ぶちおです。
今回は『僕は■■が書けない 朽無村の怪談会』をご紹介しようと思います。
幽霊の正体見たり枯れ尾花。
どんなに不可解な現象も、仕掛けがわかってしまえばなんてことない。
ある村に伝わる儀式。
集められた語り手達。
こんなに夜明けが待ち遠しいとは。
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こんな人にオススメ
☆怪談の種を見極めたい
☆人の隠し事を覗きみたい
☆グロ儀式だってへっちゃら
☆人生はなんだかんだで因果応報じゃ
書籍概要
◆作品名 僕は■■が書けない 朽無村の怪談会
◆著者 阿泉 来堂
◆出版社 PHP研究所
通夜の晩に怪談話をすると死者の魂が甦る――そんな言い伝えが残る朽無村の名士・古柳哲郎氏が亡くなった。小説のネタ集めに通夜に参加することにした、ホラー作家「僕」と担当編集者の壱子。故人の遺言に則って集められた参加者と共に、曰くつきの会が始まる中、「僕」は披露される怪談に疑問を覚え……? 怪談に隠されていたものとは。驚き必至のホラーミステリー!
ぶちおの読書感想文
『僕は■■が書けない 朽無村の怪談会』
バベルの古書シリーズや、那々木悠志郎シリーズの作者・阿泉 来堂先生の作品です。
ぶちおも他著作を何作か読んでおります。
ドロドロっとしていて、人間の力では遥かに勝てない怪異が好きなもんで。
本作も最初から最後まで不穏な空気が漂っているのが良きです。
スプラッターみも少々あります。
本作の主人公はホラー作家「僕」。
ホラー作品でデビューして作家に専念していますが、ミステリ小説も書きたいという思いを持ち続けています。
担当編集にミステリ部門に推してもらう交換条件として、ある村で行われる怪談会に参加することを持ちかけられます。
通夜の夜、各自が怪談を披露して蝋燭をすべて吹き消した時、死者が蘇るらしい…
百物語に近い儀式ですが、ラストに死者がサプライズで復帰するだと?
そんなこと起こる訳ないですが、立会人として僕と担当編集は村に向かいます。
そこには3人の語り手と、棺に納められた死者1名。
石匣や蝋燭などで、怪談会の準備も万端。
亡くなったのはこの村の名士・古柳哲郎。
自分の事業を立て直すため、大手企業の令嬢に婿入りをしてからも業績を伸ばしてきたしごできです。
しかし、7年前に幼い娘と妻を亡くしてから意気消沈。
ついに先日、自ら命を絶ってしまったと。
指定した人に怪談を語らせる儀式を開くよう、彼は遺言を残していました。
故人の希望の通りに怪談会はスタートするのですが…
集められた語り手は古柳哲郎の関係者。
怪談は語り手自身の実体験に基づいたものばかり。
合宿中に遭遇した怪異。怪異の言い伝え通りに川で見つかった頭部。
開かずの座敷で聞こえる怪音。ある種の密室で見つかった死体。
会社の同僚たちとした登山。人からかけ離れた姿の怪異が死体を弄ぶ。
1人ずつ話を終えるたびに、主人公の僕は怪談のカラクリを推理します。
確かに、怪談として謎めいていて怖い。
当時、恐怖を感じていたからこそ臨場感も凄まじい。
でも、主観の物語だからこそ、欠落している部分も多いのではないか。
必要以上に恐怖を感じて、パニック状態になってしまっただけでトリックは意外に簡単なことではないか。
補完することで、怪異でも何でも無い。
悪意をもった人が起こしたただの事件だったという仮説が成立すると。
主人公はミステリ作家目指してますから。
横にいる編集にも、こんなにミステリ脳をもっているんだとアピりたいわけです。
仮説が事実だと言える根拠はないけれど、確かにそういう捉え方をしたら怪談の怖さも吹っ飛びました。
そりゃ、そんな怪異があちこちでポコポコ起きるわけないか~
そもそも古柳哲郎はどうして自殺したのだろう。
死者となってしまった娘の世界に行きたいというのであれば、怪談会で甦りたいというのは矛盾してくる。
もし娘を甦らせたいとしているのであれば、古柳哲郎が死ぬ必要はない。
やっぱり怪談会の開催自体がきな臭い…
3人が怪談を終えた後は、もうとんでもない事実が発覚していきます。
主人公も恥をかきます。
もの凄い恥ずかしかっただろうと、同情します。
立会人の立場がなかろうて。
田舎の寒村、古い屋敷、怪しい古書、不気味な儀式。
古柳哲郎が何を望んでいたのか。
それを知ったら、なんかもう巻き込まれる方の身にもなってくれよと。
見ず知らずの人が主催のイベントなんて、大体厄介なこと起こるんだから。
いや、見知っている人からの招待だったとしても、何が起こるか未知数だから用心するにこしたことはないです。
この怪談会に集まった人達は、死者が甦る瞬間を見ることができたのか。
全員無事に村を出ることは出来たのか。
参加することに意義があった怪談会。
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