ぶちおです。
今回は『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』をご紹介しようと思います。
タイトル通り!どういう状況?!とパニックです。
閉じ込められた事件関係者たち。
自殺として処理された社長の死に、どのように関与しているのか。
自分が犯人なんだと自白するプレゼンバトルが始まる!
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こんな人にオススメ
☆カオスな展開が好き
☆人間のどろどろ部分がたまらない
☆会話劇を楽しみたい
☆【自分の正義】ほど怪しいものはない
書籍概要
◆作品名 全員犯人、だけど被害者、しかも探偵
◆著者 下村敦史
◆出版社 幻冬舎
「私が犯人です!」「俺が犯人だ!」、全員犯人です!
社長室で社長が殺された。それに「関わる」メンバーが7人ある廃墟に集められる。未亡人、記者、社員2人、運転手、清掃員、被害者遺族ーー。やがて密室のスピーカーからある音声が流れる。「社長を殺した犯人だけ生きて帰してやる」。犯人以外は全員毒ガスで殺す、と脅され、7人は命をかけた自供合戦を繰り広げるがーー。
ぶちおの読書感想文
『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』
ミステリならば、容疑者たちは否認を続ける。
証拠や証言からあいつが犯人だ!と特定する。という流れです。
犯人は捕まりたくないんだから、そりゃあの手この手で否認します。
が、本作は逆です。
全員が犯人だと主張します。
THE カオス!
社長室で死んだ社長。
警察は自殺と判断したのですが、この会社では社会現象にまでなっているあるトラブルが。
それは会社の製品に不備があったにも関わらず、社長が隠蔽。
そのせいで死者まで出てしまっているということ。
本当に社長は自殺だったのか?
会社の社員、出入りの業者、トラブルを追っていた記者。
この会社の製品で被害にあった人の被害者代表。
社長を殺したいと思っていた人はたくさんいたはず。
もしかしたら、この中の誰かが犯人なのでは?
そして謎の主催者によって集められた関係者たちは、森の奥にある廃墟に閉じ込められます。
制限時間内に、社長を殺害したことを自白した人だけは助ける。
それ以外の人達は毒ガスで殺すというもの。
このルールで生き残るには、主催者に自分が犯人だと認めてもらうこと。
例え自分が犯人ではなくても、生き伸びるために完璧な社長殺しを自分がやったと自白することのみ!
各自が語る動機もどれも薄っぺらく聞こえてしまう。
助かるために、今作ってる人が複数人いるわけですから。
芥川の『蜘蛛の糸』よろしく、一本の糸にむらがる関係者たちの必死さ。
我も我もと自白していきます。
が、その自白を打ち砕いていくのも関係者たち。
探偵よろしく、自白の穴を突いていきます。
あんたの自白はおかしい、つまり犯人じゃないからだろ。何を隠そう俺が犯人だからだ!を繰り返してもう何を信じたらいいのか。
全員信用できないからなぁw
会社の不正を追及した記者だからといって、信じる理由にはならないし。
会社に真面目に勤めていたという社員たちだって、社長に苛つくことがなかったとは言えないし。
被害者の代表として声高に叫んでる人とかも、そもそもあんまり好きになれないというかw
そもそも自殺の可能性がゼロというわけでもないです。
主催者が勝手に犯人を助けると言っているだけで、犯人なんていないということもある。
カオスな論理のぶつけ合いをただ楽しんでいる可能性もあるし。
毒ガスだって本当に致死性のものか?
疑いだしたらキリがないぜ!
人間なんていくらでも、どこでだって嘘はつけますから。
とくに命がけとなったら、必死こくでしょう。
他者を貶めてでも、まず自分が生きる。
これは緊急避難、当然の自己防衛やねん。
社長の死の真相、集められた関係者の秘密、廃墟に迷い込んだ少年。
混沌としたプレゼン大会は、制限時間を迎えた後に…
どう推理しても、容疑者の数があわなくてw
自白のターンが変わるたび、誰が犯人やねん!とやきもきしました。
踊らされちまったぜ。
タイトル回収、素晴らしかった!
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