ぶちおの本棚

『球体の蛇』その腹の中には何が入っているのか。自分の罪を思い出していく。

2023年3月29日

ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!

今回は『球体の蛇』をご紹介しようと思います。
ちょっと怖くミステリ要素もありますが、読み終えると青春物語だったなぁ~と。
ある種の恋愛小説のようにも思いました。

【私】の人生をどう感じるでしょうか。

球体の蛇 (角川文庫)

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こんな人にオススメ

☆後悔について考える
☆若い時特有のやんちゃは仕方ない
☆サイコっぽいキャラクターが好き
☆痛々しい主人公の成長を応援したい

書籍概要

◆作品名  球体の蛇
◆著者   道尾 秀介
◆出版社  KADOKAWA

幼なじみ・サヨの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった。白い服に身を包み自転車に乗った彼女は、どこかサヨに似ていた。想いを抑えきれなくなった私は、彼女が過ごす家の床下に夜な夜な潜り込むという悪癖を繰り返すようになったが、ある夜、運命を決定的に変える事件が起こってしまう――。幼い嘘と過ちの連鎖が、それぞれの人生を思いもよらない方向へ駆り立ててゆく。最後の一行が深い余韻を残す、傑作長編。

Amazon『球体の蛇』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『球体の蛇』
人生で大きな後悔、ありますか。
ぶちおは忘れていっちゃう派です。
こうしていればよかったとか思う時もありますが、基本は選んだ道は間違っていないんや!で生きています。
何日か寝たら忘れていますw

だって、悔やみ続けても仕方ないじゃないと。
後悔して過去が変わる訳じゃないんだしとドライです。
大事なのは未来であって、過去を云々いってどうなるんだと!ウォォォ

主人公の【私】が抱えていた秘密について、彼の成長とともに明らかにされていきます。
この主人公が、なんとも言えずウジウジしているというか!
先に書いたようなぶちおとは正反対タイプだったので、もどかしいったらないです。

主人公の彼は高校二年生、週末はお世話になっているおじさんが営むシロアリ駆除のバイトをしています。
翌年には大学受験を控えた普通の男子高校生です。

バイトの途中、海辺でたまに見かける白い自転車に乗った女性が気になっていた主人公。
ある日、シロアリ駆除に向かった屋敷でその女性と顔を合わせます。
白い自転車を門扉の中において、不思議な魅力をまとった名前も知らない女性。
この屋敷の住人ではないようだけど、毎週末女性が泊まることを知り、
主人公は床下に潜んで彼女と屋敷の主人の行為を盗み聞くというわんぱくっぷりです。

もちろん違法行為ですが、彼女への恋心ゆえにやめられない愚行…
ある夜もいつものように床下に潜んでいたのですが、屋敷で火事がおこります。
確証はないけれど、彼女が放火したのだと思う主人公。
彼女は屋敷の主人に苛まれているようだったから…
放火がおこった後、離れた露地で彼女と再会する主人公。
主人公と彼女の不思議な交際がはじまります。

主人公の大事な交友関係について。
面倒を見てくれているのはシロアリ駆除会社を営む近所のおじさんです。
このおじさん、愉快で気のいいおじさんです。
実父が主人公を疎んでいることを汲んで、自分が面倒みたる!という男前です。

おじさんには2人の娘がいます。
姉のサヨは静かな美少女という見た目ですが、何かこわさをはらんでいます。
サヨエピソードを読む限り、サイコパスっていると感じました。
子ども特有の残酷性では片付けられないくらい…

妹のナオは姉とは対照的で、活発元気っこという感じです。
中学生になる頃には、家事の一切を取り仕切る腕前です。
父や主人公とも仲良くやっています。
こんなに出来る子はなかなかいないぞという真っ直ぐな子です。

小さい頃、みんなで行ったキャンプの夜、テントが燃えてサヨは火傷を負います。
そして主人公の言葉によって、サヨは自らこの世を去ります。
サヨの死の真相について、主人公の秘密になってしまいます。

白い自転車の彼女との関係も、主人公の秘密になります。
どんどん秘密を抱えていく主人公の葛藤が凄まじいです。
言えない秘密は誰にでもありますが、人の死に関わっている秘密となると…

作中で『星の王子さま』の象をこなしているうわばみについて書かれています。
ぶちお、まったく読んだことはないですがネットで調べました。
やっぱり概要だけでは掴みにくかったですが、
象すらも丸呑みする蛇というのが秘密を抱える主人公のようにも思えました。

嘘と秘密でふくれあがっていく主人公を見守りましょう。

道尾 秀介先生作品

『球体の蛇』の著者、道尾 秀介先生作品から選書してみました。

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『カラスの親指』
最初の直木賞ノミネート作品、第62回日本推理作家協会賞受賞作品。
奇妙な同居関係、互いに素性は明かさない。

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『その話を聞かせてはいけない』
追い詰められた少年の心理に肉薄する逸品…
『球体の蛇』の主人公にも通じますね、少年の心理という部分。

向日葵の咲かない夏(新潮文庫)

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『向日葵の咲かない夏』
妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。
しかし死体は消えてしまった…

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『DETECTIVE X CASE FILE #1 御仏の殺人』
リアル脱出ゲームでお馴染みのSCRAPとタッグを組んだ推理ゲームもあります。
家で探偵になれるだなんて。
仲良しさんを募ってぜひw

まとめ

『球体の蛇』
本作を読み終えた時に、ふと何かで読んだ男女の恋愛の例え。
男性は恋愛を名前をつけて保存、
女性は恋愛を上書き保存するという例えです。
性でまるっとくくるのもあれですが、なんか分かるなと。
女性の方がやっぱりドライというか、したたかなのかもしれません。

本作の主人公は、とにかく過去に縛られています。
ケジメをつけた!と思っても、数年後にまた思い出してしまっていたり。

病的に熱烈に追いかけ続けられる女性がいるのは幸せでもあり、不幸ですね~

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