ぶちおです。
今回は『カウントダウン』をご紹介しようと思います。
余命宣告を受けて、残された時間をどう過ごしたいか。
自分の人生を振り返りながら、燻っていた黒い感情がまた…
どんな最期を迎えるのかは、自分で決められない。
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こんな人にオススメ
☆人間の黒い部分大好き
☆アラフィフって、色々あるなぁ
☆過去に怯える気持ちがわかる
☆断ち切れないのが血の繋がりかもしれない
書籍概要
◆作品名 カウントダウン
◆著者 真梨幸子
◆出版社 宝島社
半年後までに、邪魔なものはみんな“片付ける”――。海老名亜希子は「お掃除コンシェルジュ」として活躍する人気エッセイスト、五十歳・独身。歩道橋から落ちて救急車で運ばれ、その時の検査がきっかけで癌が見つかった。余命は半年。潔く“死”を受け入れた亜希子は、“有終の美”を飾るべく、梅屋百貨店の外商・薬王寺涼子とともに“終活”に勤しむ。元夫から譲られた三鷹のマンションの処分。元夫と結婚した妹との決着。そして、過去から突きつけられる数々の課題。亜希子は邪魔なものを“片付けて”終活に奮闘するが、マンションのクローゼットに大きな秘密を抱えていた――。イヤミスの女王が放つ二転三転の“終活”ミステリー、待望の文庫化です。
ぶちおの読書感想文
『カウントダウン』
イヤミスの女王の作品とのことで、イヤミスはあまり読んでこなかったですがたまには読んでみようと。
読了後は、やっぱりイヤミスらしさを全身で浴びました。
いやぁ~な後味もこみこみ!
やっぱり人間、まっすぐ歩くのが一番だなぁ~
闇属性で生きていくと、周囲にも闇属性が集まってきてこきおろしあったり、嘲りあったりするんだなぁ。
主人公の海老名亜希子。
50歳、バツイチだけど仕事は順調。
ブログをきっかけにお掃除コンシェルジュとして有名になり、メディアにも露出がある。
本の売れ行きも順調でお金には困らない。
そんな時に、余命宣告を受けます。
あと半年しか生きられないかもしれない。
死ぬ時期が見えているのなら、後悔なく死にたい。
そして、海老名亜希子の終活が始まるのですが…
終活という言葉が一般的になってそれなりに経ちますが、自分の死ぬ時を前提として準備をするのはなかなか強メンタルが必要な気もしています。
ぶちおは死んだ後のことは何も気にしていませんw
終活をして、色々と手配をしないといけない程のこともないなぁと。
もう、なんやかんやで死んだ後のことは、好きにしてくれと。
これが財産があるとか、著名人であるとかになると変わってくると思います。
骨肉の争いなんてして欲しくないから、財産分与は決めておきたい。
葬式を出すにしても、それなりに映える葬式にしないと示しがつかない。
著名人だと遺影はどうするとか、祭壇はどうするとか、死んだ後だからこそちゃんとしておかないとという気持ちになりそう。
海老名亜希子の終活はどうなったかと。
お掃除コンシェルジュとして活躍しているのに、ゴミ屋敷と化した別宅がある。
世間にバレる前に綺麗にしたい。
でもあの別宅には別れた夫との思い出がある。
どうして夫とうまくいかなくなったんだろう。
成功者といってもいい亜希子から、元夫への未練がじゅんわり。
元夫は、現在は亜希子の妹と結婚して子どももいます。
実妹に夫を寝取られたといってもいい状況。
自分は子どもを持てなかったけど、妹は子どもと夫と幸せそうに暮らしている。
…はぁ?
おかしくない?
いつも妹は自分よりも優遇されていた。
周囲からも可愛がられていた。
自分の後をちょろちょろして、結局はいいとこばっかり奪っていく。
終活の中、また思い出す記憶。
OLとして働いていた頃、2つの派閥があった。
ケバケバチーム、ケチケチチームと名付けて笑われていたことを知ります。
当時の女性社員は結婚をするまでに腰掛けで働いているようなものだった。
メイクに力を入れても不思議じゃない。
それよりも、自分のことを揶揄している人がいると知って黒い感情がまたじゅんわり。
揶揄している人のブログを見つけて読み進めていくと、その人は海外で暮らしている。
幸せそうに、人に囲まれている。
自分の周りに人はいない。
この違いは何なのか。
こうして命の期限までに、少しずつ終活を進めるのですが過去から引きずっていたイヤな感情も想起されていきます。
家族とはうまくいっていない。
亜希子も母親とは電話はするけど、距離があります。
結局は母親も自分の利益のために生きているし、自分のことも利用しているだけなんじゃないかとか。
母親よりも許せないのは妹。
自分の元夫とどういう暮らしをしているのか。
嫌いな存在なのに、気にしてしまう。
気付くとネットストーカーみたいになっている。
違う、自分が見ていてあげないと妹はやらかすんだから。
姉妹の確執とか、当時の社会状況とか、夫婦の破綻とか。
やり残してしまった大掃除をするのが終活なのかもしれません。
会いたいと思っていて会えていない人とか。
やろうと思って後回しにしていることはたくさんあります。
でも亜希子は、ねっちょりしています。
この人と知り合ったら、面倒くさいなぁ~というのがすぐに分かりますw
些細なことでも悪く受け取ってしまう。
自分本位に考えて、相手との対話を拒絶してしまう。
まぁいるっちゃいます、こういう人。
ぶちおの中では闇属性と呼んでいますが、それも個性と思っています。
生きている中で、そういう性格が形成されてしまったんだろうと。
もうこれは誰が悪いとかではなく、しょうがないことかなと。
多少は周囲の影響もありますが、最終的には自分の持ちようだと。
ぶちぶち文句を言って、素直になれないのが亜希子。
生きにくさもあったけれど、最期の時は出来るだけ穏やかに迎えたいという願い。
それを叶える権利は亜希子にもあります。
でも、段々と亜希子の生活圏にいる人々も怪しく見えてきます。
亜希子の担当編集。
飄々としているけど、面倒な作家である亜希子をどう思っているのか。
亜希子の生活周りを支えている外商。
御用聞きとしてこき使われて、完璧な仕事をしているけれど本当の目的は別にあるのではないか。
やっぱり過去のことをさっぱり忘れるのも大事だなぁと。
過去に粘着していても良くないこともある。
もちろん過去にもいい事もはあるけれど、すべてがハッピーエンドだと思って掘り起こさない方がいいなぁと。
子どもの頃、自分は仲良しだと思っていた幼なじみに、実は嫌われていたと知ったらメンタルやられっちゃうものw
いや、それすら笑い話に出来るようなメンタルを身につけたい!
なんかもうその力はある気もしていますが。
亜希子は満足のいく終活になったのか…
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まとめ
『カウントダウン』
美化されてしまった思い出かもしれない。
それでも、死を前にすると懐かしさが勝ってしまう。
自分が生きていたことを、少しでも誰かに覚えていて欲しいと思うのに、素直にはなれない。
まずやることは、恥と思われてしまうことの精算。
それから、気になっている人の人生を覗くこと。
自分の人生よりも上手くいっていないことを願っている。
上手くいっているなんて、許せるはずがないもの。
限りある時間を、最大限素敵な時間にしたいだけ。
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