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ぶちおの本棚

『福家警部補の考察』読者が犯人とともに追い詰められていく感覚。どうあがいても、捕まります。

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ぶちおです。

今回は『福家警部補の考察』をご紹介しようと思います。
凡ミスで、まさかのシリーズ5作目から購入してしまい、ええい!このままいったれ!と5作目を読了しました。
1作目から読むのがもちろんベストですが、5作目からでも十分に楽しめました。
多少前作までのネタバレはありましたが面白かった!

犯人と一緒になって、追い詰められていくような感覚。
または、犯人のミスに気付いて何やってんだよ、と犯人を叱りたいような感覚。

刑事らしくない刑事が一番こわい存在です。

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こんな人にオススメ

☆犯人視点を楽しみたい
☆完全犯罪の穴を探したい
☆不思議な女性刑事から逃げたい
☆古畑任三郎とか好き

書籍概要

◆作品名  福家警部補の考察 福家警部補シリーズ
◆著者   大倉 崇裕
◆出版社  東京創元社

パスタを一本つまみ上げ、噛んでみる。まだ少し早い。水洗いしてボウルに入れておいたレタスに手を伸ばそうとしたとき、金属音と、それに続いて重いものが屋根を転がり落ちていく音が聞こえた。誠が屋根から落ちたのだ。もう少し待ってくれてもいいじゃないの、パスタが無駄になっちゃうわ。いつも間が悪いんだから――夫の“事故死”をめぐり、一見おっとりした妻の中本さゆりと福家警部補が熾烈な心理戦を繰り広げる「上品な魔女」ほか三編を収録。類稀な洞察力を駆使して容疑者たちと対峙する警察官名探偵の活躍を描き、現代の倒叙ミステリを代表するシリーズに成長した〈福家警部補の事件簿〉第五集。

Amazon『福家警部補の考察 福家警部補シリーズ』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『福家警部補の考察』
気になったら、あまり確認しないで即ポチする習性によりシリーズ5作目から読むことに!
よくよく書誌を見ると、きちんと〈福家警部補の事件簿〉第五集とありましたw
もともと福家警部補シリーズの存在は知っていたのですが、サイトで一番大きく掲載されていたので1作目だろうと思い込みました。
最新巻だって大きく掲載されるだろうと…なぜあの時気付かなかったのか…
きっと期間限定ポイント40倍という文句に心が奪われすぎていたのでしょう…
東京創元社の対象作品がお買い得なんて、そりゃ飛びついちゃうもの…

でもまぁ、オールOK!
収録されている4編は問題なく楽しめました。

作品のスタイルは、古畑任三郎テイストです。
最初に犯人は分かっています。
何がきっかけで犯行がばれてしまうのか。
そのヒリヒリ感がよきです。

事件が起きる、犯人による内面の吐露、どんな行動をとったかもわかる。
ここは一番神経研ぎ澄ませましょう。
後にやってくる刑事との対決に必要なことがこそっと書かれています。

一方、犯行現場では検証が始まり、一人の刑事が捜査に当たります。そして最短距離で犯人に近づいてくる。
犯人は完璧な犯行を自負しているので、刑事とのタイマンにも揺らがない。

追い詰める刑事、追い詰められても躱す犯人との駆け引き。
強メンタルがないと犯罪者にはなれません。なろうとは思いませんが、なったとしたらの苦労がエグイ。

本作の名刑事、福家警部補は表紙に描かれている女性です。
派手さはなく、ポイントはメガネをしているくらい。おしるこ(冷えたもの)が大好き。
刑事特有のギラつきもないので、犯人からもなめられがち。

こんな刑事に、自分の犯行が分かるわけがない。
犯罪者にありがちな、楽観バイアス!
楽観の結果なのか、福家警部補の推理力のたまものか、犯行はボロボロと暴かれてしまいます。

古畑任三郎も刑事らしからぬ出で立ちで登場して、即犯人の目星をつけて張り付きます。
犯人とフランクに話しているようで、重要な証拠を見つけちゃっていたり。
そもそも会った瞬間から犯人だと分かっていて、犯人が踊らされていることも多いです。
刑事らしくないから、犯人も油断してしまうのでしょうが悔しいったらないでしょう。

「いつから俺のこと疑ってたんだ」
「最初にあった時からです」
言ってみたい台詞ランキング上位です。

その憎めないキャラクターも込み込みで、名刑事の素質といえます。

犯人視点から追っていくので、ぶちおは犯人に肩入れをしていました。
なんだかんだで、犯行に及ぶ動機もわからんくもない。
一生懸命に策を練ったのに、福家警部補がちょちょいと現われて事件を解明してしまうんですもの。
犯人がっくりくるよ!

いや、しかし犯人よ。
もっと慎重に行動しなきゃダメよ。
計画にないことがあったら、中止する勇気!
ちょっとでも違和感感じたら延期する判断!
これくらいなら、計画実行だ~とかするから計画にひずみが生まれるのよ。
演技も中途半端よ。
夫を心配する妻を演じるなら、頭のてっぺんから足の先まで演じきらないと。
本音の部分が矛盾した行動に出て、福家警部補に見とがめられちゃのよ。

被害者の行動を完璧に予測できないですからね。
どれだけ犯人がシミュレーションしても、上手くいく訳ないであろうという…
でも事件はやめられない、止まらない。

完璧な犯罪なんて、やはり出来ないんだなぁ。

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こんな作品もおすすめ

『福家警部補の考察』を読んで、くせつよ刑事作品を集めてみました。

第10話 矛盾だらけの死体

『古畑任三郎』
1時間の中で、ぎっちりと伏線がはられてしっかりと回収される名作です。
視聴者は古畑からの挑戦状に完全回答できるのか?!

第1話「灰の轍」

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『未解決の女 警視庁文書捜査官』
筆跡から書いた人の性格や心理を紐解いていく。
文字には隠しきれない人柄が出ますものね~参考になります。

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『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』
取り調べの最中、容疑者のすべてを観察する。
動揺や嘘は、必ず体のどこかが反応してしまうものだから。

まとめ

『福家警部補の考察』
読みやすい短編なので、倒叙ミステリをさくさく楽しみたい方におすすめです。
見た目からは想像できない切れ味を隠し持つ福家警部補の推理。

ちょっとした質問に答えるだけでも、命とりになりかねません。
なんせ、事件発生から即犯人の元に辿り着いちゃうわけです。
彼女には、犯人に繋がる糸が事件発生した瞬間から見えているのでしょう。

福家警部補を出し抜く日は来るのだろうか。

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