ぶちおの本棚

『ゴースト・ポリス・ストーリー』兄を殺した犯人は妹が見つける!兄は霊体であれこれサポート!

2024年8月6日

ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介、今回は『ゴースト・ポリス・ストーリー』
幽霊になってしまった刑事の兄と、兄を殺した犯人を見つけたい妹。
兄は幽霊なりの方法で、妹に真実を伝えたい。

最後はじんと泣けちゃったもの。

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こんな人にオススメ

☆人の絆にじんわりしたい
☆真犯人はただただ悪人がいい
☆幽霊界をのぞいてみたい
☆横関先生作品のファン

妹への叶わぬ恋心を抱いたまま、俺はどうやら死んでしまったらしい。
「お兄の仇、私、絶対とるから!」
妹は刑事になり、死んだ俺は内通者の疑いをかけられ、そして「幽霊のセブンルール」に戸惑っていた。

渋谷署の刑事・長島日樹は、同じく警察官の妹・聖奈と二人暮らし。
実は血の繋がらない妹に切ない感情を抱く日樹だったが、その思いを断ち切るべく捜査に明け暮れていた。
ある日、帰宅中の夜道で何者かに襲われた直後、ある人物と出会う。
「あのね、幽霊にもルールがあるの。だいたい7つくらい。『幽霊のセブンルール』ね」

その1、無念が晴れたら成仏する
その2、昼間はけっこう疲れる
その3、幽霊に生理現象はない
その4、好きな場所に移動できる
その5、寺と鏡には近づくな(焼肉店も追加予定)。
その6、人間界にも影響を与えることができる(ティッシュペーパーを揺らす程度)。
その7、…………

ぶちおの読書感想文

『ゴースト・ポリス・ストーリー』
ぶちおは幽体離脱の経験もないですが、やっぱり気になる死後の世界。
幽霊っているのかな、亡くなった人と交信することできないのかな、自分が死んだらどうなるのかな。

地獄絵図とか、エジプトの死者の書とかは、当時の死生観を反映しているので見ていて飽きません。
死んだらこうなるんだぞ~と、戒めの意味を込めながら。
昔の人達も、死後の世界には興味津々だったことがわかります。
霊感0だからこそ、ぶちおも気になっている!

死後、幽霊になって、自分を殺した犯人を捜査することも可能??

長島日樹は、渋谷署の刑事としてバリバリ働いていました。
渋谷といえば、日本でも有数の繁華街なので事件事故は日常茶飯事です。
百貨店、映画館、美術館もあるし一日ウロウロしても飽きない場所ですが、若者がやんちゃしているイメージが強い渋谷w
想像以上に坂が多いでもお馴染み、ヒールで闊歩できる人を尊敬します。

いつものように勤務を終えて帰る途中、後ろから誰かに刺されてあっけなく日樹死亡。
倒れている自分を見ている自分がいる…
倒れた自分に驚いて通報をしている通行人を見ている自分…
日樹の幽霊生活スタートです!

幽霊界の先輩からの助言もあり、成仏する前に自分を殺した犯人を見つけようと!
日樹は犯人を見ていないので、とにかく犯人になりえる動機をもっている人間からあたっていこうと。
刑事だから恨まれていることも多いかもしれない。
日樹の幽霊刑事生活開幕です!

日樹の妹の聖奈も、兄を殺した犯人を捕まえようと決意して交通課担当から刑事に異動します。
なかなかの実力行使で無理な異動願いを聞き入れさせます。
可愛い見た目からは想像できない程のガッツを見せてくれます。

まさか妹が刑事になるとは…驚きつつも聖奈をサポートする日樹。
『長島日樹を殺した犯人を捕まえる』という共通の目標を掲げた兄妹の物語!

日樹と聖奈は血は繋がっていません。
聖奈は養子として、長島家に引き取られています。
法律的には結婚できる関係ですが、なかなか踏み出せない二人。
お互い意識はしているけど、きっかけがなかなか。
じれキュン要素もちょこっとありますが、答えが出る前に日樹が現世をリタイアしちゃうんだもの!
兄妹の複雑な心境が、またいいのです。

幽霊のセブンルール内で、いかに聖奈に事件の情報を教えればいいのか。
そうだ、夢枕にたってみよう!
兄から妹への伝達は、おもに妹の夢に映像を送るという手法です。
言葉や音よりも、幽霊の立場で見てきた映像をそのまま送ることでなんて伝わりやすいことでしょう。
兄のサポートのおかげで、少しずつ刑事として成長していく妹。
頑張って犯人見つけてくれ!!

そういえば、
ぶちおもまとまりのない夢をよく見るけど、あれはやっぱり何かの暗示なのでしょうか?!
誰か枕元にたってる??
起きてすぐ忘れちゃうから、夢を活かせていない自覚はあります。

ラストの犯人がわかる手前、本当にぎりぎりで犯人が誰なのかわかりました。
容疑者がいそうでいないんですw
いやなエリート刑事、日樹が追っていた事件の被疑者など、バリバリに怪しい人もいますが…
日樹と仲の良かった同僚、元カノの監察医、バディを組んでいた若手刑事など、
なんだかんだでいい人達に囲まれていた日樹の人生にふれると、やっぱり殺される理由が見当たらない。
動機がわからないから容疑者もわからない。

う~ん。
刑事を殺すなんて、なかなか出来ることではない。
犯人も相当の手練れ、やり手なのか。
デメリットの方が大きそうだけど、やらなければいけない理由は何か。
日樹も聖奈も、真相に近づきそうでなかなか辿れないのは当然といえば当然か…

幽霊としての日常も描かれています。
セブンルールがありますが、基本はどこでも出入り自由。
映画だって見放題、生理的欲求も気にする必要がない。

一見うらやましい世界ですが、美味しいもの食べられない、知人と会話はできない、と思うとしんどい。
成仏がいつになるかも予想できません。
自覚していなくても【悔いなし】と魂が判定したらさらっと消えてしまう。
もう少し残りたいと思っても、消える運命。

すべてが解決した後、兄は妹に自分の存在を伝えようとします。
そこからはもう、兄妹愛に涙が…

長島日樹を偲びながら、事件を見届けましょう。

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まとめ

『ゴースト・ポリス・ストーリー』
幽霊になった後に出来た幽霊の友人の存在も大きいなぁ。
どんどん成仏していって、自分だけが取り残されちゃう孤独。
それでも成仏できなくて、地縛霊のようになってしまうものもいる。

存在意義とか、人との繋がりとか、幽霊を通して再確認。

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