ぶちおです。
今回は『密室殺人ゲーム王手飛車取り』をご紹介しようと思います。
発売当時に読んで、びびった記憶があります。
読了後14年が経っても鮮明に覚えている驚きのトリック。
シリーズ3作読破を目指して、電子版で買い直しました。
ただただ、自慢のトリックを褒めてほしいいきすぎた人々…
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こんな人にオススメ
☆オンラインでわいわいするのが好き
☆同じ志の集まりっていいね
☆努力は惜しまない
☆もちろん謎を解く熱意を忘れない
書籍概要
◆作品名 密室殺人ゲーム王手飛車取り
◆著者 歌野晶午
◆出版社 講談社
“頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである…。リアル殺人ゲームの行き着く先は!? 歌野本格の粋を心して堪能せよ。
ぶちおの読書感想文
『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
底本が2010年、懐かしい作品です。
当時はとにかくミステリ小説を読破するんや!と謎にやっきになっていました。
書店員の先輩方が読書家で、おすすめされた作品を読み耽っていた思い出。
本作も、歌野晶午ファンの先輩に教えてもらって手に取りました。
読み返すとネットやガジェットがまだまだ進化前だったんだなと思います。
10年一昔とは、うまく言ったもんやで!
作中に登場するネット関係のワードも、丁寧に説明がされています。
仕事もゲームも、すべてがオンラインでやれる現在の視点から見るとちょっと面白いw
今はオンラインMTGも普通だし、BluetoothもPC内臓のカメラも説明するまでもないくらい。
でも2010年当時は、浸透しきっていなかったんだろうなと思います。
懐かしの作品を見ると、こういうタイムスリップ感が楽しめてよきです。
そんな文化あったんだとか、この文明なかったんだとか。
そう!書籍のいいところじゃよ!
当時の様子を当時の書き方で残されているのがいいのじゃ!
今だとコンプラ違反になるから差し替えるとか、しないで欲しい。
数十年後には、今の価値観とはまた変わっている可能性あるんだからなぁ!と。
おかしな文化は改めてもいいと思っていますが、書籍はそのままにして欲しい派。
さて、本作は5人がオンラインで集まり、お互いに謎を出し合って解き合うというもの。
この部分だけ見ると、仲良しのネット友達の集いですが、出題するのは出題者が実際に起こした事件。
殺人でも誘拐でも泥棒でも、犯罪の種類は問いません。
実際に事件を起こす。その事件に潜む謎を問題として提出します。
アリバイトリック、密室トリック、暗号解読など、謎の種類も問いません。
解答者達は事件概要をネット検索したり自分で現地に赴いて調査したり、出題者からのヒントなどを頼りにして答えを提示。
解答があっていれば解答者の勝利。
不正解ならば出題者の勝利。
そんなリアル殺人ゲームを、5人は続けています。
小説でもなく、フェイクでもなく、本当に事件を起こすからこそこのゲームには価値がある。
そもそも警察に捕まったらOUT。
警察には捕まらず、渾身のトリックを取り入れて、5人が集まった時にお披露目。
事件を検討して、あーでもないこーでもないとわいわいする。
裏切りはありえない関係性だから安心。
だってみんな犯罪者だから、誰かを告発することは自分にも矢が返ってくるから。
100%信頼できる犯罪者同士で和気藹々。
ゲーム仲間5人のキャラクターも魅力的です。
“頭狂人”はダースベイダーのマスクをつけて顔を隠しています。
殺人犯だから変な感じですが、一番普通の人の感覚に近いと思います。
冷静に、認めるところは認めるタイプ。
“044APD”はコロンボと呼ばれています。磨りガラスごしの映像のようで、姿は曖昧。
コミュ障が炸裂。会話にカットインして主張、言いたいことを言ったらさっさと退散。
ドライというか、でも5人の中では一番の切れ者。
“aXe(アクス)”はジェイソンのようなマスクをつけて、おもちゃの手斧を振り回しています。
口調は一番丁寧で、提出する謎についても色々とこだわりたい派。
ザンギャ君とは犬猿の仲。
“ザンギャ君”はその名が表わすとおり、残虐さがウリというか乱暴というか。
画面にはペットのカメを写しているので、姿については何もわからず。
口調も乱暴だし、とにかく他のプレイヤーにも噛みつきます。
“伴道全教授”は黄色いアフロヘアのかつらに、そり残し髭を模したパーティーグッズ、さらにぐるぐるビン底眼鏡をかけていて、口には含み綿。ほぼ原型がどんな人かわかりません。
教授らしさ、なのか難しい言葉を羅列するけど、推理力はそこまで高くはない。
各人は持ち回りで謎を出し合う。
次の出題者だれ?
こっちは作業がまだだから無理だな。
それなら私がやるよ、来週また集まろう。
こんなフランクな感じで、日本のどこかで事件を起こし続ける5人って。
相当やばいけど、この5人には友情じみたものもある。
互いにリスペクトはあるんだぁ~
どんな趣味であれ、仲間と認識すると結束力ってうまれるもの。
しょっちゅうケンカしたり、しょっちゅう不満を口にするけど、結局5人で集まって謎の解き合いしてるもの。
謎に納得いかないと、遠慮無く指摘する。
使い古されたトリックをベースにしたら、面白みがないと批判する。
求めるのは新しいトリック!
高め合ってる関係性という不思議。
被害者からするととんでもない話だけども。
あくまでゲームの題材にしたいだけなので、被害者と加害者にはこれといった繋がりはありません。
殺人の場合、通り魔以外の犯人はほとんど顔見知りらしいです。
殺すには、それなりの個人的な私怨が動機になりますから。
でも!この5人は違います。
自作の素敵トリックを実行するためなら、被害者へのこだわりはほぼないと。
被害者浮かばれないよ!
たまたま変ねゲームの参加者に目を付けられただけって。
怨恨の動機もなく被害者との接点も薄いせいで、警察も犯人の手がかりが掴めない。
まさかゲームのためだけに、事件を起こして楽しんでる人達がいるなんて思わないもの。
aXeが起こす連続殺人。
事件現場の写真には、不可解なものは何もないように思えるが…
次の被害者を当てることが出来るか。
ザンギャ君は被害者の頭部を切り離して、花瓶に活けてみた。
犯行現場に出入りした人は見つかっていない。
被害者の体は近くの公園に遺棄されていた。
いつ、どうやって犯行は行われたか。
5人は事件を起こし続ける。
顔も知らない、名前も知らない、お互いの素性は探らない。
このゲームが続いて、最高の脳汁ゲームを楽しめればよい。
でも、破綻は予想外のところから始まります。
読んでいて、後半からラストはびっくりしたとしか。
段々5人のノリにも慣れてきて、読みながら事件を推理して外れて。
解答を聞いて、また次の問題を解いて。
気付いたら、伏線というか、言い方の妙というか。
勝手に違った方向に解釈するようになっていたなぁ~と。
身元を隠した5人、オンライン。
この設定がここまで効いてくるとは…くぅ。
印象深すぎて、忘れられない結末。
最後にメンバーはオフ会的なものを開いています。
お、やっぱりなんだかんだで実際に会って謎解きをするのかなと思っていたら…
物語の最後には、To Be Continued
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まとめ
『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
フィクションじゃないから、推理にも本気になれる。
いいトリックを思いついたら実行して、仲間とわいわい品評しあう。
終わってる倫理観だけど、オンライン上のやりとりは楽しそう。
破滅を迎えないわけがなかった、究極のゲームは2作目へ続く。
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