ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!
今回は『ペルソナ探偵』
素性が分からない人同士でも、同じ目標や趣味があれば自然と仲良くなっていくのがネットの世界です。
各自が創作した話をまとめて、定期的に同人誌を発行出来て、チャットで話せているだけでよかったのですが…
ある人に降りかかった不幸を巡り、オフ会はひりつく犯人捜しの場に変わります。
オフ会系ミステリが好きな方はぜひ。
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こんな人にオススメ
☆伏線回収が趣味
☆各キャラの作品に潜む謎を解きたい
☆どんでんは何回も味わいたい
☆素性が分からないということは、ピンときた
書籍概要
◆作品名 ペルソナ探偵
◆著者 黒田研二
◆出版社 講談社
作家を志し同人誌を作る6人の男女が、チャットルーム「星の海」に集まった。星の名前をハンドルネームにした彼らに面識はなく、プライベートは秘することを約束事にしていた。だが、そのことがすべての事件の伏線となり、真の悲劇を招き寄せる。それぞれの謎が環となって、予測不能の最終章へと繋がる衝撃作!
Amazon『ペルソナ探偵』作品内容より
ぶちおの読書感想文
『ペルソナ探偵』
ぶちおが大好きな『逆転裁判』のヤンマガ版コミカライズの脚本をご担当されていた黒田先生の作品です。
ヤンマガ版『逆転裁判』コミックの電子配信がないのが残念。
書店員時代、ヤンマガの棚にあの黒い背表紙を並べていました。検事シリーズももちろん並べたり。
ゲームにはない、オリジナルの事件が掲載されていました。
好きな作品に関わった作家さんの作品も、なるだけ追いかけていきたい派のぶちおです。
本作ですが、東京近郊に住む6人の男女が参加している同人誌サークルの物語です。
お互いの素性は一切明かさず、サークルの主催者であるカストルのみが各人の連絡先を把握しています。
同人誌の発行は3ヶ月に1回程、チャットルームでの会合は週1で開催されています。
各自が締め切りまでにカストルに原稿を送付し、製本された同人誌をカストルから各自の住所に送付、
同人誌を読んだ感想をチャットルームでわいわいする。
ただただ楽しい会です。
本作の発行が2000年なので、若干古い描写は残っています。
普通に煙草とか吸っている時代がもう懐かしいですね。
マイルドセブンという名前を聞いて、子どもの頃に買いに行かされたことを思い出しました。
小銭を持って、自販機に向かう幼きぶちお。
今は子どもが買えないですし、ぶちお父も禁煙しました。
作中は愛煙家が多数派のあの頃なんだなぁと。懐かしさがじんわり。
今はネットも進化しまくってますから、当時のイメージもちょっと難しいかもです。
テキストのみで、見ず知らずの人とやりとりをしていたチャットルームw
ぶちおもその頃は、ぶちお父のパソコンをいじって『CATS』のチャットルームにいりびたっていました。
劇団四季のミュージカルの、あの『CATS』です。
それぞれが推し猫の名前を使ってなりきり、あの世界観を崩さないまま、あの世界でありそうな会話をするというお部屋でしたw
ぶちおはランペルティーザを使っていたなぁ~
会話の内容とかは覚えていないですが、知らない人と『CATS』ごっこして、めちゃくちゃ楽しかったのは覚えています。
そう、ぶちおは本作のキャラクター達が、あの会に夢中なことに痛く共感しながら読みました。
自分の作品を読んでくれて、感想を言い合って勉強して、また新しい物語を作る。
素性を何も知らないからこそ、遠慮なく意見も出来る。
忖度なしで楽しい関係って、なかなかないですからね。
〈星の海〉という会の名前通り、会の参加者のハンドルネームはすべて星の名前からつけられています。
スピカ、アンタレス、カペラ、ベガ、カストル、ポルックス。
同人誌に掲載された物語を読者も読み進めていきます。
一見、奇妙な事件なようでいて、種明かしされればなんだ~と気が抜けちゃうこともw
とんでもない殺人鬼が大暴れ、ありえない遺体の山、といったサイコ展開はないです。
文章マジックで、事件の真相から目をそらされがちになります。
ミステリ好きは、伏線やら言葉のギミックを見抜いて悦に浸るチャンスです!
微笑ましい会の活動を見ていたと思ったら、最終話でオフ会が開かれ急展開です。
会うことはしないという規則を破り、全員が集うことになった理由。
【ベガが死んだ。ベガを死なせた犯人がこの中にいる】
今までの集大成とも言える謎の提示です。
互いに顔も本名も住所も知らないのに、ベガを死に追いやる方法なんてあるのか。
ベガが死ななければならない理由はなんなのか。
最初からしっかり脳内に色々と描けていた人であれば、何となく感じていた違和感の答え合わせタイムです。
ハンドルネーム、同人誌特有の事情、このあたりを踏まえて推理しましょう。
ぶちおも、全体の7割くらいの謎は解けたかと!
たたみかけどんでん返しを何回か喰らって楽しめました。
最初から、どでかいヒントが目の前に鎮座しています。
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こんな作品もおすすめ
『ペルソナ探偵』をよんで、ハンドルネームとか、ネットの中だけの交流などを活かした作品を選書してみました。
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『十角館の殺人〈新装改訂版〉』
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。
はい、何度でもおすすめ作品として紹介している作品です。
ミス研メンバーらしく、名だたる作家陣の名前が使われています。
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『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。
自分達で起こした事件をメンバーに披露する、というエッジのきいた会です。
ぶちお的に、十角館の次くらいに鳥肌がたった作品です。
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『名探偵コナン』
伝説的アナグラムを忘れることは出来ません。
何かの愛好家が集まるとか、オフ会とか、腹に何かもっていそうな人達の集いは100%事件が起きます。
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『ピューと吹く!ジャガー モノクロ版』
オフ会に行ったら、一番会いたくない人と出くわしてしまう悲劇(喜劇)が何巻かに載っていますw
ハンドルネームでやりとりしているからこその出来事です。
まとめ
『ペルソナ探偵』
最終話のための伏線を、どれだけ回収出来るのか。
なんでもないような描写に、必ず謎を解くヒントがあります。
読者には謎解きの材料がたんまり用意されています。
ネットの中の人物像は、リアルと一致するのでしょうか。
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