ぶちおです。
今回は『爆弾』をご紹介しようと思います。
書籍は前に購入していたのですが、積ん読状態でした。
予告編が公開されて、わくわくが高まっていますが映画公開は2025年10月31日。
映画予告を見たら読みたい欲がことさら高まって、いっきに読了。
佐藤二朗さんがハマり役すぎるw
読みながら、タゴサクのビジョンはもう佐藤二朗さんでしかなかったw
捉えどころのないスズキタゴサクという男は、本当に爆弾犯なのか。
![]() |
新品価格 |

こんな人にオススメ
☆手に汗握る緊張感が欲しい
☆爆弾テロに屈しない
☆警察のパッションを信じたい
☆最凶なタゴサクと一騎打ちしたい
書籍概要
◆作品名 爆弾
◆著者 呉勝浩
◆出版社 講談社
東京中に爆弾。怪物級ミステリ-!
自称・スズキタゴサク。
取調室に捕らわれた冴えない男が、
突如「十時に爆発があります」と予言した。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。
爆破は三度、続くと言う。
ただの“霊感”だと嘯くタゴサクに、
警視庁特殊犯係の類家は情報を引き出すべく知能戦を挑む。
炎上する東京。拡散する悪意を前に、正義は守れるか。
ぶちおの読書感想文
『爆弾』
なんだかんだで平和な日本。
凶悪事件は増えていますが、連続爆破事件なんて想像もつかない。
でも、爆弾は素人だって作れちゃうご時世です。
いつ何時、爆弾犯に狙われるかわからない…
爆破を予告する謎の男、スズキタゴサク。
タゴサクと対峙する警察の切れ者、類家。
爆破に関するヒントを小出しにしてくるタゴサク。
爆弾のこと知ってるなら、それはもう犯人じゃろ!と思うのですが、タゴサクは霊感で爆破を予知していると言います。
しかも記憶喪失にもなっていて、自分の身元を証明するものも何も持っていない。
でも名前は覚えている。
スズキタゴサクです。
取り調べにあたった刑事も、偽名だろうと詰めるのですがタゴサクは白々しく否定。
次々に起こる爆破事件を止めるため、警察の総力でもってタゴサクの尋問に当たります。
このスズキタゴサク、話す内容も表情も、なんかイライラっとさせてくれます。
徹底的に自分については卑下する、対比して相手を持ち上げる。
ー私なんて何の意味もない。
まっとうな仕事にもついていないはずです。
ーそれに引き換え、刑事さんは立派です。
心にもないようなおだての言葉とか、あと卑屈っぽさがチリチリするぜ!
そんなことより爆弾のありかを洗いざらい教えろや!となるのですが、その時は決まって霊感が下りてきていないからわからない。
多分、そのあたりで爆破は起こるのではないですか?とぽやぽや解答をぼやかします。
一見ダメダメそうな男に見えるけど、実際は頭の回転も速いし、相手が嫌がるところを突くのも上手い。
警察サイドも気付けばタゴサクの罠にがっしゃんがっしゃんハメられて煮え湯を飲む。
このままではタゴサクの思惑通りになってしまう、というところで切れ者の類家がタゴサクと対峙します。
タゴサクも類家も、どちらも怪物。
爆弾魔の対応はむずい。
怨恨が動機なら被害者を絞り込めるし、対策も可能。
でも無差別的な爆弾となると、もう日本中が人質といっても過言ではない!
タゴサクが霊感でわかる爆弾も、最初は軽い被害状況でしたが、ついには死傷者が出る自体に。
警察としては即刻タゴサクを吐かせたい。
脅しつけてもまるで効果なし。
とにかくタゴサクの一挙手一投足に気を使って爆弾の位置を特定するしかない。
タゴサクは会話の中で命は平等じゃない、命に順位付けをしていると話します。
世の中の綺麗ごとを、ズバッと切り捨てる。
日本人と外国人が溺れているとして、一人しか助けられない時は日本人を助けるでしょう。
まだ会話が出来る方がいいですもの。
知らない人と知人、どちらかしか助けられない時は知人を選ぶでしょう。
結局、命にもその人その人の順番がある。
爆弾がどこかで爆発したっていいでしょう。
世界ではそういう状況が起こっている地域だってあるんだし。
タゴサクの持論を聞いていると、確かに。と思ってしまったり、いやいやそれは行きすぎてる解釈でしょうと思ったり。
思考回路をぶんぶんされます。
これがタゴサクの話術なのか?!
タゴサクの取り調べの裏でも大勢の警察が捜査を進めています。
タゴサクは何者なのか。
警察署に連れてこられるまでの足取りはどうだ。
爆発で使われた爆弾の成分の調査結果は。
類家の推理から導き出された爆弾の位置に派遣される警察。
細かい場所まではわからないから、とにかく虱潰しに捜索。
近隣への聞き込みも必須。
タゴサクの写真を見せながら、夜遅くでも確認していかないといけない。
住民の中には警察に対して酷い対応をする人もいる。
成果が上がらない、汗水たらしても空振りに終わるかもしれない。
何のためにやってる?
見ず知らずの一般人を守るために、こんなに頑張っているのに。
タゴサクのせいといってはなんですが、現場の警察もメンタルきちゃうよ!
このメンタルきちゃうことが、また新たな事件の引き金をひいちゃったりもして。
タゴサクの話を聞いているのは対峙している警察だけではありません。
記録係も子細聞いている訳です。
取り調べ室で、タゴサクと記録係が2人っきりになることも。
これは好機とばかりに、タゴサクは記録係に思い出した過去を語ります。
記録係も話し半分とは思いつつ、事件解明の役に立つかもと耳を貸してしまう。
こんな大事件を解決したとなれば、出世の道も拓ける。
欲をかくと、ろくなことにはならないんだけども~
タゴサクの連鎖、恐るべし。
タゴサクと同等に渡り合う類家。
映画だと類家は山田裕貴さん。
タゴサク同様、原作イメージのビジュままです。
もじゃもじゃっとした頭で、スッとタゴサクに切り込んでいく感じ。
最初は気弱そうな天才なのかな、と思っていたのですがタゴサクとタイマンが始まってからその印象は真逆に。
類家もやっぱり危ない人では?と感じました。
怪物と戦えるのも、やっぱり怪物なんよ。
同じ思考にならないと、犯人が求めているものにはたどり着けないんだろうなぁ。
狂気とも言えるぜ。
警察でもない、一般人視点もあります。
爆発に巻き込まれた人。爆発を近くで見た人。爆発を他人ごととして通常運転の人。
緊急事態が起こった時、逃げ出すか。
助けるために動くか。
もちろん助ける!と簡単に言えるかというと…
爆弾は1つとは限らない、ここにいるだけで自分も巻き込まれるかもしれない。
目の前で倒れているのは他人。
自分の命を優先しても誰にも責められない。
どうしたらいい、どうするべきか。
ぐるぐるぐるぐる…
判断が遅い!!と言われちゃうかもですが、こういう時勝手に体は動く気もしています。
咄嗟の行動はそれまでの生き方が反映されると思うもの。
タゴサクが次に何をするのか、やらかすのかが気になって、事件の真相を推理する暇はありませんでした。
嘘ついてるに違いないタゴサク、でも警察への挑戦もあるから全部が嘘ではないはず。
絶対に本当のことも言っている。
それを見抜かないと!
としている間に、ラストを迎えていました。
ラストには、次への伏線を匂わせていうような一文が。
もちろん続編も読まないと!
![]() |
新品価格 |

