ぶちおの本棚

『障がい者専門風俗嬢のわたし』こういうことがあるのか。知らないまま、通り過ぎなくてよかった。

ぶちおです。

今回は『障がい者専門風俗嬢のわたし』をご紹介しようと思います。
情報がないからこそ、知っていこうと。
隠されてしまっているものほど、気になる…

何も知らない、わからないままで見ないふりをするのは良くないなと思いゲットしました。

隠しすぎる必要もないけど、何から教えていくことがいいのかわからない。
先人たちの足跡もよく見えない。
からこそ。

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こんな人にオススメ

☆立ち行かないわたしたちシリーズを追っている
☆知らないことを正しく知っていきたい
☆タブーをそのままタブーにするのは、何か違うと思う
☆セミフィクションから学んでいきたい

書籍概要

◆作品名 障がい者専門風俗嬢のわたし
◆著者  あらい ぴろよ/小西 理恵
◆出版社 KADOKAWA

その当然の欲求に、見て見ぬ振りをしていませんか?

長い間、蓋をされてきた「障がい者の性」の現実や偏見に立ち向かう――。

『マツコの知らない世界』などを手掛けてきたディレクター三谷三四郎氏によるYouTube番組「街録ch あなたの人生、教えて下さい」に出演し800万回再生を記録した一般社団法人「輝き製作所」代表で現役風俗嬢の小西理恵氏と『虐待父がようやく死んだ』『女性の死に方』など、センセーショナルなテーマを描いた作品に定評のある漫画家・あらいぴろよ氏によるセミフィクション。

【あらすじ】デリヘルで学費を稼ぎ、念願の看護師になった主人公つくしは、ある動画配信で「障がい者専門の風俗嬢」の存在を知る。そこで語られていたのは、あることがないことにされタブー視される「障がい者の性」の実態だった。自分の体験とも重なり奮起した主人公は、その世界に飛び込むことを決めるが――。知的障害の弟を持つ姉からの相談、ヘルパーによる介護が必要な20代男性、メンタル不調で治療中の女性……つくしは、様々な立場のお客さんに向き合い、先輩しずくに支えられながら前に進んでいく――。

ぶちおの読書感想文

『障がい者専門風俗嬢のわたし』
そのタイトルのまま、ズバリ。
主人公はデリヘルで働いていたこともあり、看護師経験もあり。
ある日知った、障がい者のための風俗サービスが気になり、何か出来ることがあるのではないかと就職。

通常のデリヘルとの違い、実際に接客していく中での戸惑い、障がい者家族達への寄り添い方など、
ぶちおの知らなかった世界がありました。

障がいとひとくくりに言っても、身体的なものか、知的なものか。
障がいの程度はどのくらいなのか、どんなサービスを受けたいのか。
普通の風俗でもプレイ内容はどうするか、オプションはどうするか、時間は、場所は?細かく決めていきます。
障がい者を対象にしている風俗も同じです。

風俗サービスなのでもちろん有料ですが、依頼者にはお金にあまり余裕がない人も多い。
サービスを受けるにも、バリアフリーのホテルがいいとか色々と制約もあります。
利用者数も少ないから、あまり稼げない。
こういうところも、ふむむと納得。
稼げる仕事であれば、認知ももっと広がっているけれど、広がりにくい理由があるんだもの。

知的障がいの家族からの相談に乗ったりもすると。
家族が重度の知的障がいだけど、セルフでしている様子を見てしまった。
どうしたらいいのかわからない、周囲に相談してもはぐらかされるような回答ばかり。
性的なことに興味を持つのは当然のことと理解は出来る。
けれど、どう説明したらいいのか、機械的に処理してしまえば解決することなのか。

障がいが無い人同士でも、性的な話題をあけっぴろげにすることもあまりないし。
学校教育でもそんなにしっかりどっぷり教えてもらってないし。
おしべとめしべと同列みたいな扱いで習っていたけど、やっぱりなんかよそよそしい授業内容だったな~

男子は体育!女子は教室に残ってこっそり生理の授業!みたいなのもね。
いや、生理のことは男女関係なく知っておけ!と思いますが、当時はやっぱりよそよそしかったw
ぶちお母はそういうのをあけすけにする派だったので、みんな母親の股から生まれてるんだ!とぶちおが小さい時から言ってきました。
なんなら局部を見せてきて、ここから生まれたんだとど正面の命の授業を披露してきました。
ネタだと思って爆笑していたぶちお。

