ぶちおです。
今回は『失踪症候群 <新装版>』をご紹介しようと思います。
症候群シリーズの第1作目です。
警察内では目立たない存在なのに、実は厄介な出来事を引き受けては解決するプロの存在。
日常に溶け込みつつ、事件化されていない失踪事件を追っていきます。
失踪する若者たちの共通点から、1つの答えを導き出すのですが…
ぶちおの推しは僧侶です。
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こんな人にオススメ
☆クールな司令塔についていきたい
☆別の人生歩んでみたいと思ったことがある
☆プロ集団の連携を垣間見たい
☆あくまで裏方に徹したい
書籍概要
◆作品名 失踪症候群 <新装版>
◆著者 貫井徳郎
◆出版社 双葉社
警視庁には、警察組織が扱いにくい事件を捜査する影の特殊工作チームが存在する。警務部人事二課の環敬吾が指令を送るのは、私立探偵・原田征一郎、托鉢僧・武藤隆、肉体労働者・倉持真栄、プロフェッショナルなメンバー3人である。若者の連続失踪事件。その背後にあるものを探るべく、チームは動き出す。最後のページまで興奮がとまらない、大人気「症候群シリーズ」新装版・三月連続刊行、第一弾!
ぶちおの読書感想文
『失踪症候群 <新装版>』
警察というしっかり組織社会の中で、ちょっと浮いている存在が気になる今日この頃です。
テレ朝ドラマ『相棒』っこのぶちおは、優秀だけどはみでている右京さんが好き。
そんな右京さんの能力を認めつつも特命係に縛り付けて、一方的なお使いを頼む小野田官房長が好き。
結局、お上に能力を買われているから居場所はあるんだけど、一般署員からすると存在が謎。
こういう構図がツボです!
本作も、警察署内では閑職というか、何をやっているかミステリアスな人物が登場します。
名前は環 敬吾。
30代後半くらい、スタイルもよいイケメン。
口数は少なく、プライベートは完全に謎。
忙しくしているようには見えないけれど、お偉いさんからの電話はちょいちょい入る。
これは、特命の予感!
特命の内容は、警察上層部の知り合いの息子が失踪してしまったので調べてほしいと。
事件化されているわけではないけど、ちょっと気になることもあるから手隙でよろ~という依頼です。
未成年ならまだしも、親元を離れて大学に通っている人が消えたというだけでは警察は動けない。
だから秘密裏に環に依頼をして、何か掴んだら報告してほしいと。
失踪したとみられる人物たちのファイルを受け取り、環は仲間を招集して早速取りかかります。
環をリーダーに、結成されているチーム。
ガテン系の仕事に就いている倉持。
托鉢僧として街角に立っている武藤。
警察を退職して私立探偵をしている原田。
4名で、失踪事件を調べていくことになります。
もちろん誰もこのチーム編成を知らないというのが、ミステリアス度を引き立たせます。
タイプもまったく違う4人ですが、お互いの仕事の能力は認め合っていると。
そして多分、全員イケメンだと思っています。
イケメンでしょう。
いつもは仮の姿で暮らし、特命があれば真の姿で活躍するというのはもう、脳内でかっこよポイントが上がるのみ!
今回の失踪事件、メインの視点は探偵の原田です。
原田にも高校生の娘がいて、危うい。
事件を追っていくうちに、娘がハマっているというバンドの影がちらちらする。
男親と年頃の娘、悶着が起こるのは必須といえます。
ハマっているバンドも、危ない系のバンドとわかれば心配も増大するでしょう。
ぶちおが『デトロイト・メタル・シティ』にハマっていた時も、職場の先輩は心配していましたw
漫画をすすめてきた張本人なのに、ぶちおがクラウザーさんに狂信している様を見て不安になったそうです。
映画化の時の作中曲も最高だったもの、大声でとんでもない歌詞を歌って大笑いしていたあの頃。
保護者的視点の人は、心配にもなるのも今ならわかります。
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でも、心配してくる保護者をうっせぇわ!とはねつけるのもテンプレです。
原田の思いがなかなか娘に伝わらない。
環からの指令で捜査もしないといけない。
忙しい中で、原田家にも最悪な事件が起こってしまう…
頑張れ、お父さん!と心の中でエールを送りました。
家族のために働かないといけないけど、失踪事件の調査にも危険がつきもの。
気を抜いているとやられる可能性だってあります。
普通の探偵だったら、デッドエンドの可能性もある!