こんな作品もおすすめ
『爆弾』に登場する類家は特殊犯係、ということで特殊、特務犯係が登場する作品から選書してみました。
![]() |
新装版 ジウI 警視庁特殊犯捜査係 〈ジウ〉サーガ (中公文庫) 新品価格 |

『新装版 ジウI 警視庁特殊犯捜査係 〈ジウ〉サーガ』
籠城事件と未解決児童誘拐事件を結ぶ謎の少年、その背後に蠢く巨大な闇とは?
〈ジウ〉サーガ、ここに開幕!!
![]() |
新品価格 |

『猟犬 特殊犯捜査・呉内冴絵』
冴絵は警視庁捜査一課の警部補となった。
肉体は鍛え上げられ、闘う術としての冷静さを備えた。
埼玉と渋谷で勃発した連続籠城銃乱射事件。人間の悪意に近づく冴絵の心は、深い海の静寂に満ちていた。
![]() |
特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~ (小学館文庫) 新品価格 |

『特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~』
東京都葛飾区在住の有村礼次郎という一人暮らしの資産家老人が失踪した。
捜査すべき“特異家出人”であるかを探ることになった警視庁捜査一課特殊犯の堂園晶彦は、老人と唯一交流があったという少女・加藤奈々美から、老人と電話で話した際「変な音」を耳にしたことを知る。
![]() |
警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ- 1巻 (マッグガーデンコミックスBeat'sシリーズ) 新品価格 |

『警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-』
2×19年、東京。かつて存在した「ドラゴン」に心酔し、その力の復活を画策する犯罪組織「ナイン」。
凶行を繰り返す彼らを阻止するため、警視庁内部で新たに組織が発足した。その名も「警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課――通称トクナナ」。
まとめ
『爆弾』
続編をまだ読んでいないのですが、事件は不穏な余韻を残して終わっています。
スズキタゴサクは、結局誰だったのか。
見つかっていない爆弾の行方は。
これは続編で回収されるのかな。
タゴサクの仕掛ける謎を解く、のも大事ですが、誰でも思ったことがある暗い欲求とか。
なんでこの仕事してるんだろう。
自分が無事ならそれでいいじゃない。
変に他人に絡むと、厄介なことになるかもしれない。
なんのために生きてるんだろう。
人間すべてが自分のことしか気にしない世界だったら、タゴサクの計画は生まれなかったかもしれない。
![]() |
新品価格 |

~ぶちおのYouTubeはこちら~
~ぶちおのグッズはこちら~
📚ぶちおの本棚記事一覧はこちら
🐥鳥記事一覧はこちら
🌞日常記事一覧はこちら
✨劇団四季一覧はこちら