ぶちおです。
今回は『それでも、警官は微笑う』をご紹介しようと思います。
無骨ごつごつ感の刑事と、ぼんぼん力全開の刑事タッグ。
刑事バディものは、やっぱりこれくらいの落差があってこそでしょう！
そこから捜査を通して、絆が芽生えるものなのです。
マトリと警察、警察内の派閥争い、犯罪組織の壮大な計画。
追い詰められるのは犯人だけじゃない！！
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こんな人にオススメ
☆刑事バディものが好き
☆違法捜査だって目をつぶっちゃう
☆いい上司、同僚が欲しい
☆薬物、ダメ絶対
書籍概要
◆作品名 それでも、警官は微笑う
◆著者 日明恩
◆出版社 双葉社
無口で無骨な刑事・武本と、名家出身でおしゃべりな年下の上司・潮崎。ミスマッチコンビが内外の敵を向こうに回し、密造拳銃の密売ルートの解明に挑む！ 警察小説に新風を吹きこんだ第２５回メフィスト賞受賞作、待望の新装文庫化。
ぶちおの読書感想文
『それでも、警官は微笑う』
読了後、作者さんが女性だと知って驚きました。
こんなに男の圧を感じる作品なのに、凄いなと！
警察内でもがく姿、助け合う姿、男の嫉妬や憎悪や友情が濃かったです。
主人公は武本。
昔ながらの刑事像をうつしたような、無口で腕っぷしに自信ありの体育会系バリバリ感の刑事です。
暴れる犯人には鉄拳制裁タイプ。
フィジカルモンスター。
恩人には、常に感謝と尊敬の念をもって絶対に裏切らない。
武本とバディを組むのは、潮崎。
武本より年下だけど、階級は上。
しかも名家の息子なので、警察上層部などにも口利きできちゃう力をもっています。
上司でも部下でも容疑者でも、誰に対してもマシンガントーク。
マシンガンついでに、場の空気をぶち壊すのも得意としています。
武本と潮崎のでこぼこっぷりが光ります。
どうやったらこのバディが仲良くなっていくのか検討もつかず。
気付いたら、阿吽の呼吸を発動するまでになりますのでご安心ください。
物語の冒頭は、あるヤク中が銃をもってコンビ二に立てこもるところから始まります。
人質をとって、無茶な要求を突き付けるヤク中。
かなりの末期症状も出ているので、会話も真っ当ではありません。
こんなヤク中とも交渉しないといけないなんて、警察の仕事も大変やで。
何とかヤク中を制圧した武本、
ヤク中が使っていた銃は、自分が以前に担当した殺人事件で使用されたタイプと同じと気付きます。
日本で正規に出回っている銃ではない。
この銃を流通させている奴がいるはず、そいつを捕まえないといけない！
日本で銃なんてぽこぽこないですからね。
日本のいいところ！！
猟とか、スポーツで使用するならまだしも、護衛用であっても銃は持たない派です。
銃をぶっぱなすのはゲームの中だけと決めています。
パリオリンピック混合団体10メートル・エアピストルで有名になった無課金おじさん。
かっこよかった！
よし、自分もやってみようかなと思っても、日本だと認可おりるのにめっちゃ時間がかかるらしいです。
次のオリンピックにすら出られないこともありえるとか。
それくらい日本は銃規制が厳しい。
でも、銃はビジネスにもなる。
お金が動くところには、犯罪者も目をつける…
武本はコンビニ立てこもり事件で、宮田という麻薬取締官と出会います。
実は暴れていたヤク中は、以前からマトリが追っていたと。
長く追っていた犯人が、あっさりと逮捕されてしまった苦労が水の泡！
また警察がマトリの捜査を無駄にしたとおこです。
警察VSマトリ。
薬物やめますか。人間やめますか。
作中に登場するヤク中も、もう人間味をだいぶ失っています。
市販の薬も用法用量守らないと、バッドエンドまっしぐらになるので気をつけましょう。
ロキソニンとか、効果はバツグンですが胃が荒れるくらい強い薬です。
病院で処方されると胃荒れ対応の薬を出されるくらいだもの。
いい面だけ見て、薬まみれになるのはオススメできません。
無知が一番罪なんや！
銃による他殺体、薬物による一般人の被害、武本が休める時間なんてありません。
ガムシャラに捜査するしかないのですが、
警察内でも捜査を阻止しようとする勢力もいたりと、捜査できないフラストレーションがたまっていく展開へ。
事件を解決するのが仕事だろ！と頑張っている刑事もいれば、その事件から手を引け！これは命令だ！という上層部の構図はどうしても生まれてしまうのでしょう…
時期的に『踊る大捜査線』を見ていたので、青島と室井の顔が浮かびました。
本作での室井ポジションは、何とマシンガントークのぼんぼん刑事潮崎という意外性！
ただぽやぽやして好き勝手に動いているようで、芯にはちゃんと刑事魂をもっています。
そんな潮崎の活躍を見て、涙腺やられちゃう時がくるなんて。
水面下で広がっている銃。
武本の単独捜査、宮田の逃走。
過去に起きた銃による自殺、崩壊した家庭に浴びせられる非難。
信念とか、理想とか。
犯罪を撲滅する、という明瞭なスローガンではままならないのだなぁ。
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日明恩作品
『それでも、警官は微笑う』の作者、日明恩先生の作品から選書してみました。
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法では裁ききれない現実に、武本はどう答えをだすのか？
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かくして、光希と頭島、さらにはもう一人の先輩である奥を加えた3人による幽霊退治が始まる――。
まとめ
『それでも、警官は微笑う』
たった1人で捜査をする武本を、こっそりとサポートしてくれる面々。
言葉の裏にある優しさに、じんときちゃうもの。
ここまでされたら、武本も犯人を挙げるしかない！
不当な命令だって、従っているふりしてふんぞり返っている奴らを出し抜いてやったっていい。
面従腹背という四字熟語だってある。
ということはつまり、そういう状況は恥じることでもないということかも。
解釈だって、自由。
ぶっとい信念は、曲げられるものではない！
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