ぶちおです。
今回は『天使の屍』をご紹介しようと思います。
次々に起こる少年の飛び降り。
自殺をした少年の父親は、少年が隠していたに違いない動機を探して奔走します。
父親の執念と、少年たちの儚さ。
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こんな人にオススメ
☆ハードボイルド味も感じたい
☆父親の無茶を応援したい
☆中学生時代って一番謎だったなぁ
☆ちょっと前の電化製品を懐かしみたい
書籍概要
◆作品名 天使の屍
◆著者 貫井 徳郎
◆出版社 KADOKAWA
思慮深かった中学二年の息子・優馬がマンンションから飛び降り、自殺を遂げた。動機を見出せなかった父親の青木は、真相を追うべく、同級生たちに話を聞き始めるが……。《子供の論理》を身にまとい、決して本心を明かさない子供たち。そして、さらに同級生が一人、また一人とビルから身を投げた。「14歳」という年代特有の不可解な少年の世界と心理をあぶり出し、衝撃の真相へと読者を導く、気鋭による力作長編ミステリー!
ぶちおの読書感想文
『天使の屍』
中二病という言葉がメジャーになりましたが、中学二年生ってやっぱり独特な気がしています。
あの頃特有の不安定さというか、危うさというか。
ある程度は将来のことを考えないといけないけど、まだまだ幼さもあるから目を背けたい。
ただ楽しく過ごしているだけではいかなくなり、成績やスポーツも何でも数字で計られるようになる。
高校受験を前にして、遊ぶにしても今しかない!という焦燥感もあった気がします。
ぶちおも中学時代が一番荒れていたもんな~
周囲もまぁあらぶっていて、学級崩壊やら下校待ち伏せ事件とかもあったしw
謎の怪電話事件もありましたが、あれは結局なんだったんだ。
男女の色恋の暴発が発端でしたが、人を巻き込んでまで怪電話をあちこちにするとか。
中学生は元気だな~
でもそんな事件に巻き込まれても、面白かった記憶あります。
あの時にしか生まれないギグ。
本書では14歳の息子を持つ父親・青木が主人公です。
イラストを描くことを生業にしていて、妻と息子の3人暮らし。
いたって普通の家庭でしたが、息子が家を出て帰ってこない。
夜に長時間外出するなんておかしいと思い、青木は息子を探しに行きます。
人が集まっているマンションに近づくと、人が飛び降りたと知ります。
地面に伏していたのは青木の息子。
後の捜査で事件性はなく、自殺と判断されますが青木は不承。
息子が飛び降り自殺をするわけない!
青木は息子のクラスメイトや担任に聞き込みを始めます。
仲がよかったという3名の男子生徒に、学校での様子を聞いたり。
そして失恋が自殺の原因ではないかと言われます。
失恋で自殺?
ありえないことではないけど、息子に限ってそんなハズはない!!
青木の独自調査は続くのですが、その後も息子のクラスメイトは次々に飛び降りて命を絶つ。
自殺の理由を知ったとして、納得なんかすることはない。
本人が死んでしまった以上、どんな遺書を残していようと信じられない。
遺族が納得する自殺の理由はないのかもしれないけれど、青木は父親の勘のみで突っ走ります。
失恋、学校の成績、将来のこと。
大人から見れば些細なことかもしれないけど、中二からしたら死活問題にも匹敵する悩みかもしれない。
青木は息子のクラスメイトと話しながら、大人にはわからない子どもの世界を感じていきます。
自分がその年頃だった時を思い出せば、何となくわかる大人への拒絶といいますか。
《俺たちのことはおじさんにはわからないよ》
と言われたら、もうその線から入ることは出来ないような。
青木のガッツに驚きました。
こんなになりふり構わず、どこまでも走って行けるのは父親だからという理由だけなのか。
会話が減ってきたとはいえ、何年も同じ家で暮らしていたからこその絆ゆえなのか。
読了して、連続する死の真相がわかって。
いや、それでも自殺を選択するって、う~ん。
月並みですが残される人のことを考えたらとか、これからの未来を想像したら、死ぬコマンドは出てこないような。
いや、それも考えられなくなるからコマンド選択しちゃうのであって。
青木に同情しました。
知らずにいるよりは、知れただけでもよかったのかな。
本書は2007年発行なので、懐かしい家電の存在が。
ブラウン管のテレビ、電話の子機、ビデオテープ。
ビデオテープは重ね録り禁止でツメが折ってあると書かれていて懐かし!と声が出ました。
ビデオテープは重ねれば重ねる程、画質がくちゃくちゃになっていったなぁ~
前の録画の上に上手に重ね撮り出来ないとカオスな映像作品が爆誕するとかw
作中に、一発OUTで人生詰む的な描写もありましたが2025年の今もさらに顕著になっている兆候だと。
過去の罪すら暴かれて退場の時代だなぁ。
真っ直ぐ、お天道様に顔向け出来る生き方が大事。
青木は連鎖する不幸を止めるため、ひた走る。
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