ぶちおの本棚

『マグメル深海水族館』海の底は浪漫だらけ。苛烈な生存競争を生き抜いてきた生命に感動。

2024年11月20日

ぶちおです。

今回は『マグメル深海水族館』をご紹介しようと思います。
深海、好きです。
なんかもう、深海生物の造詣がたまらない。
古代の息吹を感じて高まります。

深海200メートルにある、水族館へレッツゴ!

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こんな人にオススメ

☆ほっこり系を探している
☆深海に行ってみたい
☆未開、古代というワードに惹かれる
☆学びを得たい

書籍概要

◆作品名  マグメル深海水族館
◆著者   椙下聖海
◆出版社  新潮社

マグメル深海水族館は、東京湾の水深200メートルにある世界唯一の水族館。ここでは、深海に潜む生き物たちを身近に観察することができる。清掃員のアルバイトとして働くことになった天城航太郎は、深海生物が大好きで、少し引っ込み思案な青年。ある日、館長の大瀬崎湊人に出会ったことで、彼の人生に変化が訪れる――。深い海の底で生きる深海生物たちの魅力とひとりの青年の成長を描く、心あたたまる物語が始まる。

ぶちおの読書感想文

『マグメル深海水族館』
その名の通り、深海にある水族館を舞台にしたストーリーです。
主人公は天城航太郎。
純粋、素直な子です。
好きなものについては、目をキラキラさせて饒舌になっちゃう。

無垢すぎて危ういところもありますが、人間素直さが一番やで。
憧れていた水族館で清掃員バイトをしながら、周囲の人と交流を深めて、大好きな深海生物への理解も深めていきます。
深海に惹かれるのには、父親の影響が強いのですが…
父親がどこで何をしているのか、わかっていない状況です。

深海に水族館があったら、絶対に行くなぁ~
普通の水族館も好きですが、やっぱり深海生物というのは一線を画しているといいますか。

人類は宇宙にも行けるようになりましたが、深海にはまだ到達出来ていない。
ロケットを飛ばして、空気もない宇宙で長期間過ごすことは出来るのにですよ?
海の深く、ふかぁ~い部分には、今の技術をもってしてもたどり着けないって!
浪漫じゃよ!!

深海に行くほど、圧力がかかるので機材とかも潰れちゃうらしいです。
潜水艦のようなかったい素材でも、ひしゃげるって水圧凄いぞ!
そんな水圧がかかっているところで生きている深海生物。とても気になります。

第1話はダイオウイカ。
2013年にNHKスペシャルで放送されて、一大ブームが起こりました。
ウッチャンのコント番組に、イカ大王というキャラも爆誕していたものなぁ。

ダイオウイカの展示、ぶちおも見に行きました。
でかかったなぁ~(語彙力)
触手というか、足の部分のピロピロが予想の何倍も細く長かった記憶です。
こんな髪質だったら、手入れ大変だろうなぁと。

お土産にピンズを買いました。
マッコウクジラと戦うダイオウイカのデザインで、書店員時代の仕事着エプロンに付けて働いていました。
レジ中に女性のお客さんに、「それ、ダイオウイカですよね」と声かけられたのを覚えています。
あのピンズ、働いているうちにどこかに行っちゃった…無念。

第2話はダイオウグソクムシ。
ダンゴムシのビッグ&海中仕様の生き物です。
ここで気付きます。
海中に【ダイオウ】多くない?w
でっかいぞ!こいつは!!となったら、ダイオウ認定されると思うとまたにっこりです。

各話の合間に、解説があります。
そこでも知らないことが書かれています。学びしかないんよ。

ダイオウグソクムシは敵に襲われたら、ダンゴムシよろしく丸くなって回避しようとする。
でも丸まりきれなくて、結果食べられちゃうとか。
悲しすぎる!!
それならダンゴムシ能力を与えなくていいじゃない!
中途半端な防衛機能は逆に本人を傷付けちゃうじゃない!!
でもそういうところも含めて、生物界は面白いです。

古代ザメの一種、ラブカ。
今までカタカナ表記しか知らなかったのですが、漢字で書くと【羅鱶】
フカというのは大きい鮫のことを指すと。
あ、そうなんだ!
フカヒレで、フカが鮫ということは知っていたけどラブカのフカも鮫のフカか。

カイロウドウケツ、リュウグウノツカイなどは、ゲームでもお馴染みの名前です。
ゲームでは分からない面を知ることも出来ます。
ロマンティックな生態だったり、昔話から着想を得ていたり。

500歳まで生きる鮫は、150歳でやっと大人になるとか。
半世紀も生きるの?
でもって人の一生よりもはるかに長い時間をかけて成熟するって伝説でしょう。
ゆっくり生きているんだなぁ。
動けば動く程、老いて早死にする説ありますよね。

餌が乏しい、恋の相手に出会う頻度も少ない、生きるには過酷な深海でも、何億年も生きている生物がいる。
うん、たまらん世界。

隕石衝突で氷河期が訪れ、地表近くに生きていた生物は大半が滅亡しました。
我が家の愛鳥の祖先の恐竜も、環境変化に対応出来ず滅びました…
しかし深海にはそこまで大きい変化がなかったから、当時からの姿のまま生きている生物が多い。

深海水族館で働く人達、水族館にやってくる人達、海に関わる人達、
航太郎と一緒に、どうやって向き合っていくのか考えたり。
命を扱う仕事だし、無理解な言葉に傷つくこともあるけど、頑張れ航太郎!

いつかぶちおも、深海水族館に通いまくりたい。

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まとめ

『マグメル深海水族館』
毎話登場する深海生物に驚きます。
どうやったら生き残れるのか、教えてくれている気がするもの!
全力で多様性を採用して生命を繫いでいます。
生命を繫ぐためには、どんな見た目でもいいし短命でもいいし、相手に吸収されたっていい。

どうしてそんな生態なのか?
なりふり構わない本気の深海生物たち!

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