ぶちおです。
今回は『見習医ワトソンの追究』をご紹介しようと思います。
思っていたよりも医療要素がどっぷりで、専門用語の連続にも踏ん張りました。
人体の不思議って、本当に未知の領域なんだなと。
院長の命令で動く頼りないワトソンに同情しつつ、不可解な死の真相をかっぴらいていきましょう。
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こんな人にオススメ
☆医療ものミステリが好き
☆地道な過程を大事にしている派
☆病院と警察の対立、共同展開が胸アツ
☆自分の体のことはわかったつもりでいる
書籍概要
◆作品名 見習医ワトソンの追究
◆著者 鏑木蓮
◆出版社 講談社
何者かに腹部を刺された五十嵐夏帆が大阪の三品病院に緊急搬送された。懸命な治療の甲斐もあり、損傷した脾臓を温存したまま夏帆は一命をとりとめた――かに思えたが、術後あり得ない速さで容態が急変、命を落としてしまう。
死因は刺傷によるショック死、あるいは医療ミス、それとも――？
院長から死因の究明を命じられた内科医の家入陽太郎は、夏帆の事件を担当する大阪府警の刑事・成山有佳子の協力を得て調査を開始するが……。
ぶちおの読書感想文
『見習医ワトソンの追究』
実家を離れて1人暮らしをしている娘・五十嵐夏帆との電話中。
夏帆の体調を気遣いつつ、心配がつきない母。
実家から送った梅酒をちびちびやりながら、何気ない会話をしている中、夏帆の身に起こった出来事。
聞こえてくる音から、夏帆が何者かに襲われている様子を察します。
離れた地から、警察に通報して夏帆の保護を訴えたのですが…
夏帆は腹部を深く刺され、生死の境を彷徨うことに。
夏帆の治療に立ち会った医師、家入陽太郎の視点と、夏帆を襲った犯人を追う警察、成山有佳子の視点を交互に追っていくことになります。
家入は過去に自分が起こしてしまった医療過誤で自信を喪失中。
メンタルを立て直すため、三品院長の下でしごかれています。
三品院長は名医なんだけど、ちょっとぶっ飛んでいる系です。
家入に無理難題を出すことも日常茶飯事。
でも患者を大切にするパッションはあるし、経験も知識も豊富。
言ってることは間違っていないんだけど、言い方とかやり方がちょい問題といいますか。
1会話で1皮肉言わないと死んじゃうのかという性格をしてます。
が、何か事件のとっかかりを掴んでいるっぽいし…
家入が過去のことで落ち込んじゃっていることも分かるのですが、なかなかやきもきします。
もっと自己主張せな！
院長の言いなりでいいのか！
もっと主体性を出した方がいいのではないか！
過去のこともあって、自信がもてないというのも分かるんだけども、心配になっちゃう。
そんな家入視点では、医師として夏帆の身に起きた体調の急変を調べていくことになります。
傷の処置は完璧だったのに、短時間で容態が急変。
もしかしたら医療ミスの可能性もある。
医療ミスでないとしても、思いつく症例が当てはまらない。
院長の指示で家入は奔走しながら、調査を続けていきます。
そんな病院サイドと対するは警察、成山刑事視点。
医師は個人情報を守る義務があるので、警察に与える情報も制限している様子。
逆に病院が知りたがっていることは、警察も守秘義務があるとして情報を制限。
家入と成山、双方が腹の探り合いをすることになるのですがこのヒリヒリ感が。
空気の張り詰め方がｗ
夏帆を調べていくうちに、夏帆がプロデュースしていた化粧品に対して重めのクレームがあったことが判明します。
普通ではない、怨念のこもった恨み言が書かれたハガキが何通も届いていたらしい。
夏帆を刺した人物と、クレーマーは同一人物なのか？
お肌の悩みは深刻じゃから。
化粧やマスクで隠しきれない症状もツライし、一生隠し続けないといけないのもツライ。
薬で簡単に解決できないものあるし、手探りの治療もしんどい。
自分にあった化粧品ってなかなか見つからないですから。
パッチテストとかちゃんとやってますか？！
ぶちおはやらない派です。
気になった化粧品があったら、パッチテストすっ飛ばして使っちゃう派です。
そのせいで、合わない美容液で痛い目を見たこともありますｗ
高価だったし、まさか肌に合わないわけないだろうという謎の方程式が自分の中でありました。
思い込みのせいで、その美容液が合っていないせいだと気付くのにかなりの時間がかかりました。
気にしすぎる方がよくないなと思い放置してましたが、そういう些細なことが命に関わることもあるんだと。
侮ってはいけないぜ。
事件の進捗は、地道に一歩ずつ。
医師たちと、警察たちと、それぞれの仕事を全うするのみ。
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