ぶちおです。
今回は『唐国の検屍乙女』をご紹介します。
表紙の雰囲気でポチり。
戦場から傷を負って帰ってきた少女・紅花。
何もできない繰りかえしの日々を破壊したのは、暴言暴挙やりたい放題の少年・九曜。
一見、事故死や自死に見える遺体から、真相を追いかけます!
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こんな人にオススメ
☆ライトなノベルを読みたい
☆昔の中国の雰囲気が好き
☆色恋要素はちょっと感じたい
☆冒険はいつでもしたい派
書籍概要
◆作品名 唐国の検屍乙女
◆著者 小島環
◆出版社 講談社
検屍から謎を解く! 人生に絶望した少女が破天荒な天才少年とバディを組む、中華×ミステリー×ラブコメ?
1042年の北宋。
17歳の許紅花は、名医である父の許希について戦場で医者として活躍していた。
しかし怪我がもとで右手に震えが残り、戦場にも赴けず、実家の医院を手伝うこともできず、引きこもりとなってしまった。
ある時、紅花の姉が依頼を受けた検死に代わりに行くことになる。
検死のために向かった妓楼で、髑髏を抱えて罵詈雑言を喚き散らす少年、高九曜――人呼んで「髑髏真君」と出会う。
この出会いが、紅花の運命を大きく変えることとなった――。
口が悪く我儘で皆に疎まれているが、頭脳明晰で一回観察しただけで色々なことを見抜いてしまう九曜。
そんな九曜に振り回されながらも、彼の聡明さや心の機微に興味を持っていく紅花。
九曜も自分を拒絶しない紅花に興味を持ち、自分の主治医にしようと猛アタックする。
さらに許希の弟子、劉天佑からも言い寄られる紅花……。
果たして紅花の選ぶ道は?
紅花と九曜が辿り着く真相とは!
ぶちおの読書感想文
『唐国の検屍乙女』
若き男女の冒険じゃった!!
傷を抱えて内面に色々ためこんでいる少女と、言いたいことは言うしやりたいことはやる少年のタッグが素敵説。
若さで何でも突破していけちゃう年頃だなぁ~まぶしいぜ。
主人公の紅花は名医の父をもち、父のサポートをするために戦場にも同行しました。
そこで負傷し、戻ってきたのですが、気力体力が落ちまくって約二ヶ月引きこもり状態に。
このままではダメ、家に迷惑をかけているとわかっているけれど、怪我の後遺症で自信喪失中…
ある時、姉が行った検屍にいちゃもんを付けられたとのことで、再検屍することになったと知ります。
紅花は立ち直るための一歩として再検屍に向かい、遺体に残る不審点を見つけます。
女性の検屍官って珍しいと思ったのですが、女性の遺体に触れるのは女性の検屍官のみと決まりがあるそうです。
儒教の影響で男女の接触もNGだったり、親の言うことが絶対だったり。
ぶちおがこの時代にいたら、荒くれ者になる自信があります。
もちろん検屍といってもハイテクな機械が出てくることはありません。
目でしっかり見て、匂いを嗅いで、触れて検屍をする。
検屍というと2時間サスペンスドラマ系のシーンを真っ先に思い描くぶちお。
昔の検屍の方が、今よりもっと難しいんじゃなかろうか。
何せ検屍官の感覚や経験頼みです。
誰がやっても同じ答えを返してくれる機材もない、マニュアルもない、過去の症例だって少ない。
綺麗な遺体ばかりじゃないです。
死後数日経過すると、肉体は腐っていくわけですし。
ちなみに、現場保存という意識もないので、遺体を運び出したら掃除がっつりしちゃうとかも事件解決の妨げになります。
こんな状況でも、紅花はしっかりと検屍して事件に向きあいます。
紅花の家は医者一家で、生きている人の治療をするのもてんてこまい。
すでに命を落とした人へ手間暇をかけるよりも、優先すべきは生者ではないのか。
父や姉のような優秀な人は生者を見るべき、自分のような半端ものはせめて死者を見るべき。
紅花の動機というか、心情がつらたん。
17歳ならもっとワガママだし、大人になりきれないのが普通じゃないだろか?!
家や家族のために尽くすいい子やで。
紅花は検屍中に、九曜という少年に出会います。
九曜はすでに他殺だと見抜いていて、事故死として処理しようとしている役人に罵詈雑言の嵐。
ただ、事故死を否定するロジックは九曜の脳内にしかないので、他人は理解に苦慮します。
事故死だ、事故死じゃないの押し問答。
明確な理由もなく、パッと見で不審なところがなければ検屍などせず処理していくのが普通です。
「役所だって暇じゃないんだ!」
「いやでも、他殺を見逃すなんて役所の怠慢だろ!」
いわゆる官の人たちのテンプレを否定したくなる気持ちはわかります。
「ちゃんと仕事しろよー!」
「お前らの言うこと全部聞いてたら、何も進まないんじゃー!」
ぶちおも押し問答に参加したい派です。
紅花は九曜の他殺説断定っぷりに興味がわき、行動をともにすることになります。
紅花の検屍の結果も、これは事故死ではないと感じている。
ここからたった1日とは思えないスピード感で事件は展開していきます。
あれ?ちょっと前まで引きこもり状態だったよね。
初対面の九曜と推理して、おやつを食べて、情報提供者の要望を聞くために別の検屍をしにいって、
容疑をかけられて逃走したり。
これは密度のエグイ冒険!!
間違ったことは言ってないんだけど、言葉の強さから周囲から手にあまっちゃう男子の九曜。
冒険をともにしていたら、何やら芽生えそうな気がしてきませんか。
そう、ちょっとだけ。
紅花の父を慕う官吏も、紅花ロックオン状態になります。
これは三角関係の出来上がりではないでしょうか。
出来上がりでしょう!
ちょっと餅を焼き始める九曜はかわいかったもの。
自分のアイデンティティを認識していく紅花を応援しちゃう。
検屍でごりごり救ってほしい!!
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まとめ
『唐国の検屍乙女』
亡くなった人にも敬意を表して。
殺人犯がいるならば、しかるべき対応を。
九曜のぶっとんだところが、紅花にとってはいいスパイスになります。
気付けば阿吽の呼吸で会話できちゃうくらいに。
2作目からは関係性も少し変わって、また新たな事件に出会うことに。
冒険、ロマンス、ミステリを感じたいならば!
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