ぶちおの本棚

『禍』人体の各パーツにちなんだ短編集。常態からかけ離れてしまったパーツは、それだけで不穏。

ぶちおです。

今回は『禍』をご紹介しようと思います。
都市伝説のような、ちょっとずれた世界線ではこれが日常のような、不気味さがくせになります。
自身を構成するパーツ、目や鼻、耳や肉が変容してしまったら。

ゆだねるしかないのか。

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こんな人にオススメ

☆世にも奇妙な経験をしてみたい
☆なんだかんだ順応できるタイプだ
☆理屈なきホラーが好き
☆やろうと思えばなんでも超えられる

書籍概要

◆作品名 禍
◆著者  小田雅久仁
◆出版社 新潮社

セカイの底を、覗いてみたくないか?
孤高の物語作家が放つ、中毒不可避の悪魔的絶品集。
「俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ」。恋人の百合子が失踪した。彼女が住むアパートを訪れた私は、〈隣人〉を名乗る男と遭遇する。そこで語られる、奇妙な話の数々。果たして、男が目撃した秘技〈耳もぐり〉とは、一体 (「耳もぐり」)。ほか、アナタの臓腑を搔き乱し、骨の髄まで侵蝕する、小説という名の七の熱塊。前作『残月記』で2022年本屋大賞ノミネート、第43回吉川英治文学新人賞&第43回日本SF大賞のW受賞を果たした著者による、恐怖と驚愕の到達点を見よ!

ぶちおの読書感想文

『禍』
恐怖を与えてくるのが幽霊とか妖怪だったら、ホラーとしてもわかりやすいのですが。
本作では明確な怪物は登場せず、人間なのか人間じゃないのかもわからない。
ただ、何かに魅入られてしまって、向こう側に行ってしまったことはわかります。

全部で7編収録されています。
ぶちおが気になったいくつかをピックアップします!

・食書
その名の通り、書物を食べること。
ある日、主人公が見てしまったのは、一心不乱に本のページを破り取っては食べる女の姿。
本を破るという行為自体、気が引けるのに、まさかの食べ物扱いするとは…
その光景が焼き付いてしまい、主人公も試しに本を食べてみることに。

典型的な、やっちゃいけないと言われるとやってみたくなるアレです。
そんなに食べるということは、美味いのか?
食べる理由が気になる、それなら自分もやってみようと。

漫画やアニメのキャラクターにはいますけども。
食べることで書かれていること覚える特異能力とか。
でも現実、美味しいものじゃないのは食べなくてもわかります。
消化に悪い、というか咀嚼の時点で拷問だろうと。

でも主人公はずんずん進んでしまって…

・農場
家も仕事もない主人公がスカウトされたのは、怪しい農場での住み込みの仕事。
他に働いている従業員もいますが、外出は禁止。
もう外の世界に出られなさそうな環境。すでに怪しいぜ。
でも主人公はそれまでの暮らしに比べたら、待遇がいいと思って働くことにします。

この農場での仕事は、鼻を栽培すること。
花の誤字でないです。鼻です。顔の中央にあって、嗅覚を担当している器官の鼻。
培養液に浸かっているたくさんの鼻を、時期が来たら畑に植える。
あとは植物と同じように、育てていく。

体のパーツを植えたら、体が再生するというのはホラー界隈では見ることもありますが。
業務としての鼻栽培はお初でした。
しかも、なんか師匠と弟子の絆といいますか。
こんな怪しい仕事の中でも、矜持はあるという。
どんな仕事も極めようと、自分を鍛錬するのが大切なのかな。
いや、でも鼻の栽培は想像するだけでえぐい!!

・髪禍
髪って頭部に存在している時はよいけど、抜け落ちた状態を見ると不快感を増すもの。
日本では、髪は女の命というくらい、綺麗な髪の毛は生命力の象徴です。
綺麗なロングヘアーが美の基準の一つ。
でも、その髪の毛だけがぼさっと置かれていたら。
ひとまず見た瞬間、戦くことでしょう。
大量だろうが、一本だろうが、抜け毛にはやっぱりマイナスの印象があります。

ある新興宗教のサクラとして、宗教のイベントに参加することになった主人公。
参加条件は長い髪の女であること。
バイト代に目がくらんで参加してしまったことを、やはり後悔することになります。
信じる者たちの狂気と、髪の毛がもつ禍々しさ。

阿鼻叫喚っぷりが凄かった。

コミカライズ版も出ているので、お好みで。

なんともいえない空気感。
ぬったりとした湿度。
引きずり込まれる沼。
もう戻れない。

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