男だらけのチームなので、きゃっきゃうふふ感は皆無です。
必要最低限の会話、お互いのことに立ち入らない、仕事は全うする。
その感じに、エモみがある。
底本が2014年なので、時代を少し感じるのも良きです。
環からの招集がポケベルっていうのも懐かしい。
ぶちおも手にした時は、やたらとポケベルにメッセージ送るのハマりました。
数字を当て読みするって、難易度高い連絡ツールですが当時は大ブーム!
今の子が見ても、メッセージ解読出来るのかな?
時代を感じるものは他にもあります。
失踪した人の痕跡を追っていくので、住民票とか戸籍を調べていきます。
第三者でもやりようによっては他人の住民票ゲットは簡単だったり、他の人の身分証偽装もわりかし出来ちゃうという時代。
顔写真との比較なしで、公的書類をゲットできるだと!?
本作を読んで、マイナンバーカードの意義を少し知ることができました。
マイナンバーカードは写真必須、数年おきに更新しないといけない。
犯罪する側からしたら、昔よりちょっと手間ってことでしょうか。
ぶちおは市役所が坂の上の遠いところにあるので、マイナカードの更新が今からだるい…
ネットで出来るんでしたっけ。
マイナ保険証の使い方もぴんときていない。
マイナアプリも使い方が難しい。
お役所仕事め!!!
消えてなくなりたい、と思ったことはないですが。
別の人として生きてみたいというのは、ちょっとわかりみです。
ただ、そんなに簡単に人生取り替えるのもむずいでしょう~と。
少なくとも、過去の自分の生活圏は捨てないといけないですし。
家族も捨てる、友人も捨てる、家も捨てる、そして新天地で0から再出発。
思っているより、はるかにカロリーがかかる気がしています。
失踪って。
貫井徳郎作品
『失踪症候群 <新装版>』を読んで、貫井徳郎先生の作品から選書してみました。
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『悪の芽』
犯人は自殺。無差別大量殺人はなぜ起こったのか?
大手銀行に勤める41歳の安達は、無差別大量殺傷事件のニュースに衝撃を受ける。40人近くを襲ってその場で焼身自殺した男が、小学校時代の同級生だったのだ。
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最も切なく
悲しい誘拐事件
スリルと感動のどんでん返しミステリ!
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出所後、家族も恋人も失ったことを知った江木は、絶望の末に復讐を誓う。
狙うのは、真実を見誤った者たちだ。終わらない不幸の連鎖、果てしない人間の業に胸をえぐられながらも、読む手が止まらない
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『宿命と真実の炎』
幼き日に、警察に運命を狂わされた誠也とレイ。
大人になった二人は、彼らへの復讐を始める。
警察官の連続死に翻弄される捜査本部の女性刑事・高城理那は、かつて〝名探偵〟と呼ばれた元刑事の存在を気にしていた
まとめ
『失踪症候群 <新装版>』
一見、何の事件性もなく、ありふれた失踪の数々。
きっと親のプレッシャーに耐えられなかったんだろう。
どこかで元気に暮らしているんだろう。
でも親達は我が子を見つけたいと願っている。
無関係にしか見えない失踪事件の、小さな小さな共通点から環は推理を構築していきます。
冷静に、言葉少なく、真相に。
最後の最後まで、裏方に徹する環達のスタンスに惚れました。
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