ぶちおです。
今回は『をんごく』をご紹介しようと思います。
第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!ということで、お墨付きまくりです。
発表された当時から読みたい!と思っていて、はや数年…
文庫版も発売されたので、ぐっと読みやすくなりましたとも!
格好良さと、切なさと、ラストはほんわかみがあります。
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こんな人にオススメ
☆後悔した別れがある
☆異能のっぺらぼうの正体が気になる
☆方言の響きにまったりしたい
☆人と人外の絆を信じたい
書籍概要
◆作品名 をんごく
◆著者 北沢 陶
◆出版社 KADOKAWA
大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻倭子の死を受け入れられずにいた。
未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。
巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。
家に、死んだはずの妻がいる。
この世に留めるのは、未練か、呪いか。
ぶちおの読書感想文
『をんごく』
短めにスッキリと、それでいて色々な要素がみっちみちで。
読了後は充実感がありました~
『をんごく』には遠い国という意味が。
遠い国、死者たちのいる国か。
そしてもう一つ、行列という意味も。
この『をんごく』の意味がバチッとハマった時に感動しました。
そういうことだったんか~と。
主人公は妻を亡くした愛妻家の壮一郎。
壮一郎は家業を継がず、地元を離れて妻と女中と東京で暮らしていました。
しかし震災被害に遭ったことを機に地元に帰ることに。
その震災で妻は致命傷を負ってしまっていたのですが、混乱の中で十分な対応が出来ないまま…
妻は亡くなり、壮一郎は悲嘆にくれます。
会えるなら、何をしてももう一度会いたい。
壮一郎のこの想いが、妻をあの世から呼び戻してしまったのか。
いないはずの妻の気配を感じる。
いや、声も聞こえるし、手の感触すら感じる。
その姿は見ていないですが、妻はこの家に戻ってきているのだろう。
死者との再会が、うまくいくことはあまりない…
太古の時代から、死者に会いにいくととんでもないことになりますから。
どれだけ悲しくても、生者と死者が関わってはいけないということは絶対。
と、脳ではわかっていても感情ではね~
ちょっとでもいいから会いたい、という気持ちは分かるもの。
でも死者になった時点で、もう生きていた頃とは別の存在になっている…
壮一郎の葛藤!
妻が生前から願っていたことであったり、壮一郎を襲う怪異の原因であったり。
色々と謎な部分も深まっていきます。
壮一郎とバディを組むエリマキという不思議な存在も。
壮一郎にはエリマキの顔が判別不可能。
いわゆるのっぺらぼう状態。
他の人は一応エリマキの顔は認識できますが、それは仮の顔。
恋人であったり、家族であったり、見る人によってエリマキの顔は変わります。
エリマキの主食は霊。
すでに自分は死んでしまっているのに、生きているものと思ってふるまう霊専門に食べています。
食べ方もちょこっと特殊。
どうやら1000年以上生きているらしい。
とかくエリマキ自身、謎みっちみちの存在ですが、壮一郎と段々絆深まっていくのがアツイ。
もちろん最初は衝突。
壮一郎が死んだ妻に会いたい。
エリマキは壮一郎の妻を食べたい。
でも段々とお互いの考えを理解していき、ラストバトル時はなんかこうとにかくカッコ良かったぞ!
全体をとりまく大阪弁の響きもよきでした。
のんびりというか、ふんわりというか。
壮一郎の人の良さが出ていて。
何より、死んだことに気付いていない霊という存在はなんだろうと。
生きていた時の記憶のままで止まっているので、生前の動きを繰り返すだけ。
生者の世界の変化には気付かない。
例え家や物が無くなっても、ずっとその場所で今まで通りの暮らしを続ける。
確かに、地縛霊ってそういうことだもんな、と。
そんな状態であれば、やっぱりいるべき場所に返してあげるのがいいんじゃないか。
壮一郎とエリマキ、それぞれが選んだ道を応援したい!
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