ぶちおです。
絶賛上演中、劇団四季『オペラ座の怪人』東京公演を見て、以前までの舞台との違いをぶちおなりに挙げていっています。
☆一幕目の記事はこちら
あくまでぶちおの個人的感想です。
多少の記憶違いもあると思いますがご了承くださいませ。
※一部、内容を更新しました(2024/6/4)
それでは二幕のプレイリストにそってご紹介していきます!!!
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目次
アントラクト
東京公演名物の、生オーケストラをひたすらに堪能します。
オケピが覗けないので、楽器構成は分からなかったですが名曲のメドレーなのでひたすらに浸りましょう。
マスカレード
マスカレードを象徴する大階段の向きが、前回公演よりも下手に向かって正面になっています。
上の段から踊り場、下の段が『逆くの字』を形成しています。
今まで以上に、大階段の大きさを感じられると思います。
階段にいるマネキンたちの距離というか、配置場所も変更されているように見えました。
手すりぞいよりも、大胆に前に出ているマネキンがちらほら。
マネキン同士の距離感が絶妙で、役者さんも溶け込むので本当に生きているかのように見えます。
アンドレとフィルマンが、冒頭で鉢合わせるシーン。
仮面を外すタイミングが変わっています。
前回まで
ぶつかってすぐに仮面をとります。お互い顔を見合わせる時は素顔を確認します。
今回
ぶつかっても仮面は取らずに、お互い顔を見合わせます。
ガイコツの仮面を見て驚いた後に、仮面を外します。
マスカレードのサビ部分の振り付けも、変更されていたような気がします。
「歌え、踊れよ楽しく~」の、「歌え」の後の一拍で顔をあげるアクションが入っていました。
サビ部分も含めて、全体的に振り付けが多少変わっているのだと思います。
怪人が登場して、マスカレードの場が凍り付きます。
その時の怪人のセリフが変更。
「完全なスコア」から、「完璧なスコア」になっていました。
怪人がクリスティーヌを呼ぶシーンで、他のメンバーが各々「「クリスティーヌ…クリスティーヌ」」と囁きます。
本当にこのあたりは、ミステリー映画を見ているような不気味さが漂います。
怪人よ、どこまで不思議な力があるのですか!
「歌え俺のため」で、胸にさげていたネックレスを引きちぎられたクリスティーヌ。
以前はそのまま、驚いて動けない感じでした。
今回は、千切られて速攻ダッシュで上手に逃走します。(5/3大阪公演後追記)
暗転。
マダム・ジリーとラウルの会話に入ります。
演出の話ではないですが、この場面で昔は気になっていた大道具的な音が気にならなくなりましたw
2人の会話シーンで、マスカレードの大階段を片付けて次のオフィスの場面転換。
そして、役者さんも衣装を着替えます。
そんな事情が背景にあるシーン。
怪人の秘密を話される大事なシーンですが、ぶちおは転換の音が昔は気になっていました。
今回、新しい劇場の進化によって、より集中出来る環境になりました。
支配人のオフィス
冒頭から少し経過して、クリスティーヌとマダム・ジリーが舞台上に登場します。
そして青い円形のピンスポが上からあたっています。
この一連が追加された演出だと思います。
そのピンスポットの中を、クリスティーヌとマダム・ジリーはゆっくりと回っています。
まるでオルゴールの人形のように、くるくると。
そして話に入る時には、そのピンスポから抜け出して参加する形です。
マダム・ジリーは歌の途中で、元いた上手から、下手に横切っていきます。
そして、しばらくして戻ってきた時は怪人からの手紙をもってきます。
ここがとても良い変更点です!
