ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です！
今回は『扉は閉ざされたまま』
とにもかくにも、扉は閉ざされたままでお話が進行していきます。
犯人はとにかく扉を開けて欲しくないのですが、その理由がなかなかの角度！
そもそもの殺人の動機も、ぶちおの脳内の引き出しには存在しない理由だったのでビックリ。
頭のキレる人が参加する同窓会で、事件を起こしてはいけません。
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こんな人にオススメ
☆同窓会というシチュにもえる
☆動機がミステリであれ
☆犯人視点で追い込まれたい
☆謎解明後も、犯人には苦悩してほしい
久しぶりに開かれる大学の同窓会。成城の高級ペンションに七人の旧友が集まったその日、伏見亮輔は客室で後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。何かの事故か？ 部屋の外で安否を気遣う友人たち。自殺説さえ浮上し、犯行は計画通り成功したかにみえた。しかし、参加者のひとり碓氷優佳だけは疑問を抱く。開かない扉を前に、ふたりの息詰まる頭脳戦が始まった……。
Amazon『扉は閉ざされたまま』作品内容より
ぶちおの読書感想文
『扉は閉ざされたまま』
作品の冒頭から、犯人は伏見、被害者は新山、ということがわかった状態で読者は読んでいきます。
書誌の紹介ですでに分かる情報ですもの。
どうやって殺害したか、どんな工作を施したのか、密室を作るためのトリックも全て犯人視点で描かれているので分かります。
伏見がたんたんと準備していた計画を実行していきます。
読みながら、ミスがないのかぴりつきましたｗ
ちょっとしたことでバレちゃうからね～
被害者がどういう性格で、どんな行動をするのが自然かとか、考えても正解なんて出せないけど変な痕跡は残しちゃだめよ。
仕上げは密室トリック。
建物の特性やその場においてあるアイテムをうまく利用して、無事に密室が出来上がります。
すべてを終えて、伏見はいつも通りの行動に戻ります。
舞台は大学時代の同窓会で、7人の男女が豪華なペンションに集います。
学生だった頃から、みんな社会人になって雰囲気も変わっている。
でも、当時の思い出話をしていたら学生の頃に戻ったみたいで和気藹々で過ごします。
伏見と新山の絡みを見ていても、問題なさそう。
伏見が殺害する一方的な動機があるんだろうけど、その理由が分かりませんでした。
む～何でそんなにヤル気なのだろう。
久しぶりの絡みだし、昔からの怨恨があるような描写もないです。
ただただ学生時代の仲のいい先輩後輩にしか見えない、のですが。
同窓会には学友の妹、優佳も参加しています。
伏見とは過去にちょっといい仲になりかけたけど、結局微妙な関係だったという優佳。
同窓会という場で、当時のくすぶりが再燃しちゃうのか？！と思いましたが、
いやいや伏見は殺人犯なわけですし、ラブロマンス要素はムリがあるか…
それにどうやら、探偵ポジションは優佳です。
事件が起きる前の雑談シーンでも、頭がキレることがよくわかります。
犯人は、探偵がいる場で事件を起こしたらダメなんですが、やっぱり事件を起こしちゃう。
やめられない、止まらない。
そして探偵の嗅覚で、じりじり追い詰められてしまうのがミステリの常です。
まぁ、あ！探偵っぽい人がいるから今日は犯行やめとこ！だと物語にならないかｗ
みんなで談笑、いったん解散、その隙に伏見は新山を殺害、集合時間になっても新山が来ない。
ここから同窓会メンバーの葛藤が始まります。
疲れて寝ちゃってるんじゃない？ほっとこうぜ～
から、
さすがにおかしくない？でも扉には鍵がかかってるし、ただ寝てるだけかも。
から、
発作とか何か予測不能なことが起きてたらすぐ助けなきゃ！でも、まだ寝てるだけの可能性もあるし。
中の状態が分からない密室を前に、右往左往。
どの行動をとるべきなのか。
伏見は新山の遺体がある室内に人が入るのを少しでも遅くしたいので、やんわりとみんなを誘導します。
それを少し離れたところで、じっと観察している優佳。
優佳の視線を感じつつ、疑われない程度に新山を心配しているメンバーの一人として動く伏見。
発言や小さな動きでも気をつけないと、犯人だと疑われて暴かれちゃうわけです。
しかし、時間の経過とともに伏見は自分のミスに気付きます。
あ、これは不自然だ。
この方向にもっていくと、あの証拠が矛盾している。
伏見の小さなテンパり。
読者は冒頭で犯行の一部始終を見ているので。何が伏見のミスなのかも推理できます。
伏見の動機。
なぜ新山を殺害したのか。
それはなんか本当、どうにか解決できなかったのかな～と思いました。
密室の意味。
優佳が不自然に感じたポイントです。
新山の性格や発言を考えると、鍵をかけるようには思えない。
でも今、扉はしっかりと閉ざされている。なぜか。
優佳による推理披露後の、優佳の提案にまたびびります。
伏見は窮地を、どう脱出するのでしょうか。
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まとめ
『扉は閉ざされたまま』
そう、扉は閉ざされたままだから、不安が膨れたりしぼんだりを繰り返します。
扉は出来るだけ開かないほうがいい。
まだ開いてはいけない。
開けさせてはいけない。
殺人犯と、彼を追い詰める探偵は、いつ、あの扉を開くのか。
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