ぶちおの本棚

『あぶない叔父さん』心許ない大人の周りでは、何故か事件が起こりがち。町は霧に沈む。

2024年6月25日

ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!

今回は『あぶない叔父さん』
そう、ほぼタイトルだけでポチりました。
あぶないデカ、あぶない交差点、そして、あぶない叔父さん。
あぶない叔父さんの本気のあぶなさを知りたいぜ!

結果、この叔父さんに関わってはいけません。

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こんな人にオススメ

☆ほわほわした高校生主人公希望
☆ちょっとした色恋沙汰もあり
☆1つの町で事件起きまくってほしい
☆本格トリック、動機はそんなに気にしない

書籍概要

◆作品名  あぶない叔父さん
◆著者   麻耶雄嵩
◆出版社  新潮社

寺の離れで「なんでも屋」を営む俺の叔父さん。家族には疎まれているが、高校生の俺は、そんな叔父さんが大好きだった。鬱々とした霧に覆われた町で、次々と発生する奇妙な殺人。事件の謎を持ちかけると、優しい叔父さんは、鮮やかな推理で真相を解き明かしてくれる――。精緻な論理と伏線の裏に秘された、あまりにも予想外な「犯人」に驚愕する。ミステリ史上に妖しく光り輝く圧倒的傑作。

Amazon『あぶない叔父さん』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『あぶない叔父さん』
作者の麻耶雄嵩の作品は以前、『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』を読んだ記憶があります。
かなり昔に読了しましたが、作品の内容に驚いたことは覚えています。
壮絶な結末と書誌紹介にあるように、嘘だろ、と思って本を閉じた記憶。
どういう事件だったかというよりも、その衝撃結末だけが記憶に残っているくらいw

そんな麻耶先生の『あぶない叔父さん』は気になるしかない。
そして、やっぱり驚くことになりました。

主人公は高校生の優斗。
町の大きな寺の次男坊、長兄が家業を継ぐため何となくふわふわしている系の男子です。
家の離れには優斗の父親の弟の叔父さんが間借りする形で棲み着いています。
そんな叔父さんのことが優斗は大好き。
次男という同じ境遇なこともあり、優斗は良き理解者の叔父さんがとにかく好きw

ただね…優斗、女癖が悪いというか、煮え切らない浮気者というか。
彼女がいながら、元カノとの再会で揺らぐ。
そういう浮ついたところがあるからか、事件が寄ってきてしまいがちなのだ!
二股はダメだ!ちゃんとしなきゃ!とわかっているのにずるずると…
く、見た目は子ども、中身は名探偵の同年代のある高校生と比べると、どうしても優斗を好きになれないw

さらに問題人物なのは、優斗の叔父さん。
ふらっと出ていって、ふらっと出戻ってきた叔父さん。
実家の離れでなんでも屋家業を営んでいます。
雪下ろしの手伝い、祭りの準備、ペットの捜索など、受ける仕事はほのぼのとしたものばかり。
身を固める風でもなく、実兄にちょっとビビリながらまったり暮らしている叔父さん。
そう、叔父さんは名探偵とかではなく、なんでも屋として自由人風な叔父さんです。

表紙の通り、ぼさぼさの髪で書生のような服装、でも足元はスニーカーという絶妙なファッション。
人当たりもいいし、なんだかんだで依頼もきているしこなしている。
学生時代は、しっかりとカツカツ働いている大人よりも、こういう謎の大人の方が魅力を感じたりも。
まぁ世間一般手的には普通とは言えない叔父さんなので、悪い噂もたちがちではあります。

本書では優斗が暮らす町を舞台に、約1年間に起きた事件が書かれています。
人死にが出る事件が6つほど。
とある米花町ほどではないですが、町の規模と比較して事件起きすぎだろ!とツッコミました。
しかも事件の核には、叔父さんがいるし。
事件を巻き起こしがちな人物、それがあぶない叔父さん!

令嬢が駆け落ちをした。
しかし、駆け落ちしたと思われる相手と亡くなっているところを発見される。
令嬢の見張りは叔父さんが担当していたそうなのだが…

連続放火事件。
その法則性に気付き、事件を止めることは出来るのか。
叔父さんはある家を見張ることになったのですが…

病院院長のお家騒動。
家業を継ぐはずの長兄は姿を消し、院長の遺体が神社で発見される。
不可能に見える事件に叔父さんが動き出す…

「ハイカラ屋敷」の周辺で起きるたたり騒動。
叔父さんは旧友のため、屋敷に泊まることに。
しかし、屋敷で2人の遺体が発見されてしまうことに…

優斗が級友の旅館でバイトをすることに。
バイト終わりに旅館の大浴場で汗を流した後、優斗は遺体を発見してしまう。
叔父さんは旅館で祭りの手伝いもしていたらしく…

優斗の目の前に女子生徒が2人落ちてくる。
2人は抱き合ったような体勢、でも犬猿の仲だったらしい。
学校で起きた事件でも、もちろん叔父さんの影はあって…

優斗の叔父さん贔屓もなかなかです。
なんでも許してあげたくなるような魅力があるのか。
いやでも、事件の真ん中には叔父さんがいるぞ!

優斗と叔父さんの1年、濃いめ。

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『あぶない叔父さん』の著者、麻耶雄嵩先生の作品から選書してみました。
くせが、強めかとw

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盲点衝く大トリック。支配者・大鏡の正体。
再び襲う鴉。そしてメルカトル鮎が導く逆転と驚愕の大結末。
地図にない村、神話要素も絡んだ作品の魔力。

まとめ

『あぶない叔父さん』
とにかく叔父さんがキーパーソンでしかない。
事件を吸引する力は、ダイソンを軽く超えます。

小さい町の、小さい事件で済ませられるっちゃ済ませられる。
でも、まずこのあぶない叔父さんを何とかした方が治安がよくなる気もする。
警察、仕事してw

タイトルそのまま、あぶない人物が気になる方はぜひ。

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