ぶちおの本棚

『十戒』本当に見抜くべき謎はどこにあるのか。課されたルールからは誰も抜けだせない。

2023年11月16日

ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!

今回は『十戒』
絶賛されまくった『方舟』の著者、夕木先生の作品です。
2作品読んでぶちおは気付いた。
解くべき謎を見つけられるかどうかが鍵です。

逃げられるのに逃げられない。孤島に取り残された9人には十戒が与えられる。

十戒

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こんな人にオススメ

☆前作『方舟』の雰囲気が好き
☆孤島で起きる事件に垂涎
☆特殊な犯人の指示の真相を見抜きたい
☆スカッとしなくても構わない

書籍概要

◆作品名  十戒
◆著者   夕木春央
◆出版社  講談社

殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。

浪人中の里英は、父と共に、叔父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。
島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。
“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。
犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

週刊文春ミステリーベスト10(「週刊文春」2022年12月8日号)国内部門&MRC大賞2022など4冠に輝き、ミステリ界を震撼させた『方舟』夕木春央、待望の最新作!

Amazon『十戒』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『十戒』
前作『方舟』のように、どんでん返される覚悟をもって読みました。

人物や物の描写は、そぎ落とされていると感じます。
人物紹介は名前と勤務先は明確ですが、細部の説明は最小限です。
これによって、かまいたちの夜のキャラクターのような顔のないキャラクター像を作るのが限界です。
つかみどころのない印象が、そのまま事件への不安感を増幅させます。
そう、大事なのは内面を見抜くことなのです。

舞台は崖に囲まれた孤島、海を泳いでの脱出は不可能。
その孤島に集った9人の男女。
美大浪人中の里英は、父親と連れだって伯父の遺産である孤島に行きます。
小さい頃に何度か訪れた孤島に、伯父との思い出と一抹の不安を感じながら上陸します。

里英と里英の父親以外の7人は、亡くなった伯父と繋がりがあった開発、建設、不動産関係の会社の面々です。
孤島を開発して新しい事業を目論む大人たちです。

上陸後は、放置されていた建物の様子を見回ります。
が、そこでとんでもないものを発見。
相当な量の爆弾が置かれていたのです。
私有地に爆弾て!犯罪の香りしかしません。
伯父が犯罪に加担していたのか。
ここで爆弾を作っていたのは誰なのか。爆弾を何に使うのか。
数年放置されていたはずなのに、直近まで人がいた痕跡も見える。

爆弾のことをどうするか、先延ばしにしているうちに事件が起こります。
崖下でクロスボウに背中を撃たれた遺体が発見されます。
そして犯人からのメッセージである十戒も残されています。

十戒の名の通り、十のルールが書かれています。
これから三日間、島外に出てはならない。
外部に連絡する時は全員監視の下で行う。など。
そして十番目には、
【殺人犯が誰か知ろうとしてはならない】
十戒を守らなかった場合は、爆弾を起動させて全員の命を奪うというペナルティです。

大変!
名探偵の活躍を、しょっぱなから犯人に塞がれました。
こうされてはもう、どんなにIQが高くても何もできません。
遺体を検分したり、各自のアリバイを聞いて回るなんてことをしたらドカン!
十戒を守ることが出来れば島外に帰ることができる希望がありますが、そもそも殺人犯が逃がしてくれるかの保証がない。

生存者たちは、潜んでいる犯人のご機嫌を伺いながらストレスフルな三日間を過ごします。
とにかく大人しくしていれば大丈夫、と言い聞かせて過ごしますが犠牲者はまた出ます。
殺された理由はもちろん、十戒を破ったため…

後半で犯人は
『これから死体処理するから、皆は自室で待ってて』という内容の指示を出します。
いや、どんだけ大胆なんよ!
犯行声明とも違う、堂々たる宣言です。
もちろん、この機会に犯人をのぞき見ることは可能ですが、十戒には犯人探しNGがあるのでもちろん何もできません。
ただ犯人の存在を感じながら、何もしてはいけない時間を過ごします。
ここの犯人、ヤバすぎる!

里英の涙の意味とは。

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『十戒』は孤島が舞台!ということで、孤島を舞台にした作品を選書してみました。

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『金田一少年の事件簿』
孤島のホテル「オペラ座館」では恐ろしい事件が一たちを待ちかまえていた――。
やはりまずは、金田一少年の孤島ものです。
嵐もきて船も流される。犯人には最高の舞台。

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『十角館の殺人』
孤島に建つ十角形の奇妙な館を、大学のミステリ研に所属する7人が訪ねる。
奇妙な館が建つ孤島、うん好物です。

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『彼岸島』
吸血鬼が棲む孤島、彼岸島(ひがんじま)――。
孤島には人間以外も棲んでいる可能性があります。要注意!

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『自殺島』
「自殺島」─それは、自殺を繰り返す“常習指定者”達が送られる島。
死にたがっていた人達が、生きるためにサバイバルをはじめる。

まとめ

『十戒』
犯人のトリックや動機を暴こうというよりは、行動の真意そのものを追求するのが面白かったです。
十戒というルールを作る方が手間ではないか、とか。
証拠隠滅をするタイミングはなぜその時だったのか、とか。
犯人を知ったら、読んできたちょっとした違和感の答えになります。
だからあの時…おかしいと思ったんだよな~を堪能しました。

犯人のイカれっぷり、なかなかでした!

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