであえるかもしれません。

七つのカップ 現代ホラー小説傑作集 (角川ホラー文庫)

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こんな人にオススメ

☆色々なテイストの作品を一挙に楽しみたい
☆現代のホラー界隈が気になる
☆共感、臨場感を味わいたい
☆好奇心は強い方

書籍概要

◆作品名 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
◆著者  岩井 志麻子/小野 不由美/小林 泰三/澤村伊智/辻村 深月/恒川 光太郎/山白 朝子/朝宮 運河 (編集)
◆出版社 KADOKAWA

現代ホラー小説30年の至宝を一挙収録。新世紀ホラーシーンへ!

『影牢 現代ホラー小説傑作集』に続く2010年代を中心に発表された傑作ホラー短編7選。小野不由美の“営繕かるかや怪異譚”シリーズからは死霊に魅入られた主人公の心理に慄然とさせられる「芙蓉忌」。土俗的作品で知られる岩井志麻子による怨霊の圧倒的恐怖を描いた海の怪談「あまぞわい」。怪談の存在意義を問う辻村深月の「七つのカップ」など。作家たちの巧みな想像力により紡がれた悪夢の数々がここに。解説・朝宮運河

ぶちおの読書感想文

『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』
7人の作家陣の名前が豪華で、気付けばぽちり。
他作品に収録されている作品もあるので、重複購入には注意です。

7編のうち、とくにお気に入りの作品について記します。

小野不由美「芙蓉忌」
冒頭を飾るのは小野不由美先生。
主人公が隣家の女性に囚われていくというおはなしです。

主人公は気付けばその女性を覗き見てしまう日常を送ってしまいます。
顔も見えないけれど、その女性は手紙を読んでは泣いているよう。
どんな内容の手紙なのか、誰を思って泣いているのか。

ぶちおもその光景を見たら、ちょっと興味ありますがそれも最初のうちだけかなと。
仕事もしていないよう、家からも出ていないよう、手紙を見ては泣くを繰り返す女性って、もう怖いでしょうw
ぶちおはここで引っ越しエンドで終わらせてしまう派です。

が、主人公は気になって女性の様子を見ることをやめられない。
その様子を見て、ある人物が「あの女を見てはいけない」と忠告してくれますが、それでもやめない。
ダメだとわかっているのにやめられない。
忠告を無視し続ける者が辿り着くのは…

イザナギノミコトしかり、浦島太郎しかり。
やっちゃダメよって言われたことほどやってしまうのは昔からの常なのでしょう。
好奇心は猫をも殺す、って本当芯を食いまくっていることわざじゃな。

小林泰三「お祖父ちゃんの絵」
壁一面に書かれたお祖母ちゃんが描いた絵。
お祖父ちゃんとの出会いからの思い出が描かれていて、お祖母ちゃんが色々と教えてくれます。
お祖父ちゃんはどんな人で、どういう会話をして…

お祖母ちゃんの絵を見ながら、お祖母ちゃんの思い出を聞く。
とても素敵な一コマのはずなのですが、段々とお祖母ちゃんの言動がおかしいと感じます。
素晴らしいロマンスのように言っているけど、お祖母ちゃんはただの変人なのか?
いや、でもまぁ恋って人を狂わすっていうからね、うん。

すでにお祖父ちゃんは亡くなっているので、お祖母ちゃんの語りを信じるしかないといえばないのですが…

澤村伊智「シュマシラ」
食玩についているおもちゃを収集している人は、収集したモノについても興味が出てくる。
シュマシラというものが何か調べてみよう。
きっかけはそれだけだったのですが、調べてみてはいけないモノもあるということです。
これもまた、好奇心と行動力が仇となってしまう気配ありけりです。

ぶちおもミニチュアを集めたり、推しのグッズは集める派ですが、ゲットしたらそのまま収納しちゃって忘れるという、野生のリスのようなタイプです。
多分、シュマシラの怪異に巻き込まれたような人達のようなことは起こらないと感じましたw
触らぬ神に祟りなし!
いっそ忘却しっぱなしということが有利に働くこともある。

人が色々なモノを収集するのはある種の習性かもしれない。
ということは、普通の人では想像できないモノを収集している存在もあるかもしれない。
他人の趣味の領域に、土足で入ってしまえばそれはもう…ね。

怖さにも色々な種類があります。
自分の心くすぐるタイプのホラーに出会えると、ご機嫌になることでしょう!

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