ぶちおの本棚

『看守の流儀』厳しい規律がある中でも起こってしまう事件。不思議な雰囲気をまとう看守が道を示す。

2023年11月10日

ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!

今回は『看守の流儀』
服役している受刑者たち、彼らを監視している看守たち、何か起こしそうな雰囲気むんむんです。
そして厳しいながら、不思議な雰囲気をかもす1人の看守…火石司。

塀の中が気になるぶちおは即ポチでした。

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こんな人にオススメ

☆看守目線のミステリに興味がある
☆専門用語とかドキドキする
☆伏線回収して真相を暴きたい
☆ちょっと、ホロリときたい

書籍概要

◆作品名  看守の流儀
◆著者   城山真一
◆出版社  宝島社

「いやぁ、これは久しぶりのドストライクだった」――横山秀夫
「読んで損することは絶対にない。必読である」――池上冬樹(解説より)

刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。
石川県の加賀刑務所を舞台に、刑務官と受刑者たちの織り成す五つの事件。
仮出所した模範囚の失踪(「ヨンピン」)、暴力団から足を洗う“Gとれ”中に起きた入試問題流出事件(「Gとれ」)、受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムの消失(「レッドゾーン」)など、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリー。

Amazon『看守の流儀』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『看守の流儀』
書誌概要の冒頭で、横山秀夫先生が賞賛していたらそれはもうゲットでしょう。

物語の舞台は加賀刑務所です。
受刑者数はおよそ500人、刑務官は130人。
どれくらいの規模感が想像します。
ぶちおが通っていた学校よりも収容人数は多いのか。てか倍の人数か。
テレビで見る刑務所は四角い建物と、運動場があるイメージなので学校に雰囲気近いなと。
もちろん学校と違って24時間監視体制がしかれて、厳しいルールのもとで暮らしています。

本作は5つの物語で構成されています。
それぞれの物語でフォーカスされる人物が変わります。
中堅刑務官の時もあれば、若手刑務官の時もあります。
問題が起きた時のお偉方の事なかれ主義とか、刑務官の葛藤などがドラマチックです。

そして物語を横断して登場するのが火石司刑務官。
ちょこっと現われては、気になるワードを残してふっと消えるような。
悩んでいる人の近くに気付くといるような人物です。
他の刑務官達も近寄りがたく距離を置いているのですが、どうしてか目が離せない。
火石には特別に課された任務があるのですが、なかなか教えてくれません。

刑務所内での用語や、生活についても知ることが出来ます。
介護が必要な受刑者を介護する受刑者がいる。
元極道の足抜けを快く思わない受刑者達によるいじめ。
狭い空間で、上下関係もハッキリしている分人間関係も濃ゆくなるのかもしれません。

ぶちおは幼少期から塀の中のドラマとか、ドキュメンタリーとか見て育ちました。
母がそういうの大好きだったゆえ。
一緒に見ていると母は「こんな生活絶対にしたくない」と毎分言っていました。
本当、そう。
完璧なタイムスケジュールで、すべて決められている。
勝手なことをしたら罰則の対象です。
校則すらどうやってスルーしようか画策していたぶちおには耐えられない生活でしょう。
うん、絶対にお世話にならないぞ。

模範囚で、社会復帰を前向きに捉えていた受刑者の荷物に紛れていた差し出し人のない手紙。
よからぬ仲間からの連絡か、それとも。
刑期に服して全員が更生するわけではないが、まさかあの模範囚に限って…
信じたいけど、裏切られてもきた刑務官の揺れ動く心情がいいです。
《ヨンピン》

受刑者の健康診断記録が行方不明に!
公的書類扱いなので、紛失がバレたら一大事。
上層部はどう言い訳をするか頭を悩ませます。
責任者の刑務官は、行方不明になった書類を探すのですがタイムリミットが迫ってきて。
上層部の仕事は何だと言ってやりたいw慌てる上層部を見ているのは楽しいです。
《レッドゾーン》

余命宣告を受けた受刑者、受刑者の元妻と娘は身柄の引き受けを拒みます。
受刑者自身もこのまま刑務所で1人死ぬことを希望するのですが、何か秘密を抱えていそう。
担当刑務官は家族の問題に、全力で突っ込んでいきます。
グッとくるMAXです。
《ガラ受け》

常に忘れてはいけない火石の存在。
5つの物語のラスト、今までのことがすべて繋がります。

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まとめ

『看守の流儀』
高い塀の中で起こる事件。
服役後の囚人の手記に残されている刑務官の記録。

何よりラストでほっこりクライマックスです。
なんかもう、こういう雰囲気たまらんよね!
押しつけがましくない男たちの優しさがいい!!

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