ぶちおです。
今回は『いのちのパレード』をご紹介しようと思います。
ぶちお初!恩田陸先生の作品を読みました。
書店員歴も長く、読書もしている方ですが、なぜか読まずに過ごしていた作家さんの一人です。
ぶちおの友人も「恩田陸作品、オススメ!」と言ってくれていたのですが、無精&積ん読状態でした。
が!読みましたので!
他の作品も読みたいとすぐに思っちゃう、奇妙な短編集。
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こんな人にオススメ
☆不思議いっぱいがいい
☆バッドエンドもいい
☆時代や土地の設定は無限がいい
☆いい人と悪い人の見分けはつけられる方だ
書籍概要
◆作品名 いのちのパレード 新装版
◆著者 恩田 陸
◆出版社 実業之日本社
無国籍で摩訶不思議 華麗でクレイジーな変奏曲集!
指や手の形をした巨岩があちこちから生える奇妙な村に、妻と私はやって来た(「観光旅行」)。後期ロト7の当箋通知が届いた。まさか、この俺が?(「当箋者」)。大人なんだから不用意な発言はやめてほしいよ。だって僕らは…(「夕飯は七時」)。恩田ワールドの原点<異色作家短篇集>への熱きオマージュ。小説のあらゆるジャンルに越境し読者を幻惑する15篇。
新装版刊行に当たって、書評家・杉江松恋氏が解説「パレードは世界の果てまでも」を寄稿。また、2010年版の表紙に使用されたジョセフ・クーデルカの写真作品を斬新なデザインで再構成し、パッケージの奇想度合いもバージョンアップした「ジャケ買い」必至の一冊です。
ぶちおの読書感想文
『いのちのパレード 新装版』
もしかしたら、恩田 陸先生の作品の中でも変化球だったのかもしれませんw
ぶちおの友人が薦めてくれたのは『ネクロポリス』だったのですが、上下巻のボリュームに怖じ気づいて。
短編集なら読みやすかろうと思ったのですが、どの話も不思議マックス!
脳みそが状況を把握するのに、力を使いました。
普通なようでいて普通じゃなかったり、異様なようでいて実は異様じゃなかったりと戸惑いの連続。
日本に限らず、外国が舞台、異世界のようだったりと。
あっちこっちを縦横無尽に書きだしているようで、凄すぎてこちらがバグりかけるというw
電子書籍もあとがきや、解説を読めて買えるようにしてくれないかな。
いや、解説を読んだとしても、不思議が気になって結局ポチっていたとは思うのですが。
本作には15編収録されています。
その中からぶちおの脳でも結構咀嚼できたお話をいくつか。
『観光旅行』
日本のどこかに存在している村。
村には巨人の手のようなオブジェが地面からたくさん突き出ているらしい。
その村はおとぎ話の中のことと思っていたけれど、どうやら最近村の見学ツアーが組まれている。
ある夫婦は、そのツアーに申し込み、奇妙な光景の村に辿り着く…
村の詳細は不明。
過去に村に行った人に聞いても答えてはくれない。
村を知りたいなら、そのツアーに行くしかない。
謎のオブジェだらけの村、口外無用となると気になります。
ツアー中に客が行方不明になるわけでもなく、ただオブジェだけが取り柄の村を観光するだけ。
どうしてこんなツアーを組んでいるのか。
もっと宣伝して集客した方が、観光によるお金儲けは出来るはずなのに。
閉ざされた村はやっぱり一癖ありました!
村の目的も、現代ではどこにもありそうな動機っちゃ動機と言えます。
ツアーで出される注意は、しっかり守るのが吉です。
『SUGOROKU』
鐘楼がある寮のような場所。
寮にはたくさんの少女、そして毎日鐘楼に集まります。
鐘楼に登場した「三人姉妹」は、寮生達の部屋割りについて宣告します。
○○は1つ進む、××は3つ戻る、△△は振り出しに戻る。
まるでリアル双六をしているようなシステムで動いています。
それぞれが毎日マスを進んだり、戻ったり。
目指すのはもちろん、「上がる」こと。
上がることで祝福を受けられるト信じている少女たちですが、上がったものの末路を誰も詳しく把握はしていない。
ただ毎日、言われた通りの部屋に動くだけ。
目的も不明、ただ機関として存在しているこの場所が怖すぎる。
何となく皆は最短で上がることを良しとしていて、逆に振り出しに戻るということを最悪のことと認識している。
運が悪い娘は何度も振り出しに戻される。
主人公は戻ることはなく、ずっと進んでいるが、これがいいことなのかどうかは分からない。
自分の中で芽生えた疑惑、多勢との情報格差による恐怖。
足元からゾゾゾっとしました。
これ以外のお話も、時が経ったらまた違う味がしてくると思います。
恩田 陸作品
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『ネクロポリス』
「V.ファー」で連続殺人事件が発生した年、聖地である「アナザーヒル」でも事件が起きる。
犯人探しが進むなか、不思議な風習に彩られた「アナザーヒル」が変質し始める――。
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『夜明けの花園』
ヨハンの隠れた素顔、校長の悲しき回想、幼き日の理瀬、黎二と麗子の秘密、
月夜に馳せる聖、そして水野理瀬の現在。
理瀬と理瀬を取り巻く人物たちによる、幻想的な世界へ誘う六編。
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『蜜蜂と遠雷』
近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。
自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳
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『夜のピクニック』
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。
甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。
まとめ
『いのちのパレード 新装版』
どうしてこんな場所があるのか。
誰が作った規則なのか。
自分は殺されてしまう人間か、それとも観察をじっとしている人間か。
奇妙だけれど、目で追ってしまう世界。
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