ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!
今回は『レモンと殺人鬼』
文庫ランキングでも話題の作品です。
ぶちおはランキング急上昇というワードと、とんでもないどんでん返しの連続というキャッチコピーに惹かれて読了しました。
レモンの香りを想像しながら、読みましょう。
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こんな人にオススメ
☆やっぱり推理は裏切られたい
☆悲しい過去をもつ主人公を応援したい
☆そういう星の下に生まれた、はあると思う
☆やばい奴のオンパレードがいい
書籍概要
◆作品名 レモンと殺人鬼
◆著者 くわがきあゆ
◆出版社 宝島者
第21回 『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作!
Amazon『レモンと殺人鬼』作品内容より
十年前、洋食屋を営んでいた父親が通り魔に殺されて以来、母親も失踪、それぞれ別の親戚に引き取られ、不遇をかこつ日々を送っていた小林姉妹。
しかし、妹の妃奈が遺体で発見されたことから、運命の輪は再び回りだす。
被害者であるはずの妃奈に、生前保険金殺人を行なっていたのではないかという疑惑がかけられるなか、
妹の潔白を信じる姉の美桜は、その疑いを晴らすべく行動を開始する。
ぶちおの読書感想文
『レモンと殺人鬼』
自分の見た目にコンプレックスを持つ主人公、小林美桜。
コロナ禍の時勢もあいまって、マスクで自信のない歯並びを隠せていることに安心しています。
ちょっと親近感、顔を見られたくないなと思う人にマスクは素敵アイテムだもの。
美桜は十年前に父親が通り魔的犯行で殺害されて以降、暗い人生を歩いています。
稼ぎ頭を失い、母はメンタルが壊れ失踪、残されたのは美桜と妹の妃奈。
それぞれ別の親族に引き取られ、離ればなれの土地で暮らしていました。
社会人になり、美桜は派遣社員。妃奈は保険外交員として働いています。
居心地の悪い親戚の家から出て、それぞれ一人暮らしをしています。
たまに駅前のファミレスで集まって、互いの不遇さを話し合う姉妹。
妹の妃奈が、何者かによって殺害されます。
全身を何カ所も刺され、怨恨とみて捜査がされながらも手がかりはなし。
それどころか生前に妃奈が、恋人に保険金をかけて殺害したという噂が広がります。
被害者遺族なのに、新たな傷を作られえぐられ続ける美桜は、妃奈を殺した犯人を見つけようと決意します。
報道されているようなことが本当にあったのか、知ろうと。
美桜の日常の暗さ、というのがなんとも切ないです。
父を殺されてから一家離散状態になり、とにかく生きるために少しでも稼がないといけない。
でも高給の仕事には就けず、縛りの多い派遣社員として大学構内の事務として働いています。
ランチもぼっちです。
煩わしい人間関係から、というよりはコンプレックスの口元を見られたくないからぼっち飯です。
人の来ない、レモンの木が生えた庭で、いつもひっそりごはんを食べます。
こういうのが自分の人生、と受け入れている美桜ですが妹の死をきっかけに変わっていきます。
美桜の本音を知った時、まぁまぁびっくりします。
本作では、登場人物のやばみがエグいです。
あれ、この人本当はいい人だったのかも?と思うと、すぱんと裏切られたりしますw
人は多面性があるとはいえ、こんなにギャップ凄いんか!どんな思想やねんというぶっとび方が凄いです。
美桜が小さい頃についての描写も、漏らさず推理しましょう。
子どもの視点、子どもの感性、伏線があることでしょう!
難解なトリックを暴くのではなく、ヒューマンドラマ。
こういう人っているけど、なんでなんだろう。
子どもの頃、兄弟姉妹でも不公平に感じていたことって、なんでだろう。
ぶちおは妹がいるので、美桜の感覚はなんとなく分かります。
妹といえど大人になったら全部把握していないし、どんなことを思っているのか分からないし。
誕生日プレゼントも妹の方が豪華だった気がするし、テストの点も自分の方が上だったけど妹の方が褒められてたような。
そんなことないよ、と他人からは思うようなことでも、後々影響を与えていることは多いです。
報道されているような妃奈の人物像は、美桜が知っている妃奈ではない。
どうして殺されたのか、誰に殺されたのか。
父を殺害した犯人は、すでに出所したらしい。でも所在不明。
もしかしたらその犯人が、再び凶刃を美桜一家に向けているのか。
父の犯行は通り魔的犯行だと供述していた、ならどうして美桜一家に執着する必要があるのか。
美桜が真相に気付くラストまで、とにかくどんどん状況が変わります。
モノマネ大会で、何回もご本人登場するような、いや全然たとえがうまくないw
やばい奴らのオンパレードをご堪能あれ!!
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まとめ
『レモンと殺人鬼』
父親が残していった呪縛、母親が放棄した絆、
妹と生産性のない互いの近況報告。
美桜の協力者たちの、行動と発言をしっかり観察しましょう。
やばみのある人間は、ちょっとした行為にもやばみを隠しきれないものですから…
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