ぶちおの本棚

『キリングクラブ』自ら炎に飛び込む習性。サイコパスが集うクラブ、捕食者は誰だ。

2024年10月21日

ぶちおです。

今回は『キリングクラブ』をご紹介しようと思います。
アングラ万歳!
猟奇さを求めているんだ!
でも理解者も欲しているんだ!

生きたまま、脳を見られる経験はしてみたいか…

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こんな人にオススメ

☆秘密のクラブに通いたい
☆サイコパスに興味あり
☆連続殺人ばっちこい
☆刺激的に、太く短く生きたい派だ

書籍概要

◆作品名  キリングクラブ
◆著者   石川智健
◆出版社  幻冬舎

真相が二転三転する様は、まさに圧巻!
驚異のミステリー長編!

人口の1%は存在すると言われるサイコパス。そのサイコパスの中でもトップの1%が在籍する秘密の社交クラブがあった。そのクラブ「キリングクラブ」に集まるサイコパスは、一言で言うと社会的成功者。医者、ジャーナリスト、弁護士、起業家。きらびやかな社会的実績とは裏腹に、刺激と自己利益のためなら人を人とも思わぬ内面の持ち主だった。
ある日、キリングクラブでウェイターのアルバイトをすることになった藍子。はじめは時給の高さに目が眩んでの腰掛けバイトだったが、そこに集まる人達が社会的に成功したサイコパスであることを知り、俄然興味を抱く。そして、事件は起きる。「キリングクラブ」の客であるジャーナリストの青柳が何者かに惨殺された。しかも、その死体は開頭され、扁桃体が抜き出されていたという。サイコパスは扁桃体に特徴があると言われており、犯人は「キリングクラブ」を狙った可能性も考えられる。「キリングクラブ」を守る番人・辻町と共に事件を調べ始めた藍子だが……。

ぶちおの読書感想文

『キリングクラブ』
ぶちおは本を買う時、ざっくりと書誌のあらすじを読んでからポチります。
そして本棚に積ん読を築いて、徐々に読書していくのですが、読む頃にはあらすじはもう覚えていないわけで。
表紙を見て、あらすじを再確認することなく読み始めます。

今回はタイトルからもうヤバイだろうとw
殺人するためのクラブか!?
これはもう、どんなストーリー展開でもたまらん!と興奮して読んだのですが、作中でしっかりとキリングクラブの説明があります。

キリングの意味は、殺人ではなく大儲けの意味の方だと。
キリングクラブの会員は、財を成した成功者たちなんだと。
え、まじかw
殺人メインじゃなくて、お金持ちの社交場だったのか?!と思いましたが、安心しました。
しっかりばっちり連続殺人が起こります。
やっぱり、キリングは殺人の意味でもあったんじゃな。

キリングという英単語だと、サッカー漫画の『GIANT KILLING』と初めて遭遇した時も勘違いしました。
本当にタイトルそのまま、巨人を駆逐していく話かとw
英語の熟語をとんと知らないので、文字面そのままで和訳してしまう悪癖がついています。
その勘違いを、先輩書店員が正してくれて良かったです。
「あれはね、サッカーの監督の話なんだよ
大逆転劇をジャイアントキリングっていうんだよ」
あ、そういう意味のジャイアントなんだぁ~と、ぶちおの知識+1の思い出です。

キリングクラブのゲストは、いわゆる成功者と呼ばれるような地位や権力がある人種なのですが、共通点はもう1つ。
サイコパスであるということ。
サイコパスは誤解されがちですが、全員がヤバイ殺人鬼というわけではないです。
主な症状として、感情の一部、特に他者への愛情や思いやりが欠如している、自己中心的である、
道徳観念・倫理観・恐怖を感じないといったもの。

良い面から捉えると、凡人では尻込みしちゃう状況にも怯まない。度胸がある。
自分が信じたことは、なにがなんでもやり遂げる。
サイコパスだからといって、全て悪いことと言い切るのは難しいのです。

闇の性格特性と言われる、サイコパス、マキャベリズム、ナルシシズムの全てが備わっていると本当にヤバイ人格らしいです。
サイコパスだけで見ると、結構いるらしいです。
人格を枠できっちり定めるのは難しいですし、ヤバイ人達を色々と診断していったらこういうタイプの人が共通しているんだね~ということかなと。
ダーク・エンパスというヤバイ系人格もあるみたいです。
奥深い…

表の世界では成功者でもあるサイコパス達が集まるクラブの会員が次々に殺されます。
死体の特徴は、生きたまま脳の扁桃体部分が摘出されていること。
被害者は動けないように、死なない程度に薬を盛られて、そのまま頭蓋骨を開かれる。
うん、なかなか酸鼻!
犯人は開頭の技術もあるし、脳の構造も分かっている。薬学にも通じている。
そんな犯人像に当てはまるのは、一体誰なのか。

犯人が普通じゃないのは明らかですね。
何の目的があって脳をいじくるのか。
解決タイムで、しっかり理由が提示されているのですが、にしてもイカれてるだろうと!
さすが、キリングクラブです。

メインはキリングクラブの給仕アルバイトを始めた藍子視点で進みます。
殺人事件発覚後は、警察でもありキリングクラブの番犬の辻町とともに事件を追っていきます。
アングラには、国家権力も絡んでいるのは想定内。
巨大マネーが動くクラブには、一般人では想像出来ないきな臭さが充満しています。

あっちを見てもサイコパス、こっちを見てもサイコパス。
サイコパスを殺すサイコパス。
サイコパスに殺されちゃうサイコパス。

キリングクラブがどういう場所なのかを理解すれば、犯人も絞り込めます。
途中で犯人の検討がついたぶちお。
犯人との対決シーンは、結末が未知数すぎてドキドキじゃったわ。

ネットでもよくあるサイコパス診断を受けたぶちお。
素で回答したら、どう転んでもサイコパスとはほど遠い一般人でしたw
よし、それならサイコパスになるようなエッジな回答してやるぜ!と挑みましたがやっぱり一般人w
狙っても出てこない斜め上の視点がないと、サイコパスにはなれないんだなぁ。
ま、普通の人が一番いいでしょう。
平凡が一番!
凡夫でもいい!

次々にゲストが殺されるキリングクラブも黙ってはいません。
辻町を使って、怪しい動きを見せてきます。

幻冬舎の小説は、アングラに定評がありますw個人的に。
学びも多かったです。
人を本気でぶん殴る時は、頭は頭蓋骨に守られているからそんなにダメージを与えられない。
狙うなら、口だ。
というのを知って、超納得しました。
口は、防御力弱いですもの。
特に歯槽膿漏になっている状態でボコられたら、何本も歯が抜ける未来が見えます。

サイコパスの中にも、ヒエラルキーは存在する。

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まとめ

『キリングクラブ』
脳から扁桃体を切り取っていくのは、戦利品としてなのか。
それとも、他に理由があるのか。
生きたまま開頭をするのも、尋常ではない行為。
けれど、犯人だけには合理的な説明が出来るのでしょう。

アンダーグラウンドには、アンダーグラウンドの常識があって。
炎に飛び込んで自ら身を燃やす蛾にも、理由がある。

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