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『イノサン』目に涙を浮かべながらも、執行の手は止めない無垢な男。処刑人一族の物語。

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ぶちおです。

今回は『イノサン』をご紹介しようと思います。
主人公はシャルル-アンリ・サンソン。実在した処刑執行人の物語です。
素晴らしすぎる筆致で、サンソンの苦悩や思いが克明に描かれています。

当時のフランスの息吹を、感じていただきたい!

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こんな人にオススメ

☆怒濤の18世紀フランスの歴史が好き
☆ギロチンがうまれる前の処刑をかいまみたい
☆ショッキングな描写も耐性あり
☆美麗な画を堪能したい

書籍概要

◆作品名  イノサン
◆著者   坂本眞一
◆出版社  集英社

18世紀、「自由と平等」を望み、現代社会の出発点となったフランス革命。 その闇に生きたもう一人の主人公シャルル-アンリ・サンソン。彼は、パリで死刑執行人を務めるサンソン家四代目の当主。 その過酷な運命に気高く立ち向かった“純真”を描く、歴史大河の開幕──!!

Amazon『イノサン 1』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『イノサン』
フランス語のInnocentのことで、意味は無垢。
無垢とは潔白で純真なこと。

主人公はフランス革命を生きたサンソン家のシャルルです。
この作品では艶やかで生命力の溢れる黒髪に、女性のような細身ですらっとした姿です。
なにより、泣き顔が似合います。
美形ですが、とにかく叫んだり泣いたり、うじうじしています。
いや、自分の存在に懊悩しているんです。毎日毎日。

サンソン家は、由緒正しい処刑執行人の一族です。
処刑執行人の仕事を代々、受け継いでいきます。
当時の処刑は、絞首刑、斬首形、車裂きの刑などがあり、その執行をサンソン家が行っていました。

処刑が娯楽とされていたところもあり、広場などに設けられた執行場で見物人が集まります。
執行人はその腕がためされています。
一刀で首を刎ねれば拍手喝采、し損じれば野次や罵声がとびます。
本当にこの時代に生まれてなくてよかった…平和な娯楽がたくさんありますもの…

サンソン家は由緒正しいといいましたが、人々からはその職業故に忌み嫌われていました。
仕事とはいえ、人を殺して生活をしているんだと。
シャルルも小さい頃から差別的な扱いを受けてきました。
死刑という制度そのものに疑問を持ち、家を捨てて教会に入ろうともします。
しかし、厳しい父と祖母の激しめな教育で、四代目を継ぐことになります。

執行から逃げられないのであれば、出来るだけ罪人には苦しみを与えないように。
その気持ちから、どんどん処刑のスキルをあげていきます。
そして思い至ります。執行人のスキルや調子にかかわらず、多くの処刑をこなせる器具を開発することを…
そう、断頭台【ギロチン】です。

フランス革命、断頭台といえば、あの王妃が脳内に出てきませんか。
『イノサン』ではアントワネットがフランスに嫁いできて、段々と社交界に馴染んでいくまでが描かれています。
もちろん夫であるルイ十六世も登場し、シャルルとの出会い、友情もあります。
続編『イノサン Rougeルージュ』ではどのようにあの断頭台が描かれるのでしょうか。(この記事をこさえている時点で、ぶちお未読です)

シャルルの妹、マリーも重要人物です。
当時の女性の地位は、それはまぁ低いもので…
男がいて女は輝ける、女は男の付属品、子どもを生むための存在、的な時代です。

マリーはサンソン家の娘ですが、家督を継ぐのは男性のみです。
女であれば、結婚して世継ぎを生むことが仕事です。
処刑人としてのスキルを教えられるのも男児のみ、
マリーは父や兄達の話をそっと聞きながら、独学で動物の解剖をしていました。

いつも泣きながら処刑場に立つシャルルより、ためらいなく剣をふって血にも怯まないマリーの方が処刑人は天職ですが、
時代的にそれは許されないんです。
結婚する相手も、親兄弟に決められて強制トツギーノです。辛すぎる…

既存の概念に囚われず、自由に好きなことをしていける時代を拓いていけるのか。
最終9巻で、マリーの初恋、結婚について描かれています。
マリーの物語も続編で楽しもうと思います!

処刑台の上で行われていたであろう罪人と処刑人の会話、
シャルルの計らいで処刑をすることが出来ていたマリーに対しての酷い仕打ち、
フランスに思いを馳せながら、是非!

ちょろっと最後に、言いたいことです。
何より、坂本先生の画のうまさにぶっ倒れます。
コマごとに美術館に展示されていてもおかしくないハイレベルでびびります。
人物の表情だけでなく、衣装、背景、小物までどれも完璧でぶちおの目はバグりかけました。

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こんな作品もおすすめ

『イノサン』を読んで、ぶちおなりに選書してみました。

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『死刑執行人サンソン――国王ルイ十六世の首を刎ねた男』
『イノサン』はこちらの本からの出典となっています。
ジョジョの作者、荒木先生のイラストが表紙なのでジョジョファンも垂涎です。

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『傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン』
『イノサン』でもちらっと登場する、モード界の寵児となるベルタンが主人公の漫画です。
主人公の視点が変わると、また違った歴史の楽しみ方が出来るのでおすすめです。

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『ベルサイユのばら』
実は『イノサン』にもアンドレという名の青年が登場します。
そして女性でありながら男装して、アントワネットの近くにいる人物も…
『ベルばら』と『イノサン』は、両方読むのがおすすめです。

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『死刑執行』
こちらは曲です。カッコ良くて、毎回聞き惚れております。
しょうもないやつを、エクセキューションしてやんよ!とたぎる時のおともに。

まとめ

『イノサン』
幼少期から教え込まれた価値観。
何より「自由と平等」を求めていた時代。

シャルルは罪人を処刑していくことで、自分が叶えたい夢を願い続けます。
妹のマリーは、左胸に刻まれた紋章とともに、なりたい自分を貫き続けます。

壮大な歴史浪漫、堪能しましょう!

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