ぶちお家はちょっと行きすぎていますが、大半が性関係のことはちょっとタブー扱い。
こういうことの延長線上で、生理休暇が普及しないんや!と個人的に思っています。
あの休暇、本当に月イチで使いたいんだけど。
でも生理不順というか生理周期がばれるのも嫌だし、生理くらいで休むなっていう暗黙のプレッシャーはあるし。
使えもしない休暇なんて、なんのために作ったねん!!
知り合いには、しっかり毎月2日間くらい使用している人がいましたが、やっぱり仕事にも影響は出ましたからね。
令和になってもむずい、生理休暇。
というか、生理用品も高いんだが。
こういうの本当、補助金プリーズ!

もう一つ、思い出したことを。
ぶちおの小学校時代の同級生に、知的障がいをもった女の子がいました。
子どもながら『そういう子』なんだという認識くらい。
特別に仲が良かったわけではなく、困っていたらみんなで助けようねという感じでした。

数年後、近くに女性の不審者が出るという情報が。
ぶちおがいつも使うバスのルート近くだと思っていたある日、道端で下半身を露出した女性の姿を目撃しました。
何をするわけでもなく、ズボンと下着だけを脱いで上半身は着衣のまま。
ただ佇んでいる女性。
顔を見たら、同級生のあの女の子でした。

どうしてそんな格好で、そんなことをしているのか分からない。
ぶちおは彼女の障がいのことを知っているから、多分パニックになるようなことが彼女にあった結果かもしれない。
でも、彼女を知らない人からしたらただ怖い。
不審者情報を知った後にも目撃したということは、継続的にあの場所で同様の行為をしていたのかなと。

作中にも、障がい者の方に、
体について、心について、人前でやってはいけないこと、などを教える話があります。
こういう教え方があるんだ、とまた目からウロコ。
どうやって教えていいか分からないから、教えない。
だと、ぶちおの同級生のような事態になっていたのだろうと想像してしまいます。

言いにくい、伝えにくい、わかりにくい。
こんなことからは目を背けたいというのも、わかるもの。

平成の衝撃すぎるドラマの1つに『聖者の行進』という作品があります。
ぶちおも思春期前だったけど、しれっと毎週見ていました。
やっぱりぶちお家にはタブーがなかった説。
衝撃すぎるドラマもアニメも、ぶちおは見放題でした。

『聖者の行進』では障がいを持つ人達が工場で働いているのですが、一人の女の子が工場長に襲われると。
具体的にどんな行為をしているのかはよくわかっていなかったけど、パンツが脱げてたのは脳裏に焼き付いています。
障がいがあることにつけ込まれて、搾取された被害者。
身を守るための知識を教えてくれる大人がいたら、こんな事件は起きなかったのではないか。
知識を与える大人は、誰がなるべきなのか。

むむむ。
そうだったらいいな、とか、そうしてあげたら良かったのに、とか。
どうしても自分とは違う世界線のように感じてしまう。
こういう意識を少しでも変えていかないと!

『聖者の行進』を一緒に見ていた母の一言も忘れていません。
「体は大人になるんだよね」
その一言の意味も当然よくわかっていなかったけれど、段々と意味を理解していきました。
ちなみのこのドラマに流れる中島みゆきさんの『命の別名』は名曲じゃ。
あの頃から現在まで、いまだに聞いています。

少しでも助けになりたいと奮闘する主人公ですが、すべてが上手くいくわけもなく。
壁にぶつかって落ち込んだり、上司の言葉に気付かされたり、見知らぬ人から非難されたり。
障がい者のための風俗というものが、正しく理解されていないがゆえですね。
自分から遠い出来事には無関心になるし、自分に近い出来事だと過剰に反応しちゃう。

何年経ってもまだまだ対処方が見つかっていない課題が山積していると自覚。
いや、本書を読んだことで新たなことを知れたから、まだ成長の見込みはあると自分を鼓舞しています。

あるものを、あるものとして受け入れられるように。

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まとめ

『障がい者専門風俗嬢のわたし』
目を背け続けていい話ではない。
障がい者だから性欲はない?
障がい者には性欲はない?
風俗というもの、そのものにバイアスがかかっていないか。

ちょっとでも気になったなら、ぜひ。

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