今までよりも一層、マダム・ジリーの謎感を際立たせています。
今回の東京公演全体に言えるのですが、マダム・ジリーの怪しさが200%増量されています。
怪人側の人間なのではないか、と。
スパイ感を感じてください。
怪人の作った譜面を皆でたらい回しにするシーン。
床に落ちた譜面を、フィルマンがずかずか踏みます。
これは二階席からだったのでよく見えました。
落ちている譜面を無視してがっつり踏んでいきます。
その譜面をアンドレが、拾い上げて汚れを払います。
フィルマンは真の拝金主義者として、確立されましたw
怪人とはいえ、人の作った芸術を踏んでいく支配人フィルマンです。
アンドレとの対比が明確になりました。
クリスティーヌが取り乱して歌う歌詞は、大幅にかわっていました。
前回まで
「あちこちに引きずられて命さえ危なくなる。歌うことを教えられてその挙げ句が生け贄に。執念深く追いかけてきて逃げることも出来ない。」
今回 (かなりおぼろげで、途中すっぽり抜けています)
「音楽を与えてくれたあの人を裏切れるの。~~執念深い人殺し、逃げることも出来ない。」
ハッキリしているのは、クリスティーヌがかなり強い口調で怪人を糾弾していることでしょうか。
取り乱しながら、その場を去って行くクリスティーヌのセリフも変更。
前回まで
「いや」
今回
「出来ないわ」
支配人のオフィスのシーンラストの、ラウルからの宣戦布告のセリフも変更されていました。
前回まで
「今度泣きを見るのはおまえの方だ」
今回
「今度災いが襲いかかるのは、おまえの方だ」
場面はかわって歌の稽古シーン。
前回まで
譜面を持参していたクリスティーヌ。
今回
クリスティ-ヌは手ぶらで来て、メグ・ジリーから譜面を受けとります。
この効果で、クリスティーヌは一目見て怪人の譜面を歌いこなす才女感が出ます。
ピアンジは何度歌っても音を外すのに、です。
怪人の歌の稽古のたまものですね。
そしてカルロッタの失言のシーンも少し変更されていました。
今までは、マダム・ジリーとカルロッタ、交互に話していっていました。
今回は、カルロッタのセリフに喰い気味でマダム・ジリーが問いかけます。
前回まで
カルロッタ「作曲家はここにはいないわ。」
マダム・ジリー「そうでしょうか、シニョーラ」
しばしの間があって。
カルロッタ「いてももちろん言えるわよ!」
みんなでざわざわ。
今回
カルロッタ「作曲家はここにはいないわ。いてももちろん…」
マダム・ジリー「(かぶせ気味に)そうでしょうか、シニョーラ」
……みんな、緊張。そして、レイエがとりもって稽古に戻る。といった感じです。
ここでも前の場面に引き続いて、マダム・ジリーは怪人側の人間説が濃厚に見えると思います。
墓場にて
以前までもありましたが、新しい機材効果でしょうか。
お墓が登場するまでのシーンでの霧、かすみがかっている感じがわかりやすくなっています。
背景の幕に、白い流れる影がもわわ~と。
歌詞の変更は下記です、順序が入れ替わっています。
前回まで
「いつも温かく、優しかったあなた。今は冷たくてお墓の中」
今回
「今は冷たくてお墓の中。いつも温かく優しかったのに」
前々回あたりからの、ラウルを交えた三重唱は素晴らしいです。
三角関係が強調されて、素敵なメロディーです。
ラウルが、怪人とクリスティーヌの関係を目の当たりにした時の表情は必見です。
逃げたクリスティ-ヌとラウルに対しての怪人の宣戦布告。
今回から、ドクロ杖の攻撃あわせの花火ではなくなっていました。
怪人の怒声にあわせた演出になっています。
ドン・ファンの勝利
怪人のオペラ開演前のシーン。
今回はオケピはありますが、怪人に銃撃を命じられる警官はオケピではなく舞台下手にて待機します。
そして、もう1人の警官の装備が変更されています。
その警官とは、支配人たちのボックス席に配置されている警官です。
なんと、銃を所持しています。
以前までは手ぶらというか、銃をもってることは確認出来なかったです。
ですが今回は、怪人のあおりに対して銃で対抗しようとします。
全体的に警察も本気だぞ感が伝わってきますね。
怪人が作ったオペラが開幕します。
パッサリーノのお着替えまわりが変更点です。
前回まで
帽子の上にドン・ファンの帽子を乗せていました。
今回
自分の帽子をとってテーブルの上に。その後ドン・ファンの帽子をかぶります。
ドン・ファンのマントは、前と比較すると羽織る程度です。
アミンタ役のクリスティーヌが登場して、長椅子に腰掛けるのですがここもちょっと変更。
前回まで
肩にかけていたストールを、長椅子の上にしいてから着席。
今回
ストールはぽいっとテーブルの上において、そのまま着席。
アミンタは娼婦なので、そもそもご丁寧にストールを椅子の上において座るというのが違和感ですかね。
昔はそのまま椅子に座るのではなく、ハンカチとか敷いて座ってたりするのを映画とかで見たことがあります。
令嬢のイメージですよね。
アミンタはどっかりと座るほうがしっくりきます。
この後のナンバーでも、清純とは離れたイメージです。
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ザ・ポイント・オブ・ノーリターン
このシーンのクリスティーヌは扇情的です。
まさに25周年のアルバートホールでのシエラそのものといいますか。
ソロパートはスカートの裾をつかんで、ふってみたり。
テーブルの端に座ってみたり。
熱っぽい視線でドン・ファンを煽ります。
ベールで顔は見えませんが、ドン・ファンの動揺がうかがえます。
怪人の愛の告白シーンは、歌詞が多少変更されています。
前回まで
「言って欲しい、僕を求め」
今回
「言って欲しい、僕がいると」
第一幕の、『オール・アイ・アスク・オブ・ユー』のラウルの歌詞そのままになっていました。
これは切ない!
クリスティーヌとラウルのデュエットをそのまま歌って告白していると思うと泣きました。
警官たちが発砲しようとするラウルの制止も熱いです。
クリスティーヌに銃弾が当たることを危惧して、警官と悶着します。
地下の迷路
場面転換して、舞台裏になります。
その際、今までなかった荷物を搬入している人がいます。
ピアンジの亡骸ではなく、大きな荷物を搬入している人が…
そして今までよりも、多くの舞台関係者が大騒ぎしていました。
気のせいかな、とも思いますがザワザワしていた感じが増量されていました。
マダム・ジリー、ラウル、メグ・ジリーの3人が怪人を追う相談をしているシーンにて。
マダム・ジリーが怪人の隠れ家への行き方を説明しますが、そこでラウルの手を引いていきます。
前回まであったかなぁ~とおぼろげではあります。
このシーンでのラウルのセリフ「あなたを信用していいか」というのが効いてきます。
マダム・ジリーの怪しさが今までよりパワーアップしていたので、ぶちおも同感です。
マダム・ジリーを信用してもいいか。
マダム・ジリーは「もちろん、片手を目の高さにあげておきなさい」と助言してくれます。
ラウルと手を繋いで走っていく姿を見て、ここに来てマダム・ジリーは信用出来る!と思いながら見ていました。
ボートを漕ぐ怪人のシーン。
クリスティーヌに問いかけるセリフも変更されています。
本当に心から問いかけるように、「クリスティーヌ、何故、何故だ」と言いながらボートは進みます。
セリフというか、「本当に教えてくれよ!」というような描写に見えました。
もう完全に涙で見えない部分多数です。
怪人の隠れ家
ラストまでのシーンは、クリスティーヌが怪人に対して怒っているなぁ~と感じます。
今までのクリスティーヌとは、やっぱり違うぞ!という感じです。
クリスティーヌの印象をここで比較してみようと思います。
◆前回までの印象
儚い、おぼろげ、夢見がち、優柔不断、少女
◆今回の印象
強い、負けない、大人、しっかり、はっきり
こんな感じです。
まさに現代の女性ではないでしょうかw
ダメなことはダメ!自分の気持ちはちゃんと意思表示する!という女性に見えました。
もちろん最初から大人女子という訳ではないです。
ちょっとずつ成長していって、最後、集大成がこの場面に集約されています。
身勝手な事をしてきた怪人をたしなめるような、強い瞳です。
場面の話に戻ります。
ちょっと変わった部分は、怪人が玉座に置いている人形を投げ飛ばすシーンです。
前回まで
下手に向かってなるだけ遠くに飛ばしている印象でした。
綺麗な放物線を描くように、壊れた人形が飛んでいきます。
今回
垂直に近い角度で床にたたきつけます。
その為、凄い音がしますw
ラウルの乱入で激おこファントム!みたいな感じです。
怪人がロープを用意するタイミングも少し変わっています。
前回まで
あ、なんか椅子の後ろに回って、何か手にもってるなぁと理解する時間がありました。
今回
するっといつのまにかロープ用意しました!せい!(首にロープを回す)の流れるような動きです。
今回は、初見の人には本当に気づかない位のスキルで怪人はラウルを仕留めにかかります。
ラウルを吊った後はもう完全にクリスティーヌ怒ります。
「悲しみの涙、今。憎しみに変わる」
このセリフとともに、音楽も盛り上がります。
怪人のセリフ「もはや引けないぞ」で、怪人がオルガンを弾きますが少し変更。
前回まで
「引けないぞ」の全部分を弾いていました。
今回
「ぞ」の部分だけオルガンを弾きます。
「ぞ」だけが、おどろおどろしくオルガンが響き渡ります。
玉座に戻った怪人に、クリスティーヌが歩みよるシーン。
前回まで
手を祈りの形に組んで、怪人の前で膝をついて腰を落とします。《哀願》をしていたクリスティーヌです。
今回
手も組まず、《哀願》はしません。ただ怪人の前でななめ座りをします。
ここにも、か弱いクリスティーヌという印象はないです。
怪人がオルガンにある蝋燭を手にとって、クリスティーヌを振り返ります。
そこで、クリスティ-ヌは少しだけ動きます。
怪人が許してくれるのか、まだ分からない。
何かあったら、自分が出るぞ!という意気込みすら感じる程です。
クリスティーヌとラウルを解放して、怪人が出て行くように促します。
今回はここでクリスティーヌは佇みます。
ラウルに促され、怪人に追い立てられるまでその場を動きません。
1人になった怪人。そこにクリスティーヌが戻ってきます。
「クリスティーヌ、アイラブユー」
怪人の切ない歌声ですが、最後まで聞かないようにしてクリスティーヌは戻ってしまいます。
数秒もないですが、そこ最後まで聞かないで余韻もない状態がまた泣けます。
ボートに乗って去っていくクリスティーヌとラウル。
ベールを拾い上げた怪人は、その姿をじっと見つめます。
もう涙腺は決壊です。
格子を伝って、追っ手が続々やってきます。
ここも新劇場の進化で、格子のギシギシ音がなくなっています!
ほぼ無音というか、照明があたって初めて追っ手の存在に気づきました。
2024年横浜公演から、怪人とクリスティーヌのキスの後、ラウルが怪人に対して唸るような演出がはいっています。
怪人がキスの反芻をしているような様子を見て、苛つくラウル!のような感じ。
ラウルに対して怪人も敵意を見せます。
このシーンの表現の仕方は、キャストさんによってだいぶ違う印象です。
まとめ
第二幕では、クリスティーヌのしっかりした面を見られます。
怪人の人間味というか、弱い部分も垣間見ることが出来ます。
全体を通して、より動きが大きく、感情も大きく表現されていると思います。
演じる役者さんによって、機微は違いますのでそれを見つけていくのも醍醐味です。
アドリブもあると思いますし、本当に生で一度きりだからこそです!
そして新劇場の進化はやっぱり凄いです。
今まで以上の没入感を体験出来ると思います。
生オーケストラも重要なポイントです。
録音ではないから、こちらも一度限りの音楽です。
やはり生ならではの一体感がたまりません!
毎公演、アップデートされていっているのも感じます。
25周年記念公演の演出にだいぶ近くなっているので、ご存じない方はこちらの円盤が参考になります。
ぶちおもラミンのファントムには、滝のような涙を流しました。
オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン [Blu-ray] 新品価格 |
こちらの動画もご紹介します。
俳優さん、スタッフさんの心遣い!
動画内で、ぶちおが感じた印象の変化についての答えもありましたw
何度も見にいこうと思います!
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