ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!
今回は『さあ、地獄へ堕ちよう』
主人公の退廃的な雰囲気からのやけっぱちっぷり、とてもいいです。
身体改造から闇のSNSまで、どちらかといえば影寄りの住人達の蠢きを感じられます。
時に主人公のモノローグで笑ってしまいます。エッジが効いているなぁ~w
痛みを想像するだけなのに、自分も痛い!
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こんな人にオススメ
☆痛々しい描写も平気
☆入れ墨、ピアス、身体改造の深みをのぞきたい
☆サイコな人にも耐性がある
☆名探偵はいなくてもOK
書籍概要
◆作品名 さあ、地獄へ堕ちよう
◆著者 菅原 和也
◆出版社 KADOKAWA
SMバーでM嬢として働くミチは、偶然再会した幼なじみから《地獄へ堕ちよう》というWebサイトの存在を教えられる。そのサイトに登録し、指定された相手を殺害すると報酬が与えられるというのだが……。
Amazon『さあ、地獄へ堕ちよう』作品内容より
ぶちおの読書感想文
『さあ、地獄へ堕ちよう』
SMバーで働く子が主人公か?!というテンションで購入しましたw
たまにはちょっとアブノーマルな主人公いいじゃない!
冒頭、主人公のミチが働いているSMバーでのお仕事風景を垣間見ることが出来ます。
ミチはM嬢なので、S嬢と絡むショーがあったり。
来店する客達もSMを楽しみながらお酒を飲む。
エッチなサービスの提供はなし、裸にもならないと言っていますが、
下着姿でステージに拘束されて縄で縛られて鞭で打たれるわけですからw
さすがSMバーです。
ミチは根っからのMという訳ではなく、友達の誘いで働いてそのまま続いている状態。
ミチは自分自身のことを空っぽだと評しています。
やりたいこと、なりたいことがない。無気力、という感じでしょうか。
無気力なだけならいいのですが、薬に頼らないと寝られないし気分の浮き沈みも激しい。
病院で処方された薬ではありますが、何かあったらとにかく薬を服用。
飲み過ぎることもあるし、ゲロることも多い。
寝ゲロで死にかける主人公、痺れましたw
病院で再会した幼なじみのタミー、職場で久しぶりに出勤した同僚のリスト。
たまたま知ったSNSには死体の画像がたくさん、どうやらタミーが関わった事件もあるらしい…
リストも常に変化を求めていて、自分で入れ墨を入れて、遂には頭蓋骨にまでピアスをあけるような人。
いつもと変わった人と出会ったことでミチの人生が変わっていきます。
まさかの全身の皮膚を剥がれた肉塊とも遭遇しちゃったりします。
殺人、異常な死体、身体改造、地下でのパーティーなどなどアングラ感も炸裂です。
身体改造については、『クレイジージャーニー』を見ていてよかったw
すぐにイメージが出来ましたもの。
ただただ痛そうな世界。
でも、ピアスも入れ墨も昔からありましたからね。
知らない、やっていない、馴染みがあまりないかもですが、文化としては古くからあります。
入れ墨は模様によって部族や身分を表わしています。
罪人の証として入れ墨をいれられていたなんてことも。
『鬼滅の刃』の猗窩座も、罪人だから入れ墨いれられていますものね。
ボディサスペンションも!
大きいフックで体を吊るのですが、やる前とやった後で人生変わるらしいです。
やった人だけに開く扉があるそうな…
痛みと脳内麻薬でぱぁぁぁと何かが見えるらしい。
身体改造をしているミチの同僚のリストは店の客に「親にもらった体を大事にしろ」と説教されていました。
ぶちおも親からそう言われて育った世代w
そして普通に痛いのいやなのでぶちおは出来ないな~。
身体改造をすることで生まれかわったような気になる。
再現なく改造を施してしまう。
そういう集まりがあることにも納得です。
そして、この世を地獄だと思って誰かに殺して欲しいと思う人達が集うSNSもある…
ミチは足を踏み入れてしまった世界で、理解に苦しむ論理を唱える人と遭遇していきます。
実はそういう人は身近にたくさん潜んでいます、一見分からないだけで。
頭はいい方じゃない、薬に頼ってふらふらしているミチが、後半に向けてどんどんたくましくなっていきます。
あれ?空っぽだったんじゃなかったっけ?めっちゃ血たぎってるじゃん!と。
ミステリというよりは、ミチの大冒険のような気がしています。
知らない世界を見て、出会い、気付き、自分の居場所を再確認する。
うんうん、若いんだからなんだって出来るぞ!
例えやばい組織に追われても、いっそ警察に追われても、一緒に笑って手を繋げる人がいれば幸せなんじゃないだろうか。
衝撃事件の顛末を。
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『さあ、地獄へ堕ちよう』の作者、菅原 和也先生作品から選書してみました。
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『ブラッド・アンド・チョコレート』
研究所内の密室で、首を切断された死体が発見され……。
怪しげな団体には、奇怪な事件が似合います。
まとめ
『さあ、地獄へ堕ちよう』
痛みを感じることで、生まれ変わることができる。
羽化する前のサナギの時、幼虫は自ら細胞を殺す。
サナギの中身がドロドロな状態から、また体を形成して蝶になる。
変態して、生きようとする。
ミチが知った罪、犯した罪、大事な人を追いかけていくうちにはまっていく沼。
生きるって難しい。
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