ぶちおです。
今回は『サムライたちの辞世の句』をご紹介しようと思います。
昔の人の寿命って今の半分くらい。
さらに戦時下であれば、常時人の死が近くにあります。
死はいつでも隣り合わせ。
凄絶な状況で詠んだ句、ぐっとくる。
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こんな人にオススメ
☆歴史が好き
☆きりっとした侍の生き方が好き
☆俳句、歌の表現が好き
☆昔の人の平均寿命を自分が越してることに気づいて驚いた
書籍概要
◆作品名 サムライたちの辞世の句
◆著者 初田 景都/大友 宗哉
◆出版社 辰巳出版
歴史偉人たちが遺した辞世の句を紹介。偉人たちが人生の最期にどのような状況下で詠み、その句の意味はどういうものだったのかを解説。偉人伝において、その最期こそ人生の物語のクライマックスのひとつであることから、有名な偉人たちの辞世の句は、歴史ファンにとっても大変興味深いはず。
Amazon『サムライたちの辞世の句』作品内容より
【主な内容】
第一章戦国武将の辞世の句 [永世~天正編]
北条早雲、明智光秀、毛利元就、斎藤道三、武田信玄、上杉謙信、柴田勝家ほか
第二章戦国武将の辞世の句 [文禄~寛永編]
豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津義弘、豊臣秀次、真田信繁、大谷吉継ほか
第三章江戸のサムライ・維新志士たちの辞世の句
大石内蔵助良雄、浅野内匠頭長矩、高杉晋作、武市半平太、吉田松陰、桂小五郎ほか
第四章サムライの妻たちの辞世の句
平時子、北条夫人、お市の方、駒姫、細川ガラシャ、西郷千恵子
ぶちおの読書感想文
『サムライたちの辞世の句』
辞世の句を、いつかは詠むのかなぁ~自分としょうもないことが脳裏に浮かんだぶちお。
金田一少年の事件簿でも、辞世の句がキーになった事件がありました。
いつなんどき、辞世の句を詠む日がくるかわからん!
まずは先人たちの句を知るべきだろう、と!
そんな勢いで本書をゲットです。
すべての句を詠み終わって、当たり前ですがこんな凄い句は自分のすべてをこしだしても出てこないだろうとw
若くして一国の主だった侍も全然いるし、
その日の生活もギリという状態の侍もいるし、
今日がどんな日になるか想像もできないような中で生きていた人たちとは、根っこから違うのだと改めて痛感しました。
まぁ辞世の句を個人で勝手に詠むことは許されるでしょう。
本書には45編の句が大まかな年代ごとに掲載されています。
教科書でお馴染みな侍もいれば、ちょっと歴史に入り込まないと知らないような侍も。
ぶちおはうわっつらで日本史を選択していたので、知らないエピソードも多かったw
豊臣氏がえぐいやり方で天下統一したんだなとか、侍の妻も強くないと務まらないんだなとか。
ぶちおお気に入りの5編を記していこうと思います。
■清水 宗治
「浮世をば今こそ渡れ武士の 名を高松の苔に残して」
享年45。
秀吉の水攻めにあい、自分の家臣たちを守るために自刃を決意。
負けることを受け入れて、自分を犠牲にして兵士を守るってかっこよすぎる。
寝返ったり、逃亡したりする侍もいる中、こんなに忠義のある主君に出会えることこそ幸せだったのかも。
生き延びるために上手に世渡りするのか、曲げられない信念のために辞するのか。
人間性がめっちゃ出ますね。
■別所 長治
「今はただうらみもあらじ諸人の いのちにかはる我身とおもへば」
享年23。
秀吉の兵糧攻めにあい、切腹で人生を閉じます。
自分の子供4人を殺し、妻の切腹を見届けてから自死、壮絶すぎる。
妻も辞世の句を残しているのですが、ラブラブな夫婦だったんだなとわかります。
嫁子供だけは生かしてくれ!が通用しない時代。
一族ごと処断しないと報復が恐いですし、禍根を残さないようにというのも分からなくもないですが非情。
戦況によって、突然死ぬことがありえる時代だったのですものね。
■豊臣 秀次
「十方仏土の中とある時は 方角は入らざるものなり」
享年28。
豊臣秀吉の甥も、若くしてこの世を去っています。高野山にて切腹。
仏は西方だけではなく十方にいる。座る向きなどどうでもよいという内容。
仏への信仰も厚い時代、座る方角も気にするのが普通だったのか~と。
政局とか権力に振り回されて、どうにもできない無理な人生ゲームをさせられたら、この世に神も仏もないだろと言いたくなるなぁ。
豊臣一族に生まれたばっかりに、こんなに若くして死んでしまうのですもの。
■平 時子
「今ぞ知る みもすそ川の御ながれ 波の下にも都ありとは」
享年59。
壇ノ浦の戦いで、幼い安徳天皇とともに入水したエピソードは超有名かと思います。
何かの浮世絵で、このシーンが描かれた絵をみた記憶も鮮明に覚えています。
戦いの中、安徳天皇を抱えて荒れ狂う海に身を投げる時の句。
この海の底にも都があるのだと言われて、安徳天皇は少しでも安心したのかなと思うと泣いちゃう。
争いに巻き込まれて、何もわからない8歳の天皇が死ななければいけないというのが。
三種の神器の一部もこの時に海に沈んだといいますが、どこかにあるのかと思うとまた歴史のロマンを感じます。
■西郷 千恵子
「なよ竹の 風にまかする 身ながらも たわまぬ節は ありとこそきけ」
享年34。
生き残っていても、夫たちの迷惑になるかもしれない。
千恵子は一家で自害することを決意します。
21人が白装束に着替えて、それぞれが辞世の句を詠みます。
まず大人が子供たちを刺殺、その後にその刀を自分に向けて自害。
女子供は弱者、という時代。
女にも強い意志があるんだという句に残したかった強い気持ちがあります。
散り際は自分で決めてこそ、という時代。
毎日ぬくぬくと愛鳥と暮らしているぶちおは、転生でもしない限り秀句を作ることはできないとしっかり認識しました。
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こんな作品もおすすめ
『サムライたちの辞世の句』をよんで、歴史っていいねと感じる作品を選書してみました。
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『偉人たちの辞世の句』
大好評「サムライたちの辞世の句」に続く第二弾!!
戦国時代に限らず、偉人たちの句が掲載されています。
柿本人麻呂、在原業平、松尾芭蕉、小林一茶、正岡子規、芥川龍之介ら時代を彩った文化人、最澄、親鸞、良寛らの僧侶、紫式部、日野富子、春日局ら女性偉人など45人の辞世の句を紹介します。
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『ざっくりわかる日本史の授業』
教科書を一冊読み通すより、はるかに歴史上の事件や人物がぐっと身近に感じられることでしょう。
早送りでわかる“日本史のハイライト”!
まるで〈生中継〉のような臨場感で、歴史ドラマを一気読みできる本!
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『大学入試 マンガで世界史が面白いほどわかる本』
こんな特長があるから。
■1■ 有名な歴史人物のマンガが楽しい!
■2■ フルカラーで読みやすい!
■3■ 国ごとに古代から現代までを一気に読める!
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『あの日、松の廊下で』
目撃者、そして浅野内匠頭と吉良上野介の間に割って入った人物として、彼はどんな想いを抱えていたのか。
江戸城という大組織に勤める一人の侍の悲哀を、軽妙な筆致で描いた物語。
第3回歴史文芸賞最優秀賞受賞作品。
まとめ
『サムライたちの辞世の句』
辞世の句から、どんな人物だったのか。
どんな場所で、誰がそばにいて詠んだのか。
想像するのが楽しくなります。
死を前にして、冷静に辞世の句を残せるだけで肝が強かったんだなと。
一瞬で人生を振り返って、短い言葉にまとめるのは至難の業。
掲載されている句で、どの句が自分にぐっとくるか。
人柄が出て面白いかもしれません。
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