ぶちおの本棚

『ファイナルガール』他人事のようで、自分にもあったような感触。どうしても辿ってしまう選択の先には。

ぶちおです。

今回は『ファイナルガール』をご紹介しようと思います。
奇怪味が強くて、使ったことがない部分の脳を使いました。
ん、どういうこと?そういうこと?え、違う??を繰り返していくことで、新たなシナプスが繋がりそうです。

何に一番重きをおくかは、人によって全然違うんだ。

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こんな人にオススメ

☆新しい視点をゲットしたい
☆不思議なことが好き
☆ダーク部分も欲しい
☆じんわり来る恐怖もいい

書籍概要

◆作品名 ファイナルガール
◆著者  藤野 可織
◆出版社 KADOKAWA

私のストーカーは、いつも言いたいことを言って電話を切る(「去勢」)。リサは、連続殺人鬼に襲われ生き残るというイメージから離れられなくなる(「ファイナルガール」)。戦慄の7作を収録した短篇集。

ぶちおの読書感想文

『ファイナルガール』
物語の中とはわかっていても、ちょっと風変わりな展開に戸惑いまくりますw
誰が普通なんだっけ?普通って何だっけ??と価値観ぐらぐら。

本作には7偏が収録されています。
どれも違う味で揺さぶってくれました。

「大自然」
作られた大自然で、少年少女が感じていること。
妹の子どもっぽいところをわかった上でからかう姉。

夜に抜け出して、キスをした時に思った感想。
そういう感想もあるか~とw
あんまり深く考えていないタイミングだと、マジ率直な感想しかでないか。
本当にファーストキスは甘酸っぱいのか?
後から思い出上書きしてないかと、疑いたくなるぜ。

「去勢」
電話で言いたいことだけを伝えるストーカー。
むしろストーカーからの忠告が役立つこともある。
自分の行動が監視されているのは間違いないけど、主人公はストーカーをそのままにします。
親にも警察にも告げず、電話がかかってきたら聞く。
会話はしません。
ただストーカーが言いたいことを聞くだけ。

ストーカーよりも、主人公の目的が一番謎…
命の恐怖とかあるでしょう!
襲われたとかの実害はまだ出ていなくても怖いという感情があるでしょう!
ストーカーの心理状態もばっちり把握して、現実の生活は普通に続けて。
どんな根比べやねん。

「プレゼント」
母親のためにプレゼントを吟味する少女。
家庭教師の彼氏とともに、町でプレゼントを買いに出かけましたが。
キスをしただけで彼氏に虫歯があるとわかった少女。
流れでそのまま歯医者に行くことに。

最後に少女が欲しかったプレゼントがわかるのですが、普通は選択肢にも入らないものです。
彼氏視点で進むのですが、ちょっと少女の不思議さが際だっていきます。
ちょっと子どもみたいなところあるから、と思って進むのですがちょっと変なとこに執着あるんかなと。
思い出が詰まった唯一無二の最高のプレゼントを手に入れた少女は嬉しそう。
もらった人が嬉しくて、あげた方も嬉しいなら、いいこと?

「ファイナルガール」
リサは幼い頃に母を失った。
母はリサを隠して、殺人鬼から守ったけれど死んでしまった。
リサは唯一、この殺人鬼から逃れることができた。
時を経て、また新たな殺人鬼に狙われたけれどリサは生き残った。
また時が経ち、リサは老人養護施設に入るくらいになっていた。
ここでもリサは、唯一の生存者となるために、立ち上がる。

たくさんのサバイブ作品をみてきましたが、人生そのものがサバイバルの連続となる主人公。
そういう星の下なのかもしれないですが、嫌すぎる!
一生のうちに、たった1回でも命の危険にさらされたくないのが普通でしょう。
でもリサは、すんなり受け入れて、しっかり生存しています。
近くにいた他の人は全滅なのに、です。
こわすぎる、ここまでくると。
リサの強メンタルが。

人によって気にするポイントは違う。
距離感も価値観ももちろん違うのですが、ある程度の閾値はあると思います。
その値がちょっくらおかしい。
どういう選択をしてきたら、その道が出るんだと。

いや、こういう道を作って進んでいくのも、アリなのかな